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    りこ(千梨子)

    @pd_cani

    普段は千梨子名義で小説を書いています。

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    りこ(千梨子)

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    初体験を重ねたいエイトくんの話。エイエド。挿入保証のないエロありです。(夏イベの後の話)

    #エイエド
    aed

    エイトくんは初体験を重ねたい 夏祭りは日の出とともに終わりを迎える。みんな思い思い大切な人と夜通し過ごすのだと聞いて、次の日くらいは屋敷で働くシェフや給仕も休みにしてやっても良いんじゃないかというエイトの提案で、その日、屋敷の中は殆どもぬけも殻の状態だった。
     少し早めに起きていれば八雲の作る昼飯にありつけたかもしれないが、今は昼過ぎで八雲は村に様子を見に行ったか買い出しに行ったかで姿が見えない。おまけにエスターとモルフィスも何処かに出掛けているようで、実質エスター邸にはエイトひとりになっていた。
     いや、一人というのは間違いか。起きた時から姿は見えないが、おそらく。

    「なにを作っているんだ?」
    「うわぁ! やっぱり居たのかよ、エドモンド!」

     厨房でぐつぐつと音を立てる鍋を前にしていたら、突然うしろから声を掛けられる。振り返れば、目線より少し上に鮮やかなブルーサファイアの瞳が見えた。

    「なんだ、私が居たら悪いのか」
    「いや、そういうんじゃないけど。何? 鍛錬に行ってたの?」

     普段から超絶美貌ではあるが、その額や髪に雫がついているのは水も滴るなんとやらだ。おまけに騎士団のユニフォームはすっかり汗に肌色が透けている。それがとんでもなく目に毒だった。まあ当人はそんなこと微塵も気にしちゃいないのだろうが。

    「ああ、朝から少し身体が鈍っているように感じて」 
    「あんなに昨日の晩、運動したのに?」
    「う、うるさい! あんなのはそもそものこと運動に入らん!」
    「はぁん? つーまーりぃー、副団長さんは運動に入らないほど物足りなかったと」

     今からベッドに行く? と冗談で言ったら今度は蹴りがお見舞いされる。それが結構痛くて涙も滲んだ。

    「そ、その口を閉じろ! 真っ昼間から下品だぞ! 君は馬鹿なのか!」

     ぎゃいぎゃい言いながら今度は剣を振るおうとするエドモンドに気が付いて、慌てて宝石ごと手を掴み取った。
     ふんすふんすと鼻息を荒くしながらも、エドモンドは大人しくしている。
     おや? これはエドモンドを抑えるにはなかなか有効な手段かもしれない。なんて、エドモンドには決して口にも出来ないが。

    「だ、誰もそんな愚かな事は口にしていない」
    「わかった、わかったから。な?」

     だからその剣はひとまず離そうか、と声を掛ければ渋い顔をしながらもエドモンドは手から剣を離してくれた。
     まったく。否定を口にしても、その瞳は熱に潤んでいるのだから「シて」と自分に言ってきているのも同然ではないかと思う。
     真相は是非とも寝室に連れ込んで聞きたいところではあるのだが、その身を解放したのはまだ小一時間ほど前の話だ。
     体内の熱を、ふうと息を吐いて落ち着ける。

    「そんなことより。エドモンドも腹が減ってるだろ。これ、一緒に食べる?」
    「これとは何だ」
    「ラーメン」
    「らぁめん?」

     何だそれは、と不思議そうな顔をしてエドモンドが鍋の中を覗き込んでくる。ぐつぐつと煮えたぎる鍋の中には黄金色をした細麺がふわふわと金魚のように泳いでいた。

    「あ、知らない? 昨日の屋台にもあったから、てっきり知ってるものだと」

     と、口にしてからエドモンドが貴族の出であった事を思い出す。

    「生憎、食べたことはないな」

     案の定、渋い顔をしてエドモンドが話す。その目はどこか遠い目をしていた。
     エドモンドだって本当は庶民の食べ物を食べたいのだろうか。本当はもっともっと王国民に寄り添いたかったりするのだろうか。

