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    anst_0226

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    anst_0226

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    ホラー書きたかったけど、なんか途中でワンゲ読んだ時に書いてたので勝手に病んでだめでした。
    ホラーになってます…?

    迷子宙は一人きりの教室で日誌の欄をひとつ、ひとつ、埋めていく。
    同じ日直の子は今日はおやすみ。一人で二人分の仕事をこなして、最後に2人分のマスを使って“春川宙”と大きく名前を書いた。

    宙は自分の名前が大好きだ。
    一度は嫌になったこともあったけど、「ソラ」と呼ぶあの甘い色を見たあの日から、宙の名前は特別になった。
    窓の外では日が傾き始めている。
    鮮やかな夕焼けの色に、宙は夏目の色を思い出した。
    いけない。こんな時間に一人で居ると知れたら、ししょ〜に怒られてしまう。勿論「ソラはよく変な事に巻き込まれてしまうかラ、絶対に肌身離さず持ち歩くこト!」と渡された夏目お手製の魔除けを一応は持ち歩いているけれど、早く帰るに越したことはない。
    なにより今日は久々にししょ〜とゲームで遊ぶ約束だってしているのだ。
    本当はせんぱいと三人で遊びたかったけど、生憎今日もせんぱい忙しい。聞いたところによると、新しい企画の会議だとか。
    Switchの未来のために尽力している二人は、ここのところいつも忙しそうだ。
    宙はいつもあんまり忙しくないから正直暇なのだけど、ししょ〜といえば、ずっとぐるぐるした色で、何かに悩んでいる様で心配だったけど、なんだか声をかけられなかった。
    ううん。本当は、せんぱいを見るししょ〜の色がいつもと違って寂しそうで、宙とは目が合わないのが寂しくて、少しだけ意地を張ったのかもしれません。

    それでも宙は頑張ったし、頑張れない時はなぎしゃんの頭に登ってもっと頑張った。
    今日はそのご褒美デーというわけだ。
    心が浮き足立って仕方ない。
    手早く荷物をまとめて窓の鍵をちゃっちゃと確認する。

    「よし!最後の人は、きちんと電気を消すな〜」

    パチパチと教室の電気を消すこの瞬間は、いつもと雰囲気が違ってドキドキする。
    すこしだけ怖くなって宙は教室を飛び出した。

    飛び出して、ぞわり。
    宙は直ぐになんだか嫌な色を感じて周りを見渡す。

    「HiHi~...?」

    放課後とはいえまだ明るいし、いつもなら教室でおしゃべりしている子たちの声の色が広がっている筈の廊下が、随分と静かなのだ。
    隣のクラスも、その隣の教室だって、ドアはキッチリと閉まって薄暗い。
    宙が忘れていただけで、今日は早く帰らなきゃいけない日とかだったんでしょうか?
    宙は首を傾げる。
    別にHRの時には何も言われなかったし、見回りの先生にだって会ってない。
    そうだったとしても、日誌を届けるついでに職員室で先生に謝れば大丈夫だろうと結論づけて階段を足早に降りた。
    悪いことをした時は『ごめんなさい』を言いなさいとししょ〜が教えてくれたから平気だ。
    便利な魔法の練習を頭の中で反芻しながら、ぴょい、と最後の3段も飛び降りる。
    ここを曲がれば直ぐに職員室だ。
    そういえば階段飛ばしをすると怒られるんだったと慌てて周りを確認しようと顔を上げたとき、宙の不安は確信に変わった。
    そこは廊下、だったはずの場所。
    さっき踊り場を通ったのに、また踊り場が現れてしまったのだ。
    手すりから身を乗り出してみれば、それかずっと下まで続いて、吸い込まれるような真っ暗闇だ。
    その真っ暗闇の先を見た宙は思わず肩をすくめて数歩下がった。
    多分、風鈴の音がする。
    耳に入る音の情報は確かに風鈴なのに、視界に色で見えるのはよく知るチリリと涼しげで透き通るような色ではなくて、重くて鈍った色だ。まるで見たことないくらい沢山の風鈴が集まって同時に風に揺れているみたいな、ぐちゃぐちゃとした音の色。
    じっとりと肌が湿る。
    ふと気づけばここはなんだか昼間みたいだ。
    薄暗いくせにセミが鳴いている昼間のような蒸し暑さで、世界の色がめちゃくちゃだ。

    「He...」

    足が竦んで、手すりを掴んだ。
    それだけじゃない。宙の教室は二階。これ以上下に教室なんて無いし、なんだかさっきまで居た"二階だったところ"に何色と形容していいのか分からないもやもやとしたモザイクがかった色が見えるのだ。
    通い慣れた夢ノ咲ない居る筈なのに、見知った色がひとつもない。

