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    ぽへ猫

    @pohe96neko

    ここでupするものは
    リ傭前提なものが9割5分5厘です

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    ぽへ猫

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    いつぞやの!小ネタを清書しました!
    かめのさんがFA絵をいくつか描いて下さってます✨一緒に挿絵として載っけれたらいいのになぁ🥺

    涙と林檎と温もりと、木が、花が、川が、森が無くなった。
    昨日までそこに確かにあった僕達の住処が目の前から消えてしまった。

    森だけじゃない。
    仲間も消えてしまった。

    なんで?
    どうして?
    ひとりにしないで、、、寂しいよ、、、

    目から沢山の水が零れた。
    舐めると、それは少ししょっぱかった。

    どれだけ水を零しても、森も仲間も戻っては来なかった。

    やがて、お腹が鳴り始めた。
    森が無くなってから何も食べていない。

    ここを離れるのは嫌だったが
    もしかしたらご飯を探してたら皆に会えるかもしれない。

    探そう
    ご飯を、森を、仲間を、、、



    たくさん歩いた。
    どれだけ歩いても、何も見つからなかった。
    ご飯も、森も、仲間も、、、

    もぅ歩けない。
    地面に座り、でももぅ座る力もなくて横になる。
    疲れたから少しだけ休もう。
    起きたら、これは夢で、皆が居るかもしれない。
    大好きな林檎も沢山木になってるかもしれない。

    そう考えてるうちに意識が遠くなっていった。

    遠くなる意識の中、誰かがいた気がした。
    でも、今は目が開かないから、起きたらね、、、


    キュゥ、、、……




    たまたま通りかかった道で、奇妙な生き物を見つけた。
    小動物であろうその生き物は、随分小汚くボロボロだった。

    どことなく、出会った頃の恋人に似てる気がして
    手を差し伸べてみた。

    ……キュゥ、、、

    まだ生きてる。
    これも何かの縁だと思い連れて帰る事にした。

    温めた蒸しタオルで軽く身体を拭いてやり先にご飯を与えた。
    何が食べれるか分からなかったのでミルクを温めてみた。
    弱りきっていたので、仕方なく飲ませてやる。

    そうやって数日看病してやると次第に自力でご飯を食べれるようになった。

    ある程度回復した頃に本格的に風呂で洗った。
    相当汚れていた、、、汚い
    丁寧に優しく何度も洗い流す水が濁らなくなるまで綺麗に洗った。
    ドライヤーで乾かしてやると、毛はふさふさに戻った。


    ミルクだけじゃ物足りないだろうといくつか果物を与えてみた。
    基本何でも食べたが、特に林檎が好きなようだった。

    「貴方、林檎が好きなのですか?」
    「キュッ!」


    テーブルの上に直に座り貰った林檎を美味しそうに頬張るソレは、まるで恋人が食事を頬張る姿に似ていた。

    「ふふ、それは良かったです」




    すっかり元気になった。
    気がついたら広い箱の様な所にいてふかふかの寝床で寝ていた。
    その箱の中のボスみたいなやつが、ご飯をくれたり身体を綺麗にしてくれた。

    追い出すことも無く、毎日ずっと美味しいご飯をくれた。
    林檎が好きだと知ると、毎日林檎が出てきた。

    林檎美味しい

    こんなにたくさんの事して貰ったから、何かお礼がしたい。
    でも、言葉が分からない。
    どうしたらいいんだろう、、、


    ちっさな頭で考えてるいると、突然目の前に大きなヘビの身体をした何かと、黒くて大きい何かが現れた。

    突然の事に固まっていると

    「なんだ、霧のはこんなのを飼っていたのか」
    「あら、小さくて可愛いじゃい。ねぇ我が子達」



    言葉が分かる。
    なんでだろう?
    あの人の言葉は分からなかったのに

    「それは、我らが特殊な存在故だ」

    良く分からなかったが、この人達には言葉が通じるみたいだから相談してみよう。

    そう思って、これまでの事を話して、お礼がしたいが言葉が分からないからどうしたらいいか聞いてみた。


    「うーん、そうねぇ……こうゆう時はナイチンゲールに相談すれば解決するかもしれないねぇ」

    「興が乗った、手を貸そうではないか、小さき命よ」


    そうして2人と小さいの4人で部屋を後にする。
    途中代わる代わる小さい4人に抱っこされた。


    ナイチンゲールの部屋に着くと大っきい2人が説明してくれた。

    そして話が終わると2人が頭を撫でてきた。
    撫でてもらえるのは嬉しいから目を閉じて撫でられた。
    手が離れて、撫で終わったと思い目を開けると目線がいつもより高い気がした。
    4人の小さいのの1人が姿が映る不思議な壁の前まで手を引いてくれた。
    僕が映ってる。

    「あらまぁ、傭兵の坊やそっくりだねぇ」
    「うむ」

    誰の事か分からなかったが、これであの人にお礼が言える!

    「っあり、ガと!」

    拙い言葉でお礼を言うとあの人を探しに走った。

    たくさん走って走って、やっと見つけたあの人の隣には誰かいた。
    誰だろう?

    茂みからこっそり2人の様子を見る。
    凄く楽しそうに、優しい顔で喋っていた。


    チクッ

    なんだか胸がチクチクする。
    あの人の事は大好きなのに、なんでかな?

    お礼を言うつもりで探してたのに、なんとなく今は出ていったらダメな気がして2人を見る事しか出来ずにいた。




    暫くすると、一緒にいた誰かがどこかへ行きあの人が1人になった。

    すると

    「隠れてないで、出て来なさい」


    バレていた事にびっくりしたが、言葉を交わすのは今しかないと勇気を出して物陰から顔を出す。


    「…貴方、その姿」


    あの人の声は少し驚いていた。
    伝えたい事はたくさんたくさんあったのに、1番言いたかった事もあるのに、それは言っちゃダメな気がした。
    本当は伝えたかった【大好き】と言う言葉を飲み込む。
    そして


    「〜〜ッ……ぁ、ありがとう」


    それだけ言うと元の姿に戻ってしまった。
    どうやら時間切れみたいだ。

    キュ?


    その小さな体を拾い抱き抱えるリッパー。

    「全く君は、、、でも、会いに来てくれて嬉しかったですよ」

    優しく頭を撫でてやる。



    「用事は済んだか?」

    タイミングを見計らったように愛しい恋人が戻って来た。


    えぇ、と答えながら腕の中の小動物を見せる。


    この間たまたま拾って、今は自室で世話をしていて、先程からあった気配はこの子だと説明する。

    「ふ〜ん、、、どうゆう風の吹き回しだ?」

    殺人鬼であるリッパーが、他の命を救うなど考えた事もなかった。
    まぁ、ゲーム外では殺人は御法度なんだが。

    「さぁ、どうしてでしょうねぇ」

    仮面の下でククッと笑いながら、真実は教えてはくれなかった。






    元に戻ってしまった。
    2人がまた楽しそうに話してるけど、もぅ言葉は分からない。

    でも、戻って来た誰かは良い人そうだ。
    撫でてくれる手が、あの人と一緒で優しかった。


    今度もし、また喋れるようになったら
    今度は2人にちゃんと伝えよう、、、



    【大好き】って


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