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    ついてて×じゅじゅ夢
    「魔核呪鏡に世界はねじれる」 導入
    完成した!!書きなぐりだからめっちゃ荒いけど褒められたい!!!!!!!!!!

    『L班より全メンバー。ターゲットはポイント2を抜け逃走中。時速50キロってとこッスねえ。予定通り追い込み完了ッス。なんで、オレらからは』
    『ヘマして俺に尻ぬぐいさせんじゃねぇ』
    『だ、そうッスよ!オーバー!』
     耳元でまだ聞き馴染まない声は頼もしい。
    『K班了解。ターゲットを補足した。ポイント3へ誘導する』
    『ジャミル!始めるぞ!』
    『インカムが入りっぱなしだ、カリム』
    『お、悪ぃ!』
     緊迫しているはずの空気の中で、自分たちのペースを崩さないそいつらは、信頼できる気がしていた。
    『誘導完了。K班は防衛線フォローのため離脱する。オーバー』
     冷静な声が告げるのを、すぐに別の声が引き継ぐ。
    『A班より全メンバー。ターゲットがポイント5に向かったのを確認』
     そこまで言って、最後まで俺らとポジションで揉めた相手がやれやれとため息をつく。
    『これは予測が外れましたね。ターゲットは僕たちが頂く予定でしたのに。では、あとは頼みますよ。

     イタドリさん?

     』


     インカムに集中していた顔を上げる。広大な学校の敷地内の一角、森の中に俺たちは居た。
     情報通り、呪霊の気配が凄い速さでこっちに突っ込んでくるのを感じた。隣の気配が動いて俺より一歩出る。
    「ったく、あっちの連中呑気ね」
    「下手に気負われるより良いだろ。普段こんな任務をしてないって言ってたし」
     金槌をの先端を肩にかつぐような仕草をした釘崎に返事をすると、伏黒がため息をつく。
    「大丈夫なのか?普段命を張る任務なんてしないって話だろ」
    「大丈夫だろ。あっちの『先生』も強そうだったし」
     右のこぶしを自分の左の掌で受け取めるようにして気合を入れる。
    「じゃ、俺らもいつも通り」
     負けられねえ、と思うのは、ほかの二人も同じようだ。俺たちの視線が同時に一点に向けられる。
     ガサガサと茂みを突破する大きな音が近づいてきて、ソレは俺たちの目の前に飛び出してきた。



