独りの少女と猫②我が家に新しい家族を迎えて一週間。
オベロンに見送られて登校し、帰宅するとオベロンがお出迎えをしてくれる、そんな毎日が続いてる。
「いってきます」と「ただいま」を言うことがこんなにも嬉しくて、こんなにもかけがえのないものになるとは…両親がいなくなる前の私はきっと想像もしなかったと思う。
オベロンはほとんど鳴かないし、まるで私の言うことがわかるのではないかと思うくらい賢かった。
そして私にいつも寄り添ってくれる。
つらいときは私の手に手をのせてちょいちょいしてきてくれるし、宿題をしているときは私の膝の上で丸くなる。
お風呂のときは脱衣所の外で待っていてくれるし、夜も隣にきて一緒に寝てくれる。
両親のことは悲しいけれど、それでも少しずつ前を向けるようになった。
1342