Asuka774_
DONE #LH1dr1wr「日課」です(お題間違ってましたらすみません)
1時間強前にワンドロの存在を知り、すぐさま書いたものですのでクオリティはかなり酷いです(汗
お目汚しすみません!
オレたちの日課(?)オレたちの日課と言えば『打ち合わせ』だ。つまるところダイを探すための場所にいつも目印を付けていくことだ。それは毎回朝食後に行われる。
「ラーハルト、今日の打ち合わせだがこの辺りにしてみないか?」
いつも大きな地図を出し、いくつかのポイントを挙げていく。すると背後からラーハルトが抱きついてきた。
「ヒュンケル…オレはお前と寝たい…」
「早朝から何を言っているんだお前は…さては昨日、飲み過ぎただろう!?」
ヒュンケルはやれやれとため息をついた。
「寝るどころか起きたばかりだぞ、テキパキ動け!」
「嫌だ、お前と寝たい…」
叱ってみても駄目らしい。
「お前の主人(あるじ)のためでもあろう!」
「今日ならきっとダイ様は許してくださるさ…」
1006「ラーハルト、今日の打ち合わせだがこの辺りにしてみないか?」
いつも大きな地図を出し、いくつかのポイントを挙げていく。すると背後からラーハルトが抱きついてきた。
「ヒュンケル…オレはお前と寝たい…」
「早朝から何を言っているんだお前は…さては昨日、飲み過ぎただろう!?」
ヒュンケルはやれやれとため息をついた。
「寝るどころか起きたばかりだぞ、テキパキ動け!」
「嫌だ、お前と寝たい…」
叱ってみても駄目らしい。
「お前の主人(あるじ)のためでもあろう!」
「今日ならきっとダイ様は許してくださるさ…」
Asuka774_
MEMO※常にキャラ崩壊注意※Twitterで連載(?)しているちみっと劇場のまとめです!こちらでは番外編は省いています。
22話から現時点での最新話(36話)まで載せています! 15
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/05/11 お題「休憩」120分ほど。
ダ様のことに関しては周りと自分が見えなくなるラーのストッパーはヒュンだと思うので。お互いにお互いのストッパーであってほしい 4
あかつき
TRAINING5/4のお題「タンデム」。約1時間オーバー…第100回の開催、おめでとうございます!そして100回もの継続開催、本当にありがとうございます!毎週、ワンドロのおかげで生きているようなものです…(-人-) 2060
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/05/04 お題「タンデム」120分ほど。
100回おめでとうございます!毎週お題をありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
現パロの二人。ヒュンは原作軸よりちょっとしたたかでわがままにしがちです。ラーはより振り回されがち。
タンデム自転車は全国で去年から公道オッケーになったみたいです。 4
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「高嶺の花」 2024.04.28. ヒュンケルとラーハルトは、光り輝く小山を見上げた。
空は暗い灰色で、周囲の景色は植物も生えぬ岩ばかりだ。なのにこの丘は、そこだけが色彩の付いた楽園かのように草原となっており、頂上からの光に照らされていた。
「村のご神体みたいに扱われてます。これのおかげで気候がいいんで。皮肉なモンですよねえ、ご先祖の敵だった奴等の置き土産が……」
ここまで案内をしてくれたのは、年の頃は400代か500代くらいかに見える中年の魔族だった。
「あれは?」
ヒュンケルが指さしたのは、頂上にある水晶の塊、さらにその尖端に頂かれている青い石だ。光はあれから発されている。
「賢者の石です。うちのじいさんが子供の頃……だから900年くらい前かな。竜の騎士が地上から討伐に来て、そのパーティの誰かが戦死したときに落とした装備品から水晶が湧いたんだとか。けどあれ、魔界にはそぐわない聖なるアイテムでしょう? 『清く聡明な者』しか手にできないと言われてて。光で癒やしを与え続けるんだそうですけど、誰にも取れません。なぜかあそこに辿り着けなくて」