     呪術廻戦×ツイステッドワンダーランド
    「魔核呪鏡に世界はねじれる」




     伏黒に任務要請があったのは、放課後の外出中のことだった。虎杖と一緒に服を買い足そうと買い物最中で、伊地知からの電話に伏黒はすぐに任務の連絡だと察した。
    「伏黒君。申し訳ありませんが、任務です。現場は■■■の3丁目にある廃寺跡です。今から迎えに行きますので、現在地を教えて頂けますか」
    「三丁目?」
     告げられた住所に伏黒はスマホのGPS現在地を確認する。
    「現在地から一キロもないようですね。虎杖も居ますし、このまま急行します」
     淡々と事務的な返答に、そうですか、と伊地知も返事をする。少しほっとしているように感じるのは、普段任務の連絡になんだかんだ素直にいかないことがあるからだろうと察した。
    「分かりました。私もサポートできるように急いで向かいます。よろしくお願いします」
    「了解です」
     通話を切り、虎杖を探そうとすると、異変に気づいたらしく寄ってくるところだった。
    「任務?」
    「ああ。このまま急行する」
    「オッケー」
     話が早いのは高専の人間みんな一緒だ。放課後がつぶれることも特に残念に思うわけでもなく、すぐに切り替えている風の虎杖に伏黒は歩き出す。
    「虎杖、呪霊を確認したら先行してくれ」
     GPSで場所をきちんと確認し、帳を下ろす範囲を決める。廃寺中心でいいだろう。呪霊を確認次第、虎杖に先に行かせて足止めし、伏黒が帳を下ろす。二人で任務にあたるときのいつものパターンだ。
    「うっし、行くか!」
     気合のこもった声で虎杖は頷いた。
     現場に到着してすぐに問題の呪霊と遭遇する。たるんで皺がたくさんある皮膚めいた疾患の胴体は寸胴だ。細い手がいくつもついて、嫌悪を覚える。だがそんな呪霊は腐るほど見ている二人は、動揺もせずに相対した。すでに帳は下ろされている。
    「っうらあ!」
     虎杖のこぶしに、跳ねるように避けた呪霊が飛びのいた先に、伏黒の玉犬が飛び掛かる。攻撃を受けても複数の手がにゅいと気色悪い伸び方をし、玉犬を捕まえようとしたところに、虎杖が拳を振り上げる。拳の直撃を受け、飛ばされた呪霊は木に激突する。その間合いに飛び込んだ伏黒が、影から呼び出していた呪具で斬り払う。鉈の形状をした呪具は呪霊を切り裂いた。
     致命傷か?!と呪霊に注目した二人は、それから目を見開く。
     切り裂かれた呪霊の腹の奥に、銀に光る何かのかけらがのぞいていた。それは赤い光を放ち、切り裂かれた呪霊の体が元に戻っていく。反転術式じゃない。もっと別の、何かだと伏黒が理解次の瞬間、それは飛来した。
    「ッ!」
     反射的に飛びのいた伏黒は、竜巻のような威力のある風が呪霊を切り裂きなおしたのを見る。木の葉を巻き込んだ緑色の風は、伏黒に当たらない角度で飛んできた。何かの術式か、と思った伏黒の目の前で、呪霊は消えていく。
     完全に呪力が消え失せたと同時に、先ほど見えていた鏡の破片がからん、と音を立てて地面に落ちる。
    「…………」
     一体何が起こっているのかわからず、伏黒は虎杖を見る。虎杖も目を瞬いていて、俺じゃないとアピールするように首を横に振った。分かってると嘆息して、鏡を拾おうとかがんで指を伸ばす。
     とたん、鏡がふわりと宙に浮かび、伏黒と虎杖はぎょっとした。
     鏡はすぐに別の方へと飛んでいき、その行方を視線で追いかけた伏黒たちは、視界から消える勢いで廃寺の外に向かっていく鏡を追いかける。敷地を出た鏡に一度足を止めると、人影が鏡をキャッチしたのを見た。
     コートのフードを深くかぶった怪しげな人物は、ポケットに鏡をしまい込む。
    「待て!」
     叫んだ伏黒にすぐに虎杖が飛び出す。同時に走り出した人影に、虎杖はスピードを上げた。
    「えっ、ついて来れるとかマジッスか!?」
     声は若い男のように感じた。より一層スピードを上げる虎杖に、人影は近くの塀を駆け上がる。その上を走り、家の間を突っ切り始めた。道がないので遠回りするか、後を追いかけるしかない。躊躇いなく同じルートを選んだ虎杖と、その後ろから追いかける伏黒は身軽な人影が速さではなく身体技術で距離を離していくのを見る。
    「鵺!」
     あれは恐らく呪物だ。何者か知らないが、非術師なら問題だし、呪詛師だとして渡せる訳がない。ある程度の強硬手段は仕方ないと判断しての召喚だった。と。
    「うッ!?」
     急に吹き付けた強風に、虎杖と伏黒はバランスを崩さないように立ち止まりしゃがみこむ。先ほどの攻撃と似た感触があったその風が止み、顔を上げた時にはあの人影は居なくなっていた。
    「逃がしたか……」
    「何だったんだ?あいつ」
    「さあな。とりあえず戻ろう。帳を下ろしっぱなしだし、伊地知さんが来てるかもしれない」
     ひとまず見つからないうちに塀を戻り、飛び降りて伏黒と虎杖は廃寺跡へと戻った。
     伊地知と合流して、二人は簡単に事の次第を報告する。すぐに伊地知が連絡を取った相手は、五条のようだった。
    「買い物途中で申し訳ありませんが、このまま高専に戻ります」
    「良いよ。急ぎじゃなかったし。な?」
     後部座席で伏黒を見やった虎杖に、伏黒は頷く。
    「ああ。……でも伊地知さん、さっきの呪霊、何かあるんですか?」
    「ええ。まだ呪術師全員に通達はされてませんが、一週間ほど前に同じような呪霊の報告があったんです。詳しくは五条さんに聞いてください。高専で待ってるそうです」
    「了解」
     一体どんな訳ありの呪霊なのか。虎杖と顔を見合わせてから、伏黒は先ほどの人影のことを思い出す。
     鏡を手にした際に、フードの下から、灰色がかった青く光るような瞳が見えた気がしていた。
    「何者だ……」
     呟いた伏黒の言葉に、まだ答えはない。





