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    shirobaralove1

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    レギュラス成り代わり

    もうめっちゃ供養

    #ハリポタ夢
    harpottaDream
    #成り代わり
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    「レギュラス・ブラックは、荒廃した城で軍旗を揚げた」レギュラスによる覇道への魔法改革

    「レギュラス・ブラックは、荒廃した城で軍旗を揚げた」

    レギュラス・ブラック成り代わり
    生き残るために、頭脳をフル回転させて経済・歴史・制度観点の大改革を行っていく話。
    優雅な日常を過ごしたい一心で頑張ります。
    偶に周りの情緒がぐちゃぐちゃになります。
    作者が全力で頭を使ってできた産物。
    ところどころのネタは作者自身が実際学んだ知識。


    ・成り上がりモノ
    ・無双していく()
    ・クソデカ感情製造機
    ・偶に倫理観が消える



    「ご覧になって、
    ****** 

     暖炉の焔がパチパチと燃え上がり、周囲を赤に照らす夕闇の談話室。そこは、厚く柔らかな絨毯と、高級な家具。額縁まで嗜好を凝らした絵画が飾られる、豪華絢爛・高貴さが溢れる場(スリザリン談話室)である。
     そんな室内。大きめのソファに、麗しい美少年が脚を組んで座っていた。
    ぼうっと蠟燭が揺れる机上に、小冊子や歴史本、新聞が規律よく積み上げられ、
     静謐が支配する空間で、紙の擦れる音だけが響いている。

    「レグ、」(Reg)
    『……………』
    「レグ、夕餉に行くぞ」
    『あぁ、もうそんな時間ですか』

     本から少し目線を上げた、長い睫毛に縁どられた瞳がバーミティウスを映り込ませた。底なしの厚ぼったい海のような夜の底。常闇を黒の溶液として溶け込ませた昏がりが、ゆるりと細まる。『ありがとう、バーティ』と、返事をし、青褪めた白い手が、本に栞を挟み込んだ。パタン、と本の閉じる音が談話室に響く。
    そして、すらりとした長い脚で音もなく静かに立ち上がる。
     スリザリンを象徴する翡翠色のローブ。それがふわりと膨らんで靡いた。

    「ほら、」
    『エスコートを?』
    「早く手を出せ」
    『ん。』

    コツリ、と廊下に音が響く。
    王族貴族たる、誰も寄せ付けぬ高貴な姿。ちん、と澄ました堂々たる歩き方は、まるで薔薇が咲き誇ったよう。濃紺の影が一層深まった悪魔の如き、麗しい少年に誰もが視線を奪われていた。

    ******

     魔法族の王族。崇高・由緒正しい名門のブラック家が生家である故に、マグルやスクイブへの偏見が強い「Toujours Pur」(純血よ永遠なれ)の信念を持つオリオン・ブラックは、排他的な人間である。血族への想いが強く、保守的。己の身に流れる純血の優越性を唱え、常日頃その血と名に誇りを持つ自尊心も高く。それは一重に、純血貴族たる縁である。

    威厳ある冬の棘ような冷淡な性格で、心の底にはスプーンを思わせる無感情が覆いつくしている男。それがオリオンに対する客観的な見方であった。

    そんなオリオンには同じくしてプライドの高い嫁、ヴァブルガと2人の幼い息子がいた。魔法量・容姿とも申し訳ない、王族たる高慢さを持つ長兄シリウス。そして、その全てにおいて少し劣る弟レギュラス。破天荒で反骨心のあるシリウスとは違い、レギュラスは純情・純真・従属といった言葉が似合う子どもであった。いつも1歩引いた場所でシリウスやヴァブルガを見つめる静かな姿が印象深い、子ども。


    『父上。レギュラスは、左翼思想を嫌いなわけではありませんが、完全に寄ってしまうことには、少し危機感があります』
    「ん?」
    『保守的・伝統的であるということは、素晴らしいことです。歴史を守る観点からしても民族意識が強くて、誇り高い。しかし、過激思想に陥る場合、話は別かと』
    「ヴォルデモート卿の話をしてるのか」
    『はい』


