持ち帰ったカタログをめくりどれが良いかと聞いても彼女の返事は今一つ、女性に人気で海外のセレブも愛用してるという高級アクセサリーショップと聞いていたのに彼女はお気に召さない様だ。どうしたもんかと悩んでいたら件の彼女は部屋に飾っていたクリスタルを掲げた。それは自分の地元でよく採れる鉱石で透明度が高く太陽の光を浴びてきらきらと輝く、一つ違うのは自室に飾っていたのはこの鉱石にしては珍しく色がついた代物で、エメラルドグリーンに太陽の光が当てられ湖面の様に輝く。だからと言って特別高価な物でも無い、学生がアルバイトをして貯めたお金で買える程度である。それを空に掲げると、クリスタルから発せられる煌めきに目を細め彼女は自分に微笑んだ。
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