     その奇妙な呪霊が確認されたのは、一週間前のことだった。
     二級術師の任務で問題なく祓除出来るはずだったその呪霊は、祓われるほどに弱り切ったのに一向に消える様子はなく、その場から姿を消した。その際は、任務失敗としての報告となったが、事態の異様さが明らかになったのは、その三日後だ。
     同じ外見の呪霊が報告され、別の呪術師が祓除に向かったところ、また同じく払いきれずに逃亡を許すことになった。その呪術師曰く、『確実な手ごたえがあった。呪力量的にもほぼ祓除されておかしくなかった。何らかの術式や呪詛師が関係している可能性がある』。その報告から、何らかの事態が始まっていることを想定した呪術界は、全呪術師に通達を予定している。その術式と祓除方法について早急な解明が必要である。

    「って訳で、状況不明、正体不明、原因不明、の三拍子そろってるんだよね」
     高専の一年生の教室で待っていた五条は、伏黒たちの報告を聞くと、そう言った。
    「何かが起こってるのは確かだけど、何がどうなってるのか僕にもまだ分からない」
     五条の口からそんな言葉が出るのも意外な気がしたが、つまりそれだけ異様な状況ということだろう。
    「やっぱり俺たちが見た鏡か鍵なんですかね」
     考え込んでいる伏黒の言葉に、五条は表情のうかがえない様子で答える。
    「その可能性はあるけど、断言はできないね。だって、術式で祓えない呪霊なんて有り得ないから」
    「そういう術式がある、とかは?」
     虎杖の素直な問いかけに、五条は言った。
    「ないね。だって、その鏡、ただの鏡だから」
    「え?」
     五条が懐から取り出して指で挟んで見せた鏡の破片に、虎杖たちは目を見張る。
    「これはさっき僕が祓除してきた一級呪霊が持ってた鏡。って言っても、とどめ刺したの僕じゃないけど」
    「え?」
    「割り込まれたんだよね。得体のしれない攻撃に。水を使った攻撃だったんだけど……」
    「だけど?」
     何か思うところがあるのか言葉を途切れさせた五条が、何か言う前に、破片が五条の指を離れて浮いた。
    「は?」
     破片は急に加速して動き、教室の窓ガラスを割って外に飛び出す。窓に駆け寄った三人の見ている前で、箒に跨ったフードをかぶった人影が飛び出して来て破片を掴み取る。
    「は?」
     箒?と呆気にとられた隙をつくように、そのまま宙を飛んで人影は離脱していく。
    「ま、待て!」
     叫んだ伏黒に、五条が割れた窓を開け放って外に飛び出す。と。
    「すまん!追いかけてこないでくれ!」
     そんな声と共に、何もなかった宙から大量の水があふれ落ちてくる。五条に届く前に無下限で水は遮られるが、その水量と得体のしれない攻撃に一瞬動きは止まった。あっという間に離れていく人影を、五条はすぐに追いかけ直す。一瞬で姿が消えた五条が、その術式ですでに人影に追いついているだろうことを察して、伏黒と虎杖も外へと飛び出した。