     書斎に座るオリオンに、あの子どもがきゅうっと本を両腕で抱きしめ、立って話しかけた。大量の本を読み漁っている事は知っていたが、多岐にわたって広い知識を有するようになっていたらしい。轟々と嵐の強さを映すレギュラスの瞳は、蒼く鋼鉄さを醸し出して。かといって一種の均衡と貫禄があった。背を伸ばし、凪のような態度を取る子に、オリオンは、少し呆気に取られてじぃ、と見てしまう。


    「それは何故だ」
    『父上。純血一族の内でも賛同しているものは、そも極わずか。それも名門であると風潮する家門だけです。力こそ、他の魔法族よりあれども、所詮は少数派。つまり、』
    「まてまて、レギュラス。何の話をしている」
    『ブラック家への旨味が少ないと言っているのです。』
    「旨味?」
    『父上はこの活動の後に得られるのは、何だとお思いですか』


     オリオンが言葉に詰まると、レギュラスは間髪入れずに『衰退と中傷です』と言った。


    昨今ヴォルデモート卿による動きは活発化し始めた。純血を守るため。の大義名分によって純血ではないと烙印を押された者は抹殺。従わぬ者は死を。が罷り通っていた。その凄惨たる虐殺が誠静かに遂行され始めた時期。
     そんな中で、曰く、人数の少ない味方の中で一番頼られるのはどの名家か。言うまでもなくブラック家である。戦争とは何か。それは莫大な出費の産物。食事、服、根城、集団での集会。どれにとっても活動資金が必要である。その負債を負うのは我々少数派の純血貴族。ましてヴォルデモート卿が自身で活動資金を作るわけがなく、ここらは周りの由緒正しい貴族たちに丸投げであると推測できる。

    この思想戦争は、終わりが見えぬもの。国を侵略するでもない。「この思想に染まらなければ、殺す」といった思考の強制。元々少数派であるに限らず、思想の強要は強い反発を生む。我々が「純血たれ」の大義名分を掲げるとすれば、その他の民衆は「人を人とも思わない悪人達を倒せ」とした正義を確実に振りかざしてくる。つまり、何十年もこの戦争は時間を有するのだ。その際に失うのは、金だけか。否人も失う。

    『我々はこの先何十年もお金を、人を投資し続けるのです。つまり、財産はまぁ間違いなく底を尽きかけますね。それに多勢に無勢。人員も減る。勝機が見えません』

    そういわれた瞬間。オリオンはゾッと顔を青褪めた。やっと全てを理解したともいえる。それはまるで宗教信者が、洗脳から解かれて現実を直視したよう。明瞭になった視界には、濡れ羽色の髪を靡かせた、美しい子どもが立っている。

    貴族とは、“金”あってこその存在である。王族であると威張って権力を誇示しようが、その貴族たる根底。それを失いかければ純血貴族は崩壊する。それに人員が少ない為に、いくら魔法は強かろうと、金が尽きた先は、弾圧が待っている。
    他人の不幸(没落)は蜜の味。さぞかし笑われるであろう未来が見える。
    金を持つものが嫌われるのは世の常であるからして。

    「何故、そんなことが……………」
    『父上。我々は、ヴォルデモート卿の活動に深く関わってはなりません。』

     薔薇色に酷く濡れた唇を開いて、レギュラスは明瞭に声を発した。

    『血を守り、尊厳を守り、保守的でいたいのなら、今足を踏み入れた場所は破滅への道です。我々は、ブラック家としての名誉も、富も。勝ったとしても維持できるかは難題なのですよ。』
    「だが、反発すれば…」
    『えぇ。かといって直々にヴォルデモート卿から手を下されたくもない。よって、こう、言えば良いのです。「我々は、ヴォルデモート卿が魔法界を牛耳った後に、後ろからお支えする役目をください。それまで、息子には政治や学識を蓄えさえ、政権から握れるよう致します、と」』

