ワンドロ【掲示板】【要望】 アルハイゼンの執務室には、毎日山のような手紙が届く。
補佐官がまとめて分類した封筒や書類が積み上げられた一番上に、見慣れた一通の手紙がのっていた。
[親展]
宛名の横に書かれた文字に目を細め、アルハイゼンはその手紙を開ける。そばに控えていた補佐官は気を利かせて退室し、数分後に執務室へ戻ってきた。
「先ほどの返信用に、封筒を準備しましたが」
手にしていた封筒は中身の透けない仕様のもので、重要案件に使われるものだ。相変わらず気の利く補佐官だと思いつつも、アルハイゼンは首を振った。
「返信は手渡しで構わない。手間をかけた」
「いえ」
軽く会釈をした補佐官は、封筒の文字が建築家カーヴェさんからのものだ、と気づいていた。
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