1784空は暗い灰色で、周囲の景色は植物も生えぬ岩ばかりだ。なのにこの丘は、そこだけが色彩の付いた楽園かのように草原となっており、頂上からの光に照らされていた。
「村のご神体みたいに扱われてます。これのおかげで気候がいいんで。皮肉なモンですよねえ、ご先祖の敵だった奴等の置き土産が……」
ここまで案内をしてくれたのは、年の頃は400代か500代くらいかに見える中年の魔族だった。
「あれは?」
ヒュンケルが指さしたのは、頂上にある水晶の塊、さらにその尖端に頂かれている青い石だ。光はあれから発されている。
「賢者の石です。うちのじいさんが子供の頃……だから900年くらい前かな。竜の騎士が地上から討伐に来て、そのパーティの誰かが戦死したときに落とした装備品から水晶が湧いたんだとか。けどあれ、魔界にはそぐわない聖なるアイテムでしょう? 『清く聡明な者』しか手にできないと言われてて。光で癒やしを与え続けるんだそうですけど、誰にも取れません。なぜかあそこに辿り着けなくて」
Jeff
DOODLEお題:「高嶺の花」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/28
出待ちの陸せん騎💐
Etoile ヒュンケルは頬杖をつき、あらためて目の前の男をじっと見た。
ベンガーナ中心街をやや外れた、洒落た一角のカフェにて。
初夏の風を楽しむ余裕もないのか、ラーハルトは呆然と掌を見つめたままだ。
「そろそろじゃないか」
ヒュンケルが声をかけると、ああ、と蚊の鳴くような声で答える。いつもの鉄面皮はどこへやら、頬の産毛が数えられそうなくらい幼く見える。
久しぶりだ、相棒のこんな姿は。
ヒュンケルはほくそ笑んで、冷たいライム水を一口含んだ。
彼の相棒、世界一の戦士ラーハルトは。
意外なことに、惚れっぽい。
数年前なら、魔界まで踏み抜く大喧嘩に発展していただろう。実際何度か揉めて、罪もない山岳が半分消し飛んだりもした。
2438ベンガーナ中心街をやや外れた、洒落た一角のカフェにて。
初夏の風を楽しむ余裕もないのか、ラーハルトは呆然と掌を見つめたままだ。
「そろそろじゃないか」
ヒュンケルが声をかけると、ああ、と蚊の鳴くような声で答える。いつもの鉄面皮はどこへやら、頬の産毛が数えられそうなくらい幼く見える。
久しぶりだ、相棒のこんな姿は。
ヒュンケルはほくそ笑んで、冷たいライム水を一口含んだ。
彼の相棒、世界一の戦士ラーハルトは。
意外なことに、惚れっぽい。
数年前なら、魔界まで踏み抜く大喧嘩に発展していただろう。実際何度か揉めて、罪もない山岳が半分消し飛んだりもした。
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「墓参り」 2024.04.04. よく晴れた庭で。
「墓? オレの?」
芝生にしゃがむラーハルトは、桶に手を突っ込んで洗濯板に下着をこすりつけながら、訝しげに横のヒュンケルを見た。
ヒュンケルもまた別の桶で手を濡らし、洗濯物をじゃぶじゃぶ濯ぎながらこたえた。
「違う、オレの」
ラーハルトは泡を立てながら頭にハテナをいっぱい浮かべた。
「欲しいのか?」
「いや? 要らんぞって話だ」
ヒュンケルは、じゃーっと絞ったラーハルトのパンツを持って立ち上がり、パンパンッと空中で払って伸ばして、物干し竿にかけた。
なんでこんな話になったんだ? とラーハルトは首を捻り、そうそう伝説の武具がピラミッドにあったらしいけどそれって墓荒らしだよな、という流れからだったと思い出す。しかしながら。
1729「墓? オレの?」
芝生にしゃがむラーハルトは、桶に手を突っ込んで洗濯板に下着をこすりつけながら、訝しげに横のヒュンケルを見た。
ヒュンケルもまた別の桶で手を濡らし、洗濯物をじゃぶじゃぶ濯ぎながらこたえた。
「違う、オレの」
ラーハルトは泡を立てながら頭にハテナをいっぱい浮かべた。
「欲しいのか?」
「いや? 要らんぞって話だ」
ヒュンケルは、じゃーっと絞ったラーハルトのパンツを持って立ち上がり、パンパンッと空中で払って伸ばして、物干し竿にかけた。