    そう言えば、ヴォルデモート卿の気分もよくなるでしょう。家族が殺されないために、僕も会合には言ってご機嫌取りします。

     にっこりと。お綺麗な笑顔でレギュラスは、笑った。
    “後ろ盾(名ばかり)でありつつ、前には出ないスタンス”。投資するのは自らとその頭脳、とし、ブラック家の没落を防ごうとする思考回路。負け戦であるともうレギュラスは、悟っているからこその最善。戦争が今にも始まろうとしてる状況から、生き残るための戦略であった。

    そうっとレギュラスは、オリオンとの距離を詰めた。皺一つないカッターシャツの胸倉を、静脈さえ見えそうな白い手が掴み上げて、目と鼻の先。睫毛すら触れそうな距離間で、じっとオリオンの黒砂糖色を覗き込んだ。

    『父上は、ブラック家を滅ぼしたくないですよね?』

    鉄のように頑丈たる信念と、血族たる銀灰色の反射する瞳を爛々と燃え上がらせる、ブラック家の先導が。あまりに眩しくて、凛々しかった。生涯で初めて、コレについていけば、大丈夫だと思える程に。

    だからオリオンは、こくりと従順に頷いた。


    ******

    口の広い陶器の花瓶。そこには色彩豊かな花が生けられ、華々しさがある。シルクのサテンが敷かれたシックな長机には、大皿に載せられた鳥類、魚介類を主材料とした料理が。野菜や果物、糖分がふんだんに練りこまれたであろうケーキ。それら多様な食材が並び、なんとも香ばしい香りが嗅覚を擽る。各自が舌鼓を打って食事を楽しみ、ゆったりとした空間が流れる【死喰い人の宴会】。

    その宴会の扉が開くとともに、人々は一斉にグッと息を詰まらせた。

    夜の香りを思わせる黒。漆を塗ったような濃く重い闇。じっとりとしたその空気は、ブラック家特有の高貴さがあった。その気高い雰囲気と王侯貴族然とした、ツンとした態度。鑑賞物のように端正な彼らの名は、オリオン・ブラックと、その息子。レギュラス・ブラックである。


    「久しぶりだね。オリオン。その子どもは?」
    「レギュラス、」
    『初めまして、ヴォルデモート卿。僕の名前はレギュラス・アークタルス・ブラックと申します』


    胸に手を当てて、30度ほど優雅に腰を曲げたのは、

    ーーーーキャストドールのような美少年であった。
    陶器のように真白い肌。長い睫毛に縁どられた、くっきりとした目。美しい、と一言では言い切れない美貌で、リドルはキュッと息を止めた。これが、王族。と言わんばかりの流暢な言葉の発音が、さらに不可侵の気品を感じさせる。『以後どうぞよろしくお願いいたします。』という何気ない発言さえ、1音1音が祝福されたように旋律があった。

    そして何よりも吸い込まれそうな闇色の瞳。リドルはすぐに気づいた。この子どもは、自分に従うような媚がない。あえて言うなら、孤高の狼のように挑戦的。くっと口角を上げて完全無欠な威厳ある姿を見せるのは、リドルに隷属させられる気がない意思表示であった。くつくつとリドルは口に手を抑えて笑みを浮かべた。