    「じゃあ一緒に食べよっか」

     何でも知っていそうで意外とエドモンドには知らない事が多い。エドモンドを今度市場に連れ出してやるか、と考えて、これってデートって言うのかなと思わず笑みが漏れた。まあ自分とデートする事をエドモンドがどう思うかは知らないが。
     エドモンドを前にして黄金色をした麺を掬い上げると器の中に移す。タレは即席だから出来栄えは良いとは言えないかもしれないけれど、タレの中には昔ラーメン屋でバイトしたときに店主から教えて貰った秘伝のスパイスが入っている。多少なりとも味はまともに仕上がっている筈だった。
     お湯を注げば、湯気と共にあがってきた香りにエドモンドは目を細めている。この表情は美味しいものを前にしたときの表情だ。

    「あっちで食べよっか」

     厨房には銀色をした大きめの作業台がある。その上で食べれば如何にも屋台のラーメン屋って風になるだろう。そんな風に考えて、箸とラーメンを持って歩き始めた自分の後をエドモンドは大人しく付き従ってきた。
     普段であれば「そんなところで」なんて文句の一つも言ってきそうなものなのに今のエドモンドは大人しい。
     ……なんだか、ご主人様の後を追いかけてくる子犬みたいだ。

    「な、なんだ。人の顔を見て笑って」
    「なぁんもー? ただ、可愛いなって思って」
    「か、かわっ」

     真っ赤になった顔を掌で覆い隠そうとするのがますます可笑しい。君はおかしな事ばかり言う、などと不満そうに口を尖らせながらも剣を手放した掌が手持ち無沙汰に髪をくるくると弄んでいる。そんな仕草にますますエドモンドがこのあと夜勤である事を恨まずにはいられなかった。

    「さあ、どうぞ」

     湯気の上がるラーメンを台の上に置けば、エドモンドの目が自分に向けられる。律儀な奴だから、きっと先に食べていいのか自分に窺ってきているのだろう。

    「自分の分はあるから先にいいよ」

     ウインクと共に返せば、即座に目線を外された。じゃ、じゃあ頂きます、と口にしたエドモンドが箸を取る。その手つきは不思議なことに慣れたものだった。

    「箸の使い方、上手いな」
    「箸も剣も扱いは変わらん」

     いや、その理屈はどうかと思うが。
     長物の扱いに長けてるなら、そろそろ自分の長物も扱って欲しいところではある。
     はあ、と溜息を吐いて嘆く自分を前にして、箸で麺を掬いあげたエドモンドが頬に落ちてきた髪を掻き上げる。それから黄金色をした滑らかな麺に息を吹きかける様に、はっと息を呑み込んだ。
     ラーメンを食べるには至って普通の行動だ。それは分かっているが、足先から脳天までを甘い痺れが駆け抜ける。
     これは、やばい。
     危機感を覚えて、ちょっと待った、と声をかけるよりも先にエドモンドが長いまつ毛の下、未知のものを前に頬を赤く染めている。白桃色をした唇の間から覗いた舌が上唇を舐め、熱いそれが口内に運ばれる。たったそれだけのことで心臓は鼓動を速めていた。
     男なのに。騎士なのに。どうしてラーメンを食べるだけで、こんなにエロく見えてしまうのか。これまで自分が出会ってきた人間には、こんな人間はいなかった。美人ってものは卑怯だ。
     自分の呼気が荒くなっている事に気付きはしているどうしようも出来ない。その間にもエドモンドの箸は進む。馳走になった、とエドモンドが頭を下げた瞬間、気が付けばエドモンドの手首を掴み取っていた。

