eternal それが自分宛てだと気づいたのはいつからだろう。
突然。本当に突然、花が届くようになった。
毎日というわけではなく、時々、頻度も分からず誰がどうしてここに置いていくのかも知らない。綺麗な花束にしてあるわけでもなく、だからと言って無造作に散ってしまっていることもない。ただ、玄関に置かれているのだ。
朝起きて、今日はあるだろうか、と玄関の扉を少し優しめに開くのがすっかり日課になってしまった。
「うん」
小さく摘み取ったそれを抱え込んで、家の中へ戻る。水の張った花瓶に見栄えが良いように刺すと、瞳を閉じてゆっくり深呼吸をする。
胸いっぱいに広がるのは、花の香りと少しの魔力。
「…よし」
まぶたを開き、背筋を伸ばして今日も一日生きていくことを実感する。
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