    「話がしたいな。オリオン、レギュラスを借りても?」
    「え、」
    『構いませんよ』


    おいで、と手招いてやれば、すっと背筋を正して付いて来る。革靴の音が規則正しく響き、それだけで周りの死喰い人達の視線を集めた。





     ドアを開いて、部屋に入れば、ほんのり浮かべていた子供の微笑が消えて、開口一番にこう言った。



    『我々ブラック家は、政治的に卿をお支えできればなと思っております。』
    「ほう、?」
    『つまり、王族たるブラック家の後ろ盾の提供と、魔法界の統治における学識の提供です』
    「金ではなく、か」
    『お金は他の純血貴族からでも頂けるでしょう。しかしながら、ブラック家、王たる名は誰も冠していない。これは、予測ですが、卿が魔法界のトップとなった時、数々の虐殺に対し正当性が問われます。その時人々を従わせるには、“正統たる理由付け』がいるのです。』
    「その役割を担うと?」
    『はい。“魔法族の王族が認めた正当な指導者”であれば、納得する者も多いでしょう。我々ブラック家は、聖12族の全ての管轄しており、血縁も多い。その総管理職たる我々が認めたとすると、』
    「ヴォルデモート卿に従うことが当然、となるわけか」
    『人間は社会的動物です。家族や愛に対して理性が感情を上回る時以外は、大抵損得勘定で動いています。支配者となった卿に反抗すれば、愛する者が殺されるかもしれない。かといって従えば己の心に反する。損だが、卿に従う大義名分が見つからない、となるのです。その時ブラック家からの明示があったとします。「ブラック家が正式に認めていた。だから、卿に従ってしまった」と心のどこかに言い訳を作らせ、心の正義感に囚われて、損に縛られていた反骨心(最後の砦)をボキッと折るのが最適かと』


    ちょんと澄ました赤い唇が、とんでもなく恐ろしいことを発言した、気がリドルにはした。少し冷や汗さえ浮かびそうな策略である。つまるところ、この子どもは己が支配者となった後に、今従っている人間だけではなく、その他の魔法族の支配の仕方を考えていたのである。何気ないように、くいくいとマッシュルーム型の黒髪を弄りながら、にこり、と後ろに花が咲き誇っていそうな笑みを浮かべて。


    「そうか」
    『ご納得頂けましたか?』
    「あぁ」
    『それから学識の件ですが、コレは僕が担います。卿が統治者となった時、お支えできるように』


     ははは、とリドルは苦笑いを浮かべた。人間を心底恐ろしいと感じたのはこれが初めてであった。そして『ご不満ですか?』と首を傾げる子どもが、己の目指す魔法界には絶対に必要で、コレがいる。と強烈に手を伸ばしたくなったのも初めてであった。いまだホグワーツにも通っていない幼い子どもに、陶酔でもしてしまいそう。それ程の頭脳であった。

     これから、年を重ねるにつれてこの少年は、もっともっと化けていく。見た目は愛玩人形のようだというのに、中に秘めているのは、オオカミの如き牙。研ぎ澄まされたその牙が己のために使われることが楽しみで、ゾクゾクと背中に痺れが走った。

    「レグ(Reg)と呼んでも?」
    『わぁ……………』
    「嫌か?」
    『い、え別に……』

    リドルが、そっと小さな手を取れば、びっくりしたように目を見開いて手を引っ込抜こうとしたが、思いっきり掴んで離さなかった。『離して欲しい』と目で訴えてきたが、上機嫌なリドルには関係なかった。初めの隷属しない瞳は、対等でいようとしたからなのか、と気づけばもっともっとこの少年が知りたくて、そして側で変わった世界を見たかったのだった。



    マ、はなからレギュラスは、デモやテロ組織如きヴォルデモート卿を支える気がない。
    口八丁で乗り切り、ブラック家の家族を守るためなら慈悲もなし。かの悪の親玉さえ騙して見せるその根気。目を見張るものである。
    ちなみに、レギュラスの心は生まれたての子羊並みにガクガクだったことをここに明記する。

    ******

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    MOURNING炎ゴブレのダンスパーティーの、違うバージョンです。書きかけ
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    『あなたの綺麗さに見惚れてるのよ』
    『三人と比べられてるんだって』
    『そんなことないってば』
    『あ、ドラコ!』
    『見てよ今日の咲夜!』

     なんていらんことをするんだ君らは。いつもの三人で話し込んでいたドラコが、こちらを向いた。返ってきたのは一瞬の驚きと、その後の渾身のドヤ顔。

    『どうもありがとうございます、ドラコ。ブラック家にわざわざ手紙送ったんでしょ』
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