    「エイト?」

     不思議がるエドモンドの頬は熱いものを食べたあとで薄らと赤らんでいる。それ以外に理由はない。そうと分かっているのに、その顔が昨夜見た顔に重なって、脳裏には「エイト」と自分のものを強請るエドモンドの顔がはっきりと再現された。
     衝動的に引き寄せた身体を抱きしめ、唇を寄せれば、エドモンドは驚いて自分の胸を押し返そうとしてくる。が、その力は本気の力じゃない。
     エドモンドだって嫌いなわけじゃないのだ。ちゅむ、と柔らかな唇の感触を楽しんでから身体を離せば、エドモンドは艶々とした唇を掌で押さえている。

    「突然なんなのだ」
    「お前の色っぽい顔を見てたらキスしたくなっちゃって」
    「な、何を戯けた事を……油まみれだったろう?」

     ふい、と視線を背けたエドモンドが唇に指先で触れるのが何とも意地らしい。その行為がどれほど欲情的か、決してエドモンドが知ることはないのだろう。

    「な、もっかいして良い?」

     尋ねたら、エドモンドの視線が宙を彷徨う。

    「す、好きにすれば良い」
    「いつもそれだな。でも良いもん。しちゃうもん」

     顔を近付ければ、エドモンドの白い瞼が伏せられる。何十回、何百回やってもきっと飽きる事はないのだろうな。そう思えるくらい不思議とエドモンドとのキスは甘かったし、何より本人の反応がいつも初々しくて堪らないのだ。
     シンと静まった屋敷の中には二人きり。誰にも見られることはない。その状況でなければ、きっとエドモンドも許してくれる事はなかった筈だ。
     差し込む日差しは暖かで、まるで世界の終わりみたいに自分たちを優しく包み込んでいる。
     くちゅくちゅと互いの口から聞こえてくる水音を愉しんでいれば、ふとエドモンドが熱い息を漏らした。

    「エイト、……もう」
    「うん、分かってる。ここ、熱くなっちゃったんだろう」

     下に掌を伸ばせば、エドモンドのユニフォームの一部が明らかに盛り上がっている。掌を当てれば、瞳が涙で覆われる。物言いたげに自分を見上げてくる瞳に、思わず口元が緩むのを止める事が出来なかった。

    「シたい?」
    「それを、私に言わせるのか?」
    「だってお前、このあと夜勤じゃん」 
     
     無理強いはしたくないから、と額に唇を押し当てれば、触れた箇所をエドモンドが掌で摩る。照れ隠しなのか、違和感が残るのか。その理由は分からないが、その仕草さえ、ただただ愛しくて仕方ない。

    「少しだけ、なら」
    「ん、じゃあ少しだけな」

     エドモンドの手首を掴んで自分に向かせると、長く伸びた足の間に膝を差し込む。布越しにも分かる隆起を膝で押し上げれば、ん、と目元を細めて甘やかな声を漏らすのが何とも罪なものだ。
     膝先でふにふにと弄ぶほどに薄く開かれたエドモンドの瞳に薄紅の膜がかかって見える。

    「気持ちいい?」
    「ン、きもちいい」
    「じゃあ、もっと気持ち良くなろっか」

     脱いで欲しいなあ、とお願いすれば、もたもたと持ち上がったエドモンドの指が背中の留め具にかかる。日に焼けていない白い胸元が露わになる。その胸先にある淡いピンクは相変わらず引っ込み思案で後でまた可愛がってやりたくなった。

