数多の多元宇宙間を渡るゼロ。
そのさなか良く知った気配、出来れば当たってほしくないが、間違えようもない程の因縁のある気配を感じた。
「べリアル!」
その相手とは、何度も戦い、その度に様々な結末を迎え、そこに至るまでの相手を知った。
けれど条件反射として、悪に関わっていることを前提に、その尖った背鰭に敵意を向けてしまう。
「テメエまた何か悪さしてねェだろうな!?」
「出会い頭にうるせえヤツだな……!?」
売り言葉に買い言葉で、双方に苛立ちを与えるだけの対面から始まってしまった。
互いに戦意を向ける。
「なんだか知らねえが、仕方ねえ……」
べリアルが舌を打つ。
「来い!ジード!」
「なっ!?ジードだって!?」
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