なんでこんな話になったんだ? とラーハルトは首を捻り、そうそう伝説の武具がピラミッドにあったらしいけどそれって墓荒らしだよな、という流れからだったと思い出す。しかしながら。
asamag108
DOODLE仕事中あまりにも眠すぎたので妄想した「セッしたいんだけど眠すぎてどうにもならないラーヒュン」。とりあえずざっと書いただけで推敲をしていないらくがきですが、明日も眠いと困るのでこのまま投げて今日のところは寝ます…💤
2024.4.18 3369
Jeff
DOODLEお題:「修羅場」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/14
Deadline それは、ある晩突然やってきた。
否、既にそこにあったのに、あえて目を逸らしていたのだ。
「それで?」
ラーハルトは冷静を保ちつつ、机に突っ伏した相棒を見下ろした。
「助けて欲しい」
と、ヒュンケルはかすれ声で返す。
見事な銀髪はこんな時にも艶めいているが、てっぺんに紙屑が絡まっていた。
「いつからだ」
重々しく問うと、罪深き男はおもむろに視線を上げた。
徹夜明けの頬に謎の文字が転写されている。インクが乾かぬまま寝入ったのだろう。
「……三日」
「本当は?」
「一週間」
「正直に言え」
「一か月、くらいだ」
「締め切りは、一か月前?」
こくり、と頷くヒュンケル。
「誤解しないでくれ、ラーハルト。これは単純なミスだ。姫の提示する原稿提出期限にはかなりの余裕がある。一か月くらい超過して丁度いい。いつもなら問題ないんだ。だが、複数の記事を請け負っていたことをすっかり忘れていて」
1874否、既にそこにあったのに、あえて目を逸らしていたのだ。
「それで?」
ラーハルトは冷静を保ちつつ、机に突っ伏した相棒を見下ろした。
「助けて欲しい」
と、ヒュンケルはかすれ声で返す。
見事な銀髪はこんな時にも艶めいているが、てっぺんに紙屑が絡まっていた。
「いつからだ」
重々しく問うと、罪深き男はおもむろに視線を上げた。
徹夜明けの頬に謎の文字が転写されている。インクが乾かぬまま寝入ったのだろう。
「……三日」
「本当は?」
「一週間」
「正直に言え」
「一か月、くらいだ」
「締め切りは、一か月前?」
こくり、と頷くヒュンケル。
「誤解しないでくれ、ラーハルト。これは単純なミスだ。姫の提示する原稿提出期限にはかなりの余裕がある。一か月くらい超過して丁度いい。いつもなら問題ないんだ。だが、複数の記事を請け負っていたことをすっかり忘れていて」
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/04/13 お題「修羅場」120分ほど。
姫はどこにでも首をつっこんでくるな…。今回いないけどポも。ツッコミ役二人にはいつもお世話になっております。
武器の意思のありなし問題は、ダの剣よりは薄めだけどちゃんとあるという設定です。持ち主のところに帰るし。 2
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「変装」 2024.04.10.「オレがやる」
ヒュンケルの発言に、ダイとレオナは渋い顔をするばかりだった。
当初、二人の婚約がこのような難件を招くとは考えもしなかった。しかしパプニカの一部の者達にとっては、突然にあらわれた人間では無い者が王配の地位を占めるなど、許しがたい事態だったらしい。
女王と勇者の婚姻を推進する大臣達は、軒並み暗殺予告をされているのが現状だった
実際に襲われてもいる。国を挙げて騎士団の警護を着けていたにも関わらず、その護りが蹴散らされて、馬車に乗っていた大臣が一名、重症を負った。
相手はかなりの腕前と知れた。以来、ダイとラーハルトも動員して大臣達を守っていた。
「確かに、ダイ様までが警護に当たっているのはちぐはぐだ。早く状況を打開せねばならん。……が、ヒュンケル。おまえは襲われても、もう戦えまい」
2795ヒュンケルの発言に、ダイとレオナは渋い顔をするばかりだった。
当初、二人の婚約がこのような難件を招くとは考えもしなかった。しかしパプニカの一部の者達にとっては、突然にあらわれた人間では無い者が王配の地位を占めるなど、許しがたい事態だったらしい。