    「うぅ…気持ち悪くなっちゃう前に帰りたいな〜…?」

    これはきっと夏目の言う“変な事”だ。
    こういうものはあまり見ない方がいいと夏目が言っていたのを思い出してフードを深く被って、首から下げた夏目のお守りをぎゅっと握る。それだけで少し気分がマシになった気がした。
    それでもまだ少し心臓が大きな音を立てるので、つむぎが教えてくれたようにゆっくりと深呼吸をする。

    「……ふぅ、」

    ここに居てもどうしようもない。
    宙は“次の階"へと足を踏み出した。






    それから何階分階段を駆け降りたのかもう分からない。ただ降りても降りても、上に感じるモザイク色との距離が変わらなくて、まるで追いかけられているみたいだ。
    さっきまで見えていた鮮やかな夕焼けが、空が、見たことないくらい真っ赤に燃えている。

    「う〜ん、やっぱりおかしいな〜?」

    怪異には強い思い入れや恨み嫉みを元にした“意志”があるらしい。だからある程度は身を任せてしまわないとどうしようもない。
    戻る選択肢は諦めて宙は足速に次のドアに向かった。
    きっとどうせ同じことの繰り返しだけれど。












    「HeHe~宙は疲れちゃいました……。」

    宙の見立ては正しかった。
    あれからどれくらい教室を抜け続けてきただろうか。走り抜けても無限に次の踊り場が現れるだけで、出口どころか少しずつ視界の色は濁っていく。宙は息苦しさを感じて、ついに踊り場の角に蹲ってしまった。
    このまま帰れなかったらどうしよう、気分が悪くなって立てなくなったら、動けなくなったら。嫌な想像ばかりが浮かんで宙は膝を抱え込んだ。ひとりぼっちは心細い。
    どれくらい時間が経ったのか分からないけど、本当ならししょ〜と今頃ゲームをして、きらきらの色に囲まれていた筈なのに。

    「そらくん!大丈夫ですか?」

    突然見えた慣れ親しんだ優しい声色にぱっと振り返る。
    大好きな声に胸が熱くなった、けれど。

    「せんぱ……いの、色…じゃないな〜…?」

    溢れんばかりの安心が一気に冷めて身体が動かなくなる。
    目の前にいるのは確かに“せんぱい”なのに、その色は全くの別物なのだ。もっと禍々しくて、ずっと上に感じていた何色か分からないモザイクがかった色。

    「え〜どうしたんですか?俺は俺ですよ。」

    そういって抱きしめようと腕を広げて近づいてくる。宙の身体は動かない。怖い。怖い。怖い。助けて、助けて。何度も胸の中で叫ぶけれど『誰か』は無情にも目と鼻の先だ。
    ぎゅっと目を瞑るとふと、目の前の『何か』が呟いた。

    『あはは、嫌われちゃいましたかね……俺たちは何度も宙くんを放ったらかしにして、寂しい思いをさせてきましたから……。』

    警戒心から瞼に込めた力が抜ける。
    瞼越しに薄らと見える色には、どこか見覚えがあった。

    『勝手ですけど、俺のことは嫌いでもこれだけは分かって欲しいんです。俺は宙くんの事が大好きで、愛しています。俺たちの一番は宙くんなんですよ。』

    つらつらと並べられるどこかで聞いたような言葉が、それでも宙の胸に甘く溶けていく。
    宙は立ち上がって『つむぎ』の胸に飛び込んだ。



    ____




    『よしよし、落ち着きましたか?』

    抱きついたまま暫く離れなかった宙を『つむぎ』はそっとあやした。
    ひとりぼっちじゃなくなった安心感に満たされた宙は元気よく『つむぎ』を見上げる。

    「はい!」
    『それじゃあ行きましょうか、俺たちの帰るべき場所へ。』

    『つむぎ』がぎゅっと手を宙の手を繋ぐ。
    熱を持って汗ばんだ宙の手とは対照的に『つむぎ』の肌はぬるくてさらりとしている。
    それでも知っている柔らかい手に包まれたのが嬉しくて宙はすっかりご機嫌だった。
    繋いだ手を確認するみたいにもう一度握り直して宙は『つむぎ』を見上げる。


    「でも、ここはずうっと階段な〜?せんぱいはどこから来たんですか?」
    『え?!ちょっと宙くん!怖いこと言わないで下さいね?!ここは普通に廊下ですよ……』

    眉を下げて困った様子の先輩の色に嘘はない。
    恐る恐る少し曲がった階段の先を見てみると、そこは見知ったいつもの廊下だった。
    宙が彷徨っている間に日はすっかり落ちてしまった様だけど、さっきまでのエンドレス階段ループに比べればずっとマシだ。
    それに今は『つむぎ』が側にいる。
    宙は嬉しくてきゃあっと歓声を上げた。



    ...


