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    taruto20201010

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    taruto20201010

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    まおあんお約束展開プチオンリー「テンプレレンアイのすすめ」参加作品です。主催様が用意してくださった診断の『相合傘で帰る』がテーマになっています。

    #星とあんずの幻想曲3
    fantasyOfStarsAndAnzu3
    #あんず島3プチオンリー
    anzuIsland3PetitOnly
    #テンプレレンアイ
    templeRenai

    まおあん『相合傘で帰る』天気予報が外れて久々に太陽が顔を出した。梅雨の蒸した空気が一気に乾き始める。とはいえ雲行きが怪しいのは変わりない。折りたたみ傘と財布を手にとって、じゃんけんで負けた買い出しへと向かう。
    「えっと、真が新作のポテトチップス。北斗がコンビニ限定の金平糖で、スバルが何かキラキラしてるやつ……って何だよこれ」
     メッセージアプリに届いたリクエストをどかどかとカゴに入れて、会計を済ませる。最近は勝ちが続いていたのによりにもよって天気が怪しい日に負けるとは。しかも近くのコンビニに限定の金平糖がなかったため少し離れた別の店へ足を運ぶことになったのも含めてついてないなと思いながら学校への最短ルートを通るとぽつりぽつりと雫が落ちてきた。
    「やっぱ降ってきた」
    誰もいないのにこうして言葉にしてしまうのは仕方ない。急に風が冷たくなってきたということはこの雨は酷くなるようだ。持ってきた傘を慌てて開けば先ほどの雨音が嘘みたいにざーざーと襲ってくる。これは雨宿りも検討しないとか? と考え始めたところで近くの軒下に見覚えのある姿が視界に入った。
    「あんず!?」
    「え? あ、真緒くん」
     こんなところでどうしたの、なんて聞かれていやそれはこっちの台詞だよと返す。ワイシャツ一枚で、ずぶ濡れ。抱えた荷物でギリギリ見えてないけど、肩の紐が透けて見えている。あぁ、今日はピンクなんだと気付いてしまうくらいにはびっしょりの彼女に貸してあげられる物がない。
    「私は布を買いに行ってたんだけど、晴れてたしちょっとくらい問題ないかと思ったら……」
    「見事にやられたってことか」
    「うん」
    たまに抜けているところが危なっかしいと思っていた。それがかわいいところでもあるが、こんな時にまで発揮しなくても。
    「真緒くんは?」
    「へ?」
    「真緒くんはどうしてここに?」
    「あいつらにじゃんけんで負けてさ、買い出し」
    複数のビニール袋を持ち上げれば、納得したように頷く。つい彼女の方を見てしまったが、なるべく手元の荷物に視線を動かす。どうやら必死に守ったお陰で布たちは無事らしい。
    「真緒くんは傘あるんだから先に戻っても大丈夫だよ」
    「いやいや、そんなお前を置いて行ける訳ないだろ〜?」
    「でも、」
    「なら一緒に入るか?」
    「……ありがとう」
    折りたたみ傘は二人で入るには狭くて、密着しても結局濡れてしまう。最終的に少し肩をずらして歩くことになったが、それがまずかった。傘を持つ自分が斜め後ろの立ち位置になり、濡れないように気にかけると濡れた髪が張り付いたうなじも、肩紐以外の下着の部分もつい視界に入ってしまう。もし付き合ってたらこのまま連れて帰っていたかもしれない。そう考えてしまう本能を何とか理性で抑え込んだ。
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    唐桃日和

    DONE閲覧頂きありがとうございます!

    ○以下注意事項
    ・捏造設定あり
    ・ズ!瀬名泉甘い言葉1バレあり
    ・時間軸はSSF後あたり
    ・友情出演▶︎他Knightsメンバー&テンション院英智さん
    ・当社比糖度程よく高め
    ・誤字脱字はそっと流してください

    この度はあんず島初参加で不慣れですが、どうぞよろしくお願いいたします!
    ではお楽しみ頂ければ幸いに存じます。
    落杏流水何故、私はここにいるのだろう。

    目が覚めると、知らない……いや、先日までは知らなかった天井、見慣れない部屋。朦朧とした意識の中で寝返りを打ってみれば目の前には自分の顔には一億の価値があるのだと宣う、転校してからお世話になっている嫌味な先輩。…の眠り顔。
    すぅすぅと小さく寝息を立てながら、一億の顔はこちらの存在など忘れたかのように安眠していた。

    事の発端はどこだっただろうか。

    「えっ、フィレンツェ、ですか」
    「うん。よろしく頼んだよ」

    美しく儚げに微笑む天使の顔をした皇帝は、有無を言わさない圧力をかけながら唐突にそう言った。
    しかし、彼女、あんずは一年もこの圧力を受けていれば多少慣れも出てくるようで。
    もちろん、仕事を断るという選択肢などない彼女は、YESと答える気ではあるが海外なのだ。戸惑いを隠せないあんずをさすがに気の毒に思ったのか、苦笑しながら一言謝罪して内容を教えた。
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