女王と勇者の婚姻を推進する大臣達は、軒並み暗殺予告をされているのが現状だった
実際に襲われてもいる。国を挙げて騎士団の警護を着けていたにも関わらず、その護りが蹴散らされて、馬車に乗っていた大臣が一名、重症を負った。
相手はかなりの腕前と知れた。以来、ダイとラーハルトも動員して大臣達を守っていた。
「確かに、ダイ様までが警護に当たっているのはちぐはぐだ。早く状況を打開せねばならん。……が、ヒュンケル。おまえは襲われても、もう戦えまい」
asamag108
PROGRESS「ピクリエ使ってみよう@橙オンリー」にて展示していた新刊冒頭の初稿を期間限定で再公開(なお期間は未定)。支部に上げたやつが本にした決定稿なので、麻さんずっと手直し作業してるけど具体的に何してるん?とご興味持たれた方は見比べてみると面白いかもしれないしそうでもないかもしれない。
パスワードはくるっぷの新刊サンプル宣伝記事にございます。 12021
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「くしゃみ」 2024.04.08. なりゆきで同じ職場なので、三人はわりと頻繁に昼食を共にしていた。ここも、よく来る大衆食堂だ。
ポップの口が、ふえ、と緩んだ次の瞬間。
「……っぶしゅんっ!」
向かいの席に座るヒュンケルとラーハルトは、瞬時に上体を大きく横に傾けて飛んでくる唾を避けた。さすがの敏捷性だ。
「くしゃみは手で押さえろ」
というヒュンケルの顰蹙はもっともだけれど。
「ごめんごめん。今のは間に合わなかったんだ」
ポップは、てへへと後頭部を掻いた。幸い、卓上の料理はすでに腹に収めていたので被害を受けなかったのだが。
「とめろ。くしゃみくらい」
ラーハルトは不快を隠さずに苦言を呈してきた。
「ムリだろ、生理現象なんだしよ」
ポップの反論を聞いて、戦士二人はしばし黙り込んだ。
1324ポップの口が、ふえ、と緩んだ次の瞬間。
「……っぶしゅんっ!」
向かいの席に座るヒュンケルとラーハルトは、瞬時に上体を大きく横に傾けて飛んでくる唾を避けた。さすがの敏捷性だ。
「くしゃみは手で押さえろ」
というヒュンケルの顰蹙はもっともだけれど。
「ごめんごめん。今のは間に合わなかったんだ」
ポップは、てへへと後頭部を掻いた。幸い、卓上の料理はすでに腹に収めていたので被害を受けなかったのだが。
「とめろ。くしゃみくらい」
ラーハルトは不快を隠さずに苦言を呈してきた。
「ムリだろ、生理現象なんだしよ」
ポップの反論を聞いて、戦士二人はしばし黙り込んだ。
Jeff
DOODLEお題:「くしゃみ」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/07
Blessing 朝風呂は最高の贅沢だ。
と、ラーハルトは思う。
春風そよめくこの家に帰ってくると、つい所望してしまう。
彼の相棒は、汚れてもいないのに長風呂なんて気が知れない、と、子犬のように疑り深い目を向けるけれど。一緒に入るかと揶揄うと、ヒュンケルは片眉を上げるだけで、古文書の解読に没頭してしまった。
パプニカ産の高級綿を肩にかけ、裸の胸を見せつけても、微動だにせずページを繰っている。
――この至福がわからぬとは、不幸な奴め。
煌めく水面に癒されたのち、草原の香りを胸いっぱいに吸い込んで。
途端に冷えが鼻腔を刺激し、ラーハルトは珍しくくしゃみをした。
「へっくし」
「ルビスの加護あれ」と、ヒュンケル。
「む……」
1107と、ラーハルトは思う。
春風そよめくこの家に帰ってくると、つい所望してしまう。
彼の相棒は、汚れてもいないのに長風呂なんて気が知れない、と、子犬のように疑り深い目を向けるけれど。一緒に入るかと揶揄うと、ヒュンケルは片眉を上げるだけで、古文書の解読に没頭してしまった。
パプニカ産の高級綿を肩にかけ、裸の胸を見せつけても、微動だにせずページを繰っている。
――この至福がわからぬとは、不幸な奴め。
煌めく水面に癒されたのち、草原の香りを胸いっぱいに吸い込んで。
途端に冷えが鼻腔を刺激し、ラーハルトは珍しくくしゃみをした。
