猫の日「いい加減にしろよ!!!!恋人のことをほっぽいて他に愛を振りまくような男をいつまでも愛せるわけないだろ!!」
携帯も財布も持たず、コートすら置いてミスタは家を飛び出した。
◇
そもそも2人はセフレから恋人になったため、互いに性に奔放なのは承知の上だった。それでもうっかりヴォックスに惚れてしまって、セフレ止まりじゃなく恋人になりたいと願ったのはミスタだ。
(オレはヴォックスと違ってなんの才能も無いし可愛げもないから、どうしたってヴォックスの愛を独り占めすることなんて出来ないのに…。一時とはいえ愛してもらえて恋人と名乗ることも許されるなんて、身に余る幸せのはずなんだ。
でも…アイツがオレを甘やかすから、勘違いしてしまった。オレが愛される価値のある人間だって。こんなめんどくさい奴、もう嫌われちゃっただろうな。どうして聞き分けの良い恋人で居られなかったんだろう。)
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