    廊下を進みながら、二人は楽しげに何でもない世間話を長々といつまでも続けている。
    宙はつむぎの意味のない話が大好きだったから飽きなかった。でも今日はちょっぴり思い出話が多い。Switchの初ライブの日、イースターイベント、寂しくて堪らずつむぎにいじわるをしてしまった七夕のライブだとか。幻灯機を修復してステージの演出をした先日のライブの反省会だってした。
    こう言う時は大抵次の仕事のおさらいだったりをすることが多いけれど、それでも尽きない話題に心を弾ませて、繋いだ手を揺らしながら歩いた。

    『そういえば今日は遅かったですね。何があったんですか?』
    「今日はな〜日直を一緒にやる子が休んでしまったので、宙が一人で日誌を書いていました!だから遅くなっちゃったな〜?」
    『偉いですね、宙くん。いい子いい子♪』「HoHo~嬉しいな〜!せんぱいこそ、今日は会議じゃなかったんですか?」
    『宙くんが迷子な気がしたので、お迎えに来たんですよ。俺は必ず宙くんを迎えにきますからね』

    つむぎの色に宙の心も緩く綻んでいく。
    その言葉は宙もよく覚えていた。
    ハロウィンイベントの時に、遅刻していた宙を探しに来たつむぎが言ってくれた言葉だ。
    いつもよりもっと沢山宙の頭を撫でてくれる『つむぎ』には、いつの間に見慣れた青が混じっている。晴れた日の空みたいな、宙がよく知っているつむぎの色。

    「せんぱいと居ると、宙の心はぽかぽかな〜♪」

    空いた片手が寂しいけれど、つむぎと会えたのならきっとすぐに夏目とも手を繋げるだろう。ふと、胸元で揺れるお守りのことを思い出す。

    「あれ?せんぱい、廊下ってこんなに長かったです?」

    鼻先のもやが晴れたみたいな頭とは裏腹に、足が重くなって宙は立ち止まった。
    なんだか急にまた真っ暗な色に胸が押しつぶされそうになって『つむぎ』を見上げる。
    『つむぎ』は変わらぬ笑みを浮かべるばかりだ。
    その瞬間、

    『ソラッ!!!!?』

    突然宙の近くの教室から飛び出してきた『だれか』が飛びついて宙は『つむぎ』と一緒に床に雪崩れ込んだ。
    人一人が覆いかぶさって居るのに、不思議と重さは感じられない。これも異界に居るからだろう。何となく誰っぽいのかは分かっているけれど、宙はそっと『だれか』を見上げる。

    『ソラ、ソラ…!良かっタ…!!』
    「ええっと……?」

    吊り上がった細い眉をすっかり下げた『夏目』が宙を引き上げた。
    抱きしめられて息苦しくなる流れを想定してぎゅっと目を瞑ったところで宙はふと気づいた。

    そういえば、宙は誰と居るのでしょうか。

    『ソラに何かあったらって心配で心配デ……って、どうしたノ?』

    目の前の『だれか』は宙を抱き締めずにぽかんと真っ暗な口をあけた。

    「……誰、ですか?」
    『ええっ?宙くんどうしたんですか?』
    「だ、誰です?宙、そらは、っ」

    せんぱいだった大好きな色がモザイクがかって見えなくなって、キュッと足元で床の擦れる音が鳴る。
    身体が自然と逃げようと後ずさっているのだ。
    そんな様子分かっていてか『だれか』は怯える宙に穏やかに微笑んだ。

    『……心配しないデ、ソラ。ボクたちはず〜っとずっと、一緒だヨ♪』

    違う、そうじゃない。
    それなのにまたじわりじわりと『夏目』の色が、燃えるような愛の色に侵食されていく。
    背中には青い色に、宙の心はたちまち弛緩していく。

    『ボクの一番はソラだヨ』

    脈絡のない愛に宙はいつかの愛を思い出した。心無い返事に落胆したけれど、自分勝手な行動だった。ししょ〜は宙より沢山の愛を知っているから、宙ばかりではいられないって分かっているけれど、それでも。

    「ししょ〜……そら、ずっと、」

    紡ぐつもりのなかった言葉も口をついてしまえば、止まらなくなる。
    宙はぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら目の前の『夏目』にぎゅっと抱き付……こうとして叶わなかった。
    『夏目』が宙を避けたのだ。

    「ししょ〜……?」

    頭も心も真っ白になりそうだったけれど『夏目』の色が少し辛そうなのが気になった。
    心なしか呼吸も荒い。
    幾らししょ〜がインドア派でも、ししょ〜は日々のライブを熟す立派な尊敬するアイドルだ。疲労が溜まって、という風には見えない。それは色だって示している。
    どちらかと言うと、怯えのような色だ。
    それこそ、ししょ〜に見たことはないけれど。