「へっくし」
「ルビスの加護あれ」と、ヒュンケル。
「む……」
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/04/06 お題「くしゃみ」150分ほど。
ちょっとしたことでもすぐに周りが大事にしそう。きっとそれだけみんな心配してるって事ですね。その筆頭がラー。なぜかって?ラーヒュンの民が描いてるからです! 3
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/03/30 お題「傷跡」150分ほど。
なんか勝手な解釈と勝手な捏造してますが、そのへんは御愛嬌ってことでお許しください。
麻さんちのネタとかぶってしまいましたが、開き直っちゃう。 3
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/03/16 お題「マーキング」100分ほど。
常々、ラーはヒュンを自らの手で自分好みに全身着飾らせたいと思ってると思うですよね。独占欲を隠しもしない。ヒュンはヒュンでラーの好きにすれば良いとか思ってそう。 3
きのこ
DONEhttps://poipiku.com/5185671/9890453.htmlコレの続きのホワイトデー漫画と言い張る。ホワイトデー要素なんて全くの皆無だけども。無駄にページ数アリ。そしてラーヒュンと言い張る。
※雑に現パロっぽいです
※布面積の低い女装アリなので、苦手な人はご注意ください。 16
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/03/09 お題「本命」170分ほど。
他のお客さんも呆れた目で見てますよ!もはや賭けどころじゃないって。
全く、隙あらばいちゃつこうとする困った奴らですわ。 3
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「太陽」 2024.03.05. 二人して城の勤めともなれば、共に食事をする機会も増えるものだ。
しかしながらヒュンケルは、休憩時間である食事の際ですら、ピクリとも表情を変えなかった。
俯き加減で咀嚼だけを繰り返す。
暗い。なんと暗いヤツだ。
「おまえな、ちょっとくらいは笑うなりなんなりしたらどうなのだ。飯が不味くなる」
ついにラーハルトが苦言を呈すると、ヒュンケルはいつもの無表情で答えた。
「しかし別段楽しいことが起きたわけでもないのに笑うのもな」
ラーハルトのこめかみに血管が浮いた。
はぁ? このオレと食事をしていて楽しくないだと?
その日から調査を開始した。菓子か、肉か、酒か。ヒュンケルが好きなものを突き止めるために聞き込みをし。
1953しかしながらヒュンケルは、休憩時間である食事の際ですら、ピクリとも表情を変えなかった。
俯き加減で咀嚼だけを繰り返す。
暗い。なんと暗いヤツだ。
「おまえな、ちょっとくらいは笑うなりなんなりしたらどうなのだ。飯が不味くなる」
ついにラーハルトが苦言を呈すると、ヒュンケルはいつもの無表情で答えた。
「しかし別段楽しいことが起きたわけでもないのに笑うのもな」
ラーハルトのこめかみに血管が浮いた。
はぁ? このオレと食事をしていて楽しくないだと?
その日から調査を開始した。菓子か、肉か、酒か。ヒュンケルが好きなものを突き止めるために聞き込みをし。
SKR
MOURNINGラーヒュン ワンライ 「毒」 2024.03.01. 国際軍事裁判が始まったのは、勇者が帰還してから一年も過ぎてからだった。その頃にやっと各地の情勢が落ち着いてきたと言ってもいい。
大魔王の脅威が去ったとて、その爪痕が消えたわけではない。一切の家財を失って路頭に迷う者や、大黒柱を失って生活に困窮する者たちもいる。
そういった国々の混乱を、ようやく世界が振り返り、見直す機会がやってきたということだろう。
元魔王軍の幹部、その処遇について人間達が考える間、身柄を確保させて欲しいと打診してきた。それはラーハルトがヒュンケルと共に登城した折のことであった。寝耳に水だった。
当然、投降する選択肢など持たなかったラーハルトはヒュンケルを連れて去ろうとした。
