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    kg4awt108

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    kg4awt108

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    リハビリがてらに書いてみました。
    自分でも驚くほどに雑になりましたが許して…

    #K暁

    あの目まぐるしい一夜は色んなものを代償に明けることができた。
    KKが訪れたのは暁人と麻里が暮らしていた家。あそこで自分も成仏すると思っていたKKは自分の身体が戻り、生きれると分かった瞬間、暁人を真っ先に探した。
    そしてようやく見つけた暁人の家、自分が元刑事で良かったと思える。
    暁人も予想外だったらしく目を見張って驚いていたがお構い無しとばかりに強く抱き締めた。

    「お前がいなきゃもう生きてはいけない」

    そう呟いた。それは暁人だって同じだった。誰もいなくなってしまった渋谷の街を得体の知れない者が占領し、そこに1人だけ投げ出されたようなものだった。体を乗っ取るつもりだったとはいえ、KKがいなかったら自分はあの事故で生きていたとしても、霧に襲われてもっと早くに死んでいたに違いない。

    KKには褒められ、時には怒られながらも2人でひとつの身体を共有しながら生き残った。
    その安心感がただの相棒という感情から、恋というものに変わるのはおかしな話じゃないかもしれない。それが例え、吊り橋効果だと言われても。

    「僕も、僕ももうKKがいないと生きていけないよ…」

    ぎゅっと抱き締めてくるKKの背中に手を回して暁人も、もう離れないというように抱きついた。
    彼の奥さんと子供には悪いけど、この広い世界でたった1人、愛するものを見つけてしまった。彼女達から取り上げてしまうような、罪悪感に苛まられるが、今度は暁人から彼を取り上げられてしまえば、自分は再び廃人のようになるのではとさえ思ってしまう。
    もう、暁人はKKなしには生きられない。

    良かった、同じ気持ちだったとKKは安堵する。
    もし、暁人が嫌だと首を横に振ればKKは一生彼の目の前に現れないようにするつもりだった。多分暁人は前の家族罪悪感を今居てるだろうが、それは後で説明すればいい。今は暁人だけが全てだ。元妻に感じたことの無い居心地の良さを暁人には感じていた。一応言っておくが元妻を愛していないわけではなかった。
    子供だって可愛かった、むしろ自分の忙しさに鎌をかけて、家庭を顧みなかったからこそ居心地が悪くなっただけである。


    だから、暁人にはそんな思いをさせないように今度こそは、ちゃんと彼と向き合い、一緒に生活していこうと心に決めた。あの一夜だけでこんなに愛おしいと思うことは、人生の中でもう二度とやってこない。そう、断言できてしまうほどに。

    「帰るぞ、暁人」
    「…うん」

    抱きしめ合っていた体を離すと、2人はどちらからともなく手を互いに差し出し、アジトへと向かっていく。
    どんなことがあろうと、あの事件を乗り越えたのだから、絶対に2人なら乗り越えられると信じて。
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    32honeymoon

    TRAINING・先日アップした画像版に修正を加えて、今までとおなじ横書きにしました。前回読みにくかった皆様はよければこちらで。
    ・修正したのは暁人くんの心情描写が主です。まだKのことを好きになりかけてきたところで、信じる心と無くしてしまう不安の板挟みになっている雰囲気がちょっと出てないかなと感じたので、台詞回しを少し変えてみました。まあ内容は同じなので、再読頂かなくとも問題ないと思います…単なる自己満足。
    【明時の約束】「ねえ、KK。たとえば今、僕がこの右手を切り落としたとして、ーあんたの宿っているこの魂は、何処に宿るのかな」

    ー突然。自らの右手に在る、そのあたたかな光と靄のかかる手のひらに向かって、突拍子もないことを言い出したその体の持ち主に、KKは呆れたように何いってんだ、と返した。

    『ーオレの魂が宿る場所は、ココ、だろ。手を失ったとて、消えるわけがねえ。ああ、ただー大切なものが欠けちまったって言う事実に対して、クソみてえな後悔だけは、一生残るだろうな』

    気を抜いたままで容易に操れるその右手。ぶわりと深くなった靄を握り込むようにぐっと力を込めると、とんとん、と胸を軽くたたく。

    「後悔、?」
    『ああ、後悔だ』
    「どうして?これは、僕の体だ。例え使えなくなったとしても、あんたには何の影響も無い筈だよね。それとも、使い心地が悪くなったとでも文句を言う気?ーああごめん、言い過ぎたかも。…でも、そうだろ」
    2932

    32honeymoon

    DONE◆勝手にお誕生日お祝い企画◆
    @krsmbk 様の漫画「転生小学生Kと人生に疲れたリーマン暁」に触発されて
    書かせて頂いたものになります。
    (事後ですが許可は取りました!アヤコ様ありがとうございます!!)
    どちらも記憶アリ転生している設定。そしてやっぱりKが暁くん好きすぎるマン。
    毎度紆余曲折の末ハピエンに落ち着く話しか書けない奴ですみません。K暁を幸せにし隊隊員なもので・・・(定期)
    「君と世界を、もう一度この手に」 「―暁人!」
    不意に後ろからその名前を呼ばれて、僕は咄嗟に立ち止まってしまった。
    もう「僕」はその名で呼ばれた人物ではないのに。
    そして「彼」もまた、僕の記憶に残るその人ではないと、言うのに。

    「待てよ、暁人!!」

    どくどくと鳴る心臓を他所に、その声の主は走ってこちらに近づいてくるようだった。

    ああ、どうして見つけてしまったの。
    あの時とは違う、高いボーイソプラノが遠くから自分を、否、自分だったものを、呼んでいる。
    でも振り返りはしない。そう、人違いだと、そのまま諦めてくれたらー

    ぐい。祈りも虚しく、強い力で腕を引かれる。
    ああ、懐かしいな。あの時もそうやって僕の手を取ってくれたっけ。
    でも、でもねー
    もう僕は、あんたの知ってる僕じゃ、ない。
    7811

    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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