    『びっくりさせてごめんネ、その……それが凄く嫌な感じがしたかラ』

    細い指先が、胸元で揺れる魔除けのお守りを示す。
    言われてみれば確かにじんわりと熱くて、こんなのは初めてだ。

    「ししょ〜のお守りです?」
    『うン。それが悪いものを引き寄せちゃってる気がしテ……ソレ、外せる?』
    「HeHe〜分かりました!」

    元気良くお返事をした宙はついいつものように顎を上げて目を瞑り、つむぎに甘える。
    こういうとき、必ずつむぎが宙のふわふわとした髪が絡まらない様に優しく首紐を取ってくれるのだ。
    しかし、いつまで経っても気配がない。

    「……せんぱい?」
    『その、悪いものに触るのが少し怖くて……ごめんなさい、宙くん。自分で取れますか?』

    ぱっと目を開くと、にっこりと『つむぎ』が嗤う。いつもなら申し訳なさそうな色でいっぱいだけど、今日はなんだか緊張した色に見える。

    「わかったな〜?宙は赤ちゃんじゃないので、自分でも出来ます!」 

    いそいそとお守りを外す。
    差し出された手に首紐をかけると『夏目』はすぐに窓の外へと投げ出してしまった。
    宙に浮いたお守りが落ちていくのがスローに見えて、ザワザワと胸が落ち着かない。

    「ソラ。安心しテ、もう平気だヨ」

    きっと今自分は良くない色をしているのだろう。
    それを掻き消したくて、おいデと緩く開かれた腕に迷いなく飛び込んだ。
    その瞬間、胸の奥がドッとぬかるんで足を取られる感覚がした。まるであの階段の下に感じた暗闇みたいに深く引き摺り込まれるような不安に襲われて、宙は夏目にしがみつく。
    あんなところ、幾らつむぎにだって見つけようがない。

    そうしていつか本当に、夏目に忘れ去られてしまう。



    「宙、ずっといい子にしてました。けど、ずっとずっとさみしかったな〜…」

    宙だってつむぎを、夏目を心配していたのだ。仲間に入れて欲しかった。Switchのメンバーとして見つめられて、力になって、いい子だって撫でて貰いたかった。この際もっとワガママを思えば「ソラは"特別"だヨ♪」とか言ってお手製のクッキーをもう一枚多く貰いたかったし、まだ宙が入学したばかりの頃、初めて秘密の部屋に泊まった夜の「いい夢ヲ」という魔法のキスをもう一度額にかけて欲しかった。
    宙にだけの“特別”を沢山集めて、ししょ〜の“特別”になりたかった。

    『ソラはボクの特別だヨ』

    『夏目』は宙の望んだ言葉を口にする。
    好き、好き、大好き。
    ししょ〜の特別になれて宙は幸せです。

    『夏目』と『つむぎ』の腕の中で宙はそっと目を閉じた。ここが宙の求めた居場所だから。胸がぎゅっと苦しくて、宙が『夏目』の胸に頬を擦り寄せると、思った通りに『夏目』は優しく宙の頭を撫でる。

    「ししょ〜…せんぱい、宙たちはずっと一緒です?」

    本当は、ししょ〜のぴかぴかと光の散る星みたいな金色の瞳が大好きだけれど、あんまり我儘を言って嫌われたくない。
    あの光を思い浮かべながら、顔をあげないまま聞いてみる。

    『勿論ですよ、宙くん。』
    『まぁボクはソラと二人きりの方が嬉しいけド…仕方ないよネ。ずっと三人一緒だよ。』
    「ずっと…ずっと…約束な〜」

    ずっと三人が一緒、これ以上ない幸せだ。
    宙にとって、ししょ〜は特別で大好きだけれど、せんぱいだって物凄く大好きなのだ。
    安心した宙は二人から身を離す。

    夏目もつむぎも、優しい顔をして宙を見つめている。


    「……し、しょ〜…せんぱい…?」
    『大好きだヨ、ソラ』
    『俺も。二人を愛しています。』

    抱きしめられた宙の体温が、色の様に二人にに移っていく。
    宙はそれが嬉しくって、二つの背中に手を伸ばして、ゆっくりと瞼を閉じた。





    



    宙だって、目の前の『夏目』と『つむぎ』が本物じゃないなんてことには気づいていた。
    けれど、一人で寂しさを抱えるには長過ぎた。
    期待して追いかけて、いつかいつかと夢見て。
    宙は一人でも平気だって、分かってもらえればきっと、ししょ〜とせんぱいは気兼なく“Switch”の為に時間を割ける。そう思って、つむぎのくれたぬいぐるみを抱きしめて、代わりにした。

    強い思いがあるとき、人形には命が宿る。
    本気で想えば叶ってしまう。
    そんなこと、"魔法使いの弟子"としてよく知っていたのに。



    これは甘い甘い、呪いだ。
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