そこで予期せぬことが起こった。
3745大魔王の脅威が去ったとて、その爪痕が消えたわけではない。一切の家財を失って路頭に迷う者や、大黒柱を失って生活に困窮する者たちもいる。
そういった国々の混乱を、ようやく世界が振り返り、見直す機会がやってきたということだろう。
元魔王軍の幹部、その処遇について人間達が考える間、身柄を確保させて欲しいと打診してきた。それはラーハルトがヒュンケルと共に登城した折のことであった。寝耳に水だった。
当然、投降する選択肢など持たなかったラーハルトはヒュンケルを連れて去ろうとした。
そこで予期せぬことが起こった。
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「願い事」 2024.02.27. 大魔王の甘言。暗い謁見の間にて。
『おまえの望み、余が叶えてやっても良いぞ?』
ヒュンケルは未だ力の無い少年に過ぎなかったが、それを毅然と断った。
「不要だ。オレはただ勇者の首だけが欲しいのではない。自らの力で成し遂げ、その時に奴が浮かべるであろう苦しみ、屈辱、その眼差し、すべてが欲しいのだ」
悲願とは、己が手で成就させてこその喜びなのだ。
たとえそこに辿り着くまでに、どれほどの苦難が待ち受けていようとも。
全力で立ち向かう。
精霊の誘惑。エネルギーの奔流、光の中にて。
『あなたの望み、私が叶えてあげてもいいわよ?』
ヒュンケルはもう碌に戦えない男に過ぎなかったが、それを笑って断った。
「いいんだ。オレはただアイツの心だけが欲しいのではないから」
2781『おまえの望み、余が叶えてやっても良いぞ?』
ヒュンケルは未だ力の無い少年に過ぎなかったが、それを毅然と断った。
「不要だ。オレはただ勇者の首だけが欲しいのではない。自らの力で成し遂げ、その時に奴が浮かべるであろう苦しみ、屈辱、その眼差し、すべてが欲しいのだ」
悲願とは、己が手で成就させてこその喜びなのだ。
たとえそこに辿り着くまでに、どれほどの苦難が待ち受けていようとも。
全力で立ち向かう。
精霊の誘惑。エネルギーの奔流、光の中にて。
『あなたの望み、私が叶えてあげてもいいわよ?』
ヒュンケルはもう碌に戦えない男に過ぎなかったが、それを笑って断った。
「いいんだ。オレはただアイツの心だけが欲しいのではないから」
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「びしょ濡れ」 2024.02.19.「どこへ行く」
ヒュンケルと二人、ベッドで過ごした次の朝のことだった。
まだ寝間着のラーハルトは、すっかり外出の準備を終えたヒュンケルを見つけた。彼と同棲を始めてから長いが、休日の朝に黙って出て行かれるなど初めてだ。
扉を開けた所に声を掛けると、彼は立ち止まるどころか外へと走り出したのでラーハルトは驚き、追いかけた。
寝静まる街の無人の道は障害物もない。一区画ほど先で難なくヒュンケルを捕まえた。
「……なんだ、その格好は」
抱きすくめた身体を離して、改めて見れば彼は礼服を着ている。しかも軍の正装のようだ。
「少々用事が」
「今日はパプニカの国民の休日だったな? 余程の事情が無ければ働かん日だと聞いているが?」
1630ヒュンケルと二人、ベッドで過ごした次の朝のことだった。
まだ寝間着のラーハルトは、すっかり外出の準備を終えたヒュンケルを見つけた。彼と同棲を始めてから長いが、休日の朝に黙って出て行かれるなど初めてだ。
扉を開けた所に声を掛けると、彼は立ち止まるどころか外へと走り出したのでラーハルトは驚き、追いかけた。
寝静まる街の無人の道は障害物もない。一区画ほど先で難なくヒュンケルを捕まえた。
「……なんだ、その格好は」
抱きすくめた身体を離して、改めて見れば彼は礼服を着ている。しかも軍の正装のようだ。
「少々用事が」
「今日はパプニカの国民の休日だったな? 余程の事情が無ければ働かん日だと聞いているが?」
SKR
MOURNINGラーヒュン ワンライ 「ウィンク」 2024.02.17. ヒュンケルが快癒したのは僥倖だった。元の戦闘能力が戻らなければ、とてもではないがラーハルトと二人連れの魔界調査になどは出向けなかっただろう。
