シュークリームとサンゾロ甘い匂いがサニー号を包み込むある日。
俺は鼻歌を歌いながらシュークリームを本日のおやつに作った。
ただのシュークリームじゃねぇ。
普段より手間暇かけたクッキー生地のシューに濃厚なカスタードをぎっしり詰めた愛情てんこ盛りなやつ。
前に普通のシュークリームを作った時ゾロが齧った反対側から盛大にクリームを出し口元だけじゃなく手から肘にかけてクリーム塗れにして下手くそな食べ方をしていたから今度は逆から出ないようにクッキー生地にしてみた。
まぁ、あれはあれでエロくて色々ヤバかった。
でも、あれを見ていいのは俺だけだ。
他のやつがエロい目で見てたら俺はそいつをこの世から消す。
…とまぁ、話は逸れたが今日のおやつは可愛い俺の恋人の為の愛情たっぷりシュークリームと言うわけだ。
「さて、今日はどこに居るかな〜♪」
ナミさんとロビンちゃんへおやつを届けた後、俺は足取り軽くゾロの元へ向かう。
基本鍛錬をしてるか寝てるかだが今日は珍しくルフィ、ウソップ、チョッパーの年少組となにやら楽しげに釣りに興じていたらしい。
「おい、お前らおやつの時間だ。キッチンに用意してあるから食いに行け。今からゾロの隣は俺専用だ。」
俺の『おやつ』と言う言葉を聞いた途端3人は釣竿をほっぽり出して我先にと駆けて行った。
今日のおやつは大量に作って有るしフランキー、ブルック、ジンベエには
『ゾロとの時間を作りたいからアイツらにゆっくり食わせてくれ』と真剣に頼み込んだ。
「…お前専用て何だ」
あいつらに言ったセリフをしっかり聞いていたゾロは全員分の釣竿を一纏めにし、少し赤くなった顔で睨んでくる。
「だってそうだろ?」
「…言ってろ」
おやつを持っていない手でゾロの腰を抱き寄せれば熱い体。
「離れろ。おやつが食えないだろ」
照れたゾロに軽く押され仕方なく離れる。
早くこの愛情たっぷりのシュークリームを食べて貰いたいからな。
「へぇ、シュークリームか」
少し嬉しそうなゾロが大きい口を開けてかぶり着く。
反対からクリームが飛び出すことは無い。
「美味いか?」
「…あぁ」
素直に頷きまたかぶり着くゾロは可愛い。
しかし
「口の周りにクリーム付けちゃって」
クスリと笑ってそれを舐め取った。
「!な!?」
茹でダコのように真っ赤に顔を染め上げるゾロを抱き寄せる。
「俺に舐めて欲しいのかと思った。」
誰も居ないのにゾロにだけ聞こえる音声で囁けば羞恥で目を潤ませたゾロがそこには居た。
END