二千年の孤独「僕は勇者燭台切! 君がこのほこらのボスモンスター、長谷部くんだね?」
「はぁ…… はぁ……」
「どうしたの息が荒いよ」
「こんな世界の片隅のほこらに勇者が現れるなんて2000年で初めてのことで、慌てて駆けつけたら息切れしてしまった……」
「君、小ボスとは言え曲がりなりにもボスだよね? このほこらの」
「し、仕方ないだろう2000年だぞ!」
「日頃の備えが足りないんじゃないかな」
「しかもお前が晩飯の支度をしてる時に来るのが悪いんだ! せっかくトカゲを煮込んでたのに」
「君、トカゲなんて食べてるの?」
「このほこらで食べ物なんて、トカゲか虫か生えてる草しかないからな。……やめろ、憐れみの目で見るのは!」
「こんなこの世の隅っこで何もないほこらを護るのやめたら? 世界はもっと楽しいことに満ちてるよ。僕と冒険しない?」
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