しかし二人はまったく反りが合わなかった。
剣戟の喧噪を駆け抜けて、ヒュンケルとラーハルトは、剣と槍を振るう。
「だから言ったのだ、時間が無駄だと! 早くダイ様を探さねばならんものを……!」
敵の魔族を一人、また一人と薙ぎ払い、ラーハルトは苛立たしげに吠えた。
「だが大勢が命を落とすのはダイとしても本意ではあるまいっ」
ヒュンケルが襲い来る敵を切り伏せながら反論すると、ラーハルトは更に食って掛かってくる。
「こんなものは唯のマフィア同士の抗争だ! オレたちが割って入る必要はなかったろうが!」
3497しかし二人はまったく反りが合わなかった。
剣戟の喧噪を駆け抜けて、ヒュンケルとラーハルトは、剣と槍を振るう。
「だから言ったのだ、時間が無駄だと! 早くダイ様を探さねばならんものを……!」
敵の魔族を一人、また一人と薙ぎ払い、ラーハルトは苛立たしげに吠えた。
「だが大勢が命を落とすのはダイとしても本意ではあるまいっ」
ヒュンケルが襲い来る敵を切り伏せながら反論すると、ラーハルトは更に食って掛かってくる。
「こんなものは唯のマフィア同士の抗争だ! オレたちが割って入る必要はなかったろうが!」
SKR
DOODLEラーヒュン ワンライ 「逃走」 2024.02.16. 魔界にまで及んだ勇者捜索の旅。
満身創痍で帰還したラーハルトとヒュンケル。
身を支え合って辿り着いた城門。生還できた高揚。
回復呪文を施され、身を清められ、静かな部屋を与えられ。
長い眠りの後の、深夜の食卓。パプニカ城の個室。二人の時間。
少なな会話。食器と咀嚼の音。口に運ばれるフォーク。舌に乗せられる肉。
先に食後の茶を飲んでいたラーハルトは、薄く口を開き熱い息を吐く。
眺める、薄く脂に濡れた唇、飲み込んで上下する白い喉元。
ハーブティーで酔いそうだ。茫洋に視界が細まってゆく。
食物を取り込んだ、元気な体が血を増やすような。
こんな気持ちは初めてだ。いやそうでもない。
雷鳴轟く魔界にて交互に眠る道すがら。
915満身創痍で帰還したラーハルトとヒュンケル。
身を支え合って辿り着いた城門。生還できた高揚。
回復呪文を施され、身を清められ、静かな部屋を与えられ。
長い眠りの後の、深夜の食卓。パプニカ城の個室。二人の時間。
少なな会話。食器と咀嚼の音。口に運ばれるフォーク。舌に乗せられる肉。
先に食後の茶を飲んでいたラーハルトは、薄く口を開き熱い息を吐く。
眺める、薄く脂に濡れた唇、飲み込んで上下する白い喉元。
ハーブティーで酔いそうだ。茫洋に視界が細まってゆく。
食物を取り込んだ、元気な体が血を増やすような。
こんな気持ちは初めてだ。いやそうでもない。
雷鳴轟く魔界にて交互に眠る道すがら。
SKR
MOURNINGラーヒュン ワンライ 「誕生日」 2024.02.14. 立ち寄った街の一角は騒然としていた。
「なにか事件でも?」
「お産だよ! 旅のお人にゃ悪いけど、若女将が落ち着くまでこの宿は休業さ。夕方まで待ってな!」
そう叫びながら、スカートの裾を豪快に捲った産婆らしき中年女性が建物に駆け込んでいった。
ラーハルトとヒュンケルは立ち尽くした。荒事ならば助太刀したが、この度は戦力外もいい所だろう。
内部は女性だけの戦場だ。様子を伺うわけにも行かずエントランスの前で待ちぼうけるしかなかった。
漏れ聞こえる喧騒と、そして響いてきた産声。溢れる活気。
偶然に居合わせただけなのに、その達成感に顔を見合わせ頷きあった。
建物から出てきた産婆は晴れやかな顔で宿を振り返った。
1673「なにか事件でも?」
「お産だよ! 旅のお人にゃ悪いけど、若女将が落ち着くまでこの宿は休業さ。夕方まで待ってな!」
そう叫びながら、スカートの裾を豪快に捲った産婆らしき中年女性が建物に駆け込んでいった。
ラーハルトとヒュンケルは立ち尽くした。荒事ならば助太刀したが、この度は戦力外もいい所だろう。
内部は女性だけの戦場だ。様子を伺うわけにも行かずエントランスの前で待ちぼうけるしかなかった。
漏れ聞こえる喧騒と、そして響いてきた産声。溢れる活気。
偶然に居合わせただけなのに、その達成感に顔を見合わせ頷きあった。
建物から出てきた産婆は晴れやかな顔で宿を振り返った。