ワンドロ【後輩】 遅れて行った酒場には見慣れた顔が待っていた。店内がざわつく週末のランバド酒場。
生暖かい風が頬を撫でる季節になったからか、テラス席にも人影が多い。豪華な入り口に目もくれず、アルハイゼンはテラスの奥にあるテーブルへと足を向けた。
「遅かったね。仕事お疲れ様」
アルハイゼンの方へ水を寄せつつ声をかけてきたのはティナリ。酒の強い彼らしく、顔色は変わっていない。
「仕事終わりに呼び出しがあっただけだ」
「草神様か?」
答えたアルハイゼンに質問を返すのはセノだ。彼はうっすら頬が上気しているようにも見えるが、元々肌の色が濃いから分かりにくい。もしかしたら、店先にかけられた暖色の灯りのせいかもしれなかった。
「ああ。一つ確認したい内容があると呼び出された」
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