    「君、何者?」
     校庭の門の前、逃げる人影に先回りした五条は、フードを深くかぶり顔の見えない相手に問いかける。フードの首元から長く結われた髪が下ろされているのだけが分かる。
    「そこをどいていただけませんか」
     低い声は、だが若い男の声に聞こえた。浅黒い肌は日本人のものじゃない。箒は安定して宙に浮いているが、五条は逃がす隙をもう作るつもりはなかった。
     人影は言う。
    「貴方方に危害を与える気はありません。ですが邪魔をするなら話は別です」
    「まるでそっちが上にいるみたいな言い方だね」
     丁寧な口調だが、裏に自尊心が滲んでいる。突っつきやすそう。と思った五条は、遠慮なく笑みを口元に浮かべる。
    「僕から逃げられないことぐらい、分かってるんじゃない?」
    「やってみなきゃ分かりませんよ」
    「へえ。じゃあやってみようか」
     五条がそう言った瞬間、頭上で空気が動く気配がした。
    「ジャミルー!」
    「バッ……!」
     フードの人影は焦ったように上を見上げる。上空から急降下してきたのは、箒に乗った青年だった。こちらはフードはかぶっておらず、白に近い銀の髪に、五条とは真逆の赤い瞳をした青年だ。箒から下りると、人影の横に立つ。
    「絶対下りてくるなって言っただろ!」
    「ジャミルが危険なら聞けないって言ったぜ」
     フードの人影に、銀髪の青年は悪びれない態度で言う。それからその瞳が五条に向けられた。その年の青年らしからぬ奇妙な瞳の光の強さに、五条はへえ、と思う。
     青年は丁寧に頭を下げた。
    「まずは謝罪をさせてくれ。事情があるとはいえ、窓ガラスを壊し、強引に鏡を奪って悪かった」
     洗練された異国の仕草だ。交渉するつもりらしいことに、五条は話は通じる相手らしいと察する。通じるだけな気はした。
    「同時に、倒せないゴーストを倒したのはオレたちだ」
     まあそうだろうね。と五条は思う。とはいえ、それを恩着せがましく言われても下手に出るつもりなんてない。
    「だから見逃せって?それは出来ない相談。僕たちにも事情があってね。君たちの事情を組んであげるほど、僕は優しくない」
    「……先生が絶対交渉は出来ないって言ってただろ……」
     はあ、と呆れたようなため息をついて、フードの青年がフードを脱ぐ。黒髪の長い青年は名前をジャミルと言うのだろう。切れ長の瞳が五条を射抜き、だが追い詰められた様子は全く感じない。
    「でも、やっぱり黙って破片を集めるのは、失礼だと思うんだよなあ」
     腕を組んで白髪の青年がそういったと同時に、その声はした。
    「先生!」
    「捕まえた?」
     虎杖と伏黒が追いついてきて、青年たちの背後、五条と二人をはさむ形になる。自然と背中合わせになった青年たちに、それでも焦りはない。
    「どうするんだ?カリム。絶体絶命だぞ」
     同じく腕を組んで揶揄うように黒髪の青年は言う。
    「あっはっは。じゃあ、仕方ないか。ここは……」
     白髪の青年が、そこまで言った、その時だった。

    『そこから先は私の仕事だ。二人とも』

     音もなく、中空から羽ばたいて降りてきたのは鷹に似た鳥だった。白髪の青年の口から先生、という呟きが聞こえる。
     ひと際大きく羽を広げた次の瞬間、鷹は一人の男へと姿を変えていた。ファンタジー映画じみた光景に、虎杖と伏黒が目を見張る。黒髪に、五条とはまた違う色合いの青い瞳をした男は、まず白髪と黒髪の青年を確認してから、五条に向き直る。
    「私の生徒が悪かったな」
     思いがけない開口一番の台詞に、五条は自分にも馴染みのあるその単語を繰り返す。
    「生徒?」
    「そう。生徒だ。私の背後にいる君の生徒二人と同じだな」
     口を開こうとした五条に、男はくすりと笑って唇に人差し指を当てる。蠱惑的な微笑で男は言った。
    「煽りあいはなしだ。君が不真面目な人間であることはよく知っているよ。でも対立することは私の望むところじゃない」
    「僕まどろっこしいの嫌いなんだよね。何が目的?」
     五条のそっけなさを感じる態度も気にした様子もなく、男は言う。
    「プロポーズだよ」
    「は?」
     五条の反応がおかしかったのか、男はくすくすと笑う。
    「もとい共闘のお願いだ」
     海に似た青い瞳を五条に向け、男は言う。
    「我々ナイトレイブンカレッジは、呪術高専に協力を要請する」
     それから、その唇に浮かぶのは挑発的な笑みだ。
    「五条悟。あなただけでは魔核呪鏡は祓えない」
     目を細め、男は続ける。
    「私はエル・サフィラス。防衛魔法の担当教師だ。最高の課外授業をしてあげよう」
     白髪と黒髪の青年はそれぞれの笑みを浮かべて、五条や虎杖たちと向かい合っている。
    「はいって言うと思うの?」
    「いいえでも構わないよ。我々はこれまで通り、戦果を頂いていくだけさ」
     ふわりと、地面から沸き上がった風がエルたち三人の服を揺らす。
    「それでは、ご機嫌よう」
     胸に手を上げた次の瞬間、巻きあがった竜巻のような風の中で、三人の姿は消えていた。
    「ナイトレイブンカレッジ……?」
     虎杖が繰り返した学校名になじみはない。

     事件はもう、始まっているようだった。
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