    「全部脱がなくていいよ。中にまでは入れないから」
    「入れない、のか?」
    「だ〜か〜らぁ〜!そういう事を今は言うなって!」

     こっちだって我慢してるんだ、と声を荒げればエドモンドの顔が外方向けられる。別に我慢しなくて良い、なんてエドモンドの声が聞こえてきたような気もするが、気のせいだろう。いいや、今は気のせいにさせて頂きたかった。
     緩やかに立ち上がったものを掌に包み込めば、それだけでエドモンドの腰は砕けそうになっている。
     エイト、と自分の名前を口にしながら腰を押し付けてくる。無意識だろうが、その仕草に思わず口元が緩んでしまった。
     花や草木を愛でるように触れれば、手の中のものがびくびくと脈打つ。自分の手を喜ぶ様に色を薄紅に染める様は、直情的ではあるが興奮した。
     人差し指と薬指で、その下にある膨らみを持ち上げながら中指でエドモンドの裏筋を撫でる。たったそれだけのことでエドモンドものが自分の手を濡らし始めた。
     直接的な刺激に逃げる様に引ける腰を抱き寄せれば、嫌がる様に首を振る。が、何を今更。

    「嬉しいくせに」
    「……っ!」

     耳に囁けば雫が一層溢れ出る。エドモンドのものを手に取りながら自分のものを取り出すと、一瞬エドモンドの目が好奇を示して色を変えたのを見逃さなかった。

    「欲しかった? これ」

     問い掛ければ、エドモンドは敵を前にした様な目付きで自分のものを捉えてくる。
     何も、そんなに睨まなくても。

    「ほ、ほしい」

     しばらく黙り込んだままだったエドモンドが目をチョコレートみたいに蕩かせながら口にする。その声にまじまじとエドモンドを見やれば、林檎のように真っ赤にした顔に、堪らず自分のものをエドモンドのものに擦り付けていた。

    「あっあっ、エイトの……ぬるぬるっ」
    「ぬるぬるしてアガっちゃうだろう?」

     問い掛ければコクコクと首を縦に振るのが愛おしい。ちゅっと頬に唇を寄せれば、無意識だろうがふにゃりと目元を緩める。その様に思わず空いた手でエドモンドの頭を引き寄せていた。

    「きみも、いっしょに」
    「ん、一緒にイこうな」

     ぐちゅぐちゅと淫らな音が自分たちの間から発せられる。下を向けばエドモンドのものが透明な汁を噴き出していた。
     我慢汁なのか、潮なのか。それは分からないけれども。
     今度、潮が噴けるか試してみるか。考えていると、肩に置かれてあったエドモンドの手に力が加わる。皮膚を破かれる感覚はあったが、それをエドモンドに言及しようとは思わなかった。
     何せ目の前には襲いくる快感に身悶える壮絶に美しい顔があるのだから、それを見逃さない理由はないだろう。

    「あっ、あっ、出るっ!」

     手の中にあるエドモンドのものが一際跳ねて、下肢に運んでいた手がびっしょりと濡れる。その生ぬるい温度がエドモンドのものだと思うだけで、興奮して自分のものも達していた。
     上がった息を整えていると必然的に視線が合わさる。何か合図を交わしたわけでもなく、気が付けば互いに唇を寄せあっていた。
     触れ合うようなキスは、自然と噛み付くようなキスに変わる。目の前には瞼こそ伏せられているが、恍惚とした表情がある。快感に浸る顔に、堪らず笑みが溢れた。

    「あー……このままセックスしてぇ」

     唇を離した瞬間、口にした自分にエドモンドが唇を引き結ぶ。また、だらしがないと怒られるのだろうか、と、そんな危惧を抱いていれば。

    「明日、仕事が終わったら……かならず」
    「イマナンテ?」

     呆然とエドモンドの顔を見遣れば即座に顔を背けられる。嫌なら良い!、なんて声を荒らげて言ってくれたが、それは生殺しというものだ。

    「明日! 明日な! 絶対待ってるから!」

     些か前のめりに声を上げた自分に、びっくりした顔をしながらもエドモンドが苦笑いを浮かべる。
     まったく君は仕様もない男だ、なんて口にしながら、その顔は満更でもなさそうな顔をしている。仕様もない男はどっちだよ、と思いながらも、このエッチで可愛い騎士様を前にして自分が敵うはずもないのだった。
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