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    ジュン

    正良が好き。思いつきを載せる。

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    POIPOI 87

    ジュン

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    あの子は悪魔
    人の心、惑わす悪い子

    正→良


    魔性の良を考えてみた
    メモがでてきた
    たぶん2月くらいに書いてた記憶
    魔性の良を食べたかった記憶
    ずっと正がイライラしている
    (正喫煙者表現あり)
    片思い良き良き爆発してるパッションで書き足した

    地獄へようこそ「あーぁ……」


    バタン。ドアが閉まり、走り去るタクシー。
    その後ろ姿を恨めしく見送って、正守は思わず低い声を漏らした。
    そして全ての音は夜闇に溶けていく。聞こえるのは、しとしと降る雨音と待合室の蛍光灯の音だけ。

    「どうする」

    これは問いかけではない。諦めのため息、それを表した言葉。正守は苛立ちを隠さず再びベンチへ腰掛けた。
    先程やってきたタクシーを、ぽっと出の他人に譲ったのは良守だ。一時間待ってやっとそれを、見計らったかの如く居合わせた年若い女性。そんな彼女に「先、乗ってください」と良守は躊躇いなく譲った。
    いいよな?と言いたげに目配せをされた、あの瞬間を……思い出しただけで本当に胃が痛くなった。

    暗転。

    タクシーの待合室、苛立ちを隠さない正守。その正面に良守はいた。
    時折、点滅する蛍光灯。重苦しい沈黙を幼さの残る甘い声が切り裂く。

    「兄貴はどうしたい?」

    どうしたい?
    その他力本願な問いに辟易して、地の底からため息が零れ落ちそうになる。

    「俺に聞くな」

    睨む正守。それを見て肩を竦める良守は、この状況を俯瞰してほくそ笑んでいるように見える。それは良守が光を背にしているからに過ぎないとわかっていても。

    「…お前がこの状況作ったんだ、責任取れよ」

    「でも兄貴も止めなかったじゃん」

    ついに舌打ちが漏れた。そんな真っ直ぐな目で俺を見るな。お前のせいだと怒鳴り散らしたくなるのを深呼吸で正守が堪えた瞬間。

    「だからこれは共犯、だろ?」

    そういって良守は悪戯に正守を見下す。
    虚をつかれた。そんな顔をされたら何も言えなくて。

    「はぁ……」

    あー。今ものすごく煙草が恋しい。
    苛つくのはコイツが間違ってないからだ、と正守は思う。こんな時間に女性がひとりでいるのは危ない、男二人の俺たちより彼女が先に乗った方がいいに決まっている。
    だが、一時間だぞ。一時間待って一台しか来なかったんだ。雨は止まないし、とっくに日付が変わってしまった。次に来るのは十分後か?二時間待っても来ないかもしれない。だいたいあの女性だって、どんな理由であれこの時間まで出歩いていたのだ。その責任を、俺たちが背負ってやる義理がどこにある。
    たが、良守は躊躇いなく彼女に順番を譲った。そうするのが当たり前だって顔して、女性の罪悪感をかき消すように微笑んで、今こうして危機感も悪びれもなく目の前でスマホを弄っている。
    こんなの、苛立ちもするだろう。


    「…こんなときにゲームなんてするな」

    「してない」

    「じゃあSNSか」

    「やってねえ。知ってんだろ?」


    知らねぇよ。

    正守は手のひらで目元を覆い、視界から良守を消す。
    普段ならこんなに苛立つこともない、自分は何を焦っている?答えは明白。良守と二人きりが気まずいだけ。後ろめたさが怒りに火をくべるのだ。
    深い深いため息が零れる。
    良守は悪くない、いや良守が悪い。そんな堂々巡り、苛立ちを反復して数分。自身の貧乏揺すりに気がつき、足を組んでそれを誤魔化した。

    「兄貴起きろ」

    ガサツに右肩を揺すられて、やめろと振り払う。


    「見ろよ。こっから走って行ける距離に泊まれるとこある」

    そうスマホの画面を見せられて、咄嗟に反応が出来なくなった。固まったのは瞬きほどの間だ。きっと良守はこの動揺は伝わらない。
    だが、焦燥した正守はそれに気がつく余裕なんてかった。上手く思考できないから何度も脳にエラーが浮かび上がって消えていく。

    「次のタクシーいつ来るか分かんねえし、部屋も空いてるみたいだからさ…」

    「まさか、ここに泊まる気?」

    「うん。だめかな」

    別に、駄目じゃない。昨日までの俺たちなら喜んでその提案を受け入れていた。というか、一時間待つ前にそうしていた。
    でも、俺はその選択をあえて避けていた。
    どうしてそれが分からない?
    なぜそんなにもお前は愚かなんだ。
    なあ。
    お前、今日なにがあったか覚えてんの?
    俺言ったよな。
    お前のこと好きだって。
    そういう目で見てんだ、って。
    わかってんの。
    そんなやつの隣に居る、意味を。

    「…おい何とか言え。兄貴が言ったんだろ、俺が責任取って決めろって」

    言ったが。じゃあお前はどこまでの責任を取るつもりなのか。腹切代わりにその体を俺に差し出す気?
    好きだと告げた、うっかり告げてしまった。
    零れた言葉は元には戻らない。
    有耶無耶にすることはできても、綺麗さっぱり消し去ることはできない。
    本当に、最悪だ。
    そんなこと言うつもりなかったのに。
    人生最大の失態、史上最低の日。
    ずっと頭が痛い。
    コイツが傍いると俺は平静を保てない。
    きっと煙草が吸えないせいだ。


    「…もういい。予約した」

    「は?勝手に決めるな」

    「だったら兄貴だけここで待つ?」

    あぁ、その手があったか。

    「バカ。ほら行くぞ」

    良守が立ち上がって正守の腕を引っ張る。その程度では正守は揺るがない。
    しかし腕へと絡みつく温もりに、つい怯えてしまった。心臓が跳ねて心が落ち着かない。触れ合った瞬間そのすべてを無茶苦茶にしてやりたい衝動に駆られて、その情念を固い意思で押さえ込んで。涼しい顔をしてやり過ごすだけで必死だ。コンマ何秒の地獄。心の底から湧き上がる歓喜を恥じて、堪らなくこの場から逃げ出したくなった。
    だが、何も出来ない。情けなく良守の力に従ったフリをして立ち上がるしかなかった。

    「兄貴?」

    歩み出さない正守を、良守は不思議そうに見つめる。正守の苦しみを知らない、無垢な眼差しは猛毒だ。

    「離せ」

    「なんで」

    良守は手を離さない。
    じっと正守を見上げて、拗ねた顔で睨む。

    何を考えているんだ。
    無駄なことはしないでくれ。
    やめろよ。
    こんなの、期待するから。


    「やめてくれ」

    腕を振り払おうとして失敗。良守も男だ、生意気にも多少の抵抗をしてくる。面倒くさいことこの上ない。

    「離さない。離したらお前ここに留まるだろ…」

    当たり前だ。良守さえ居なくなれば、正守は煙草を吹かして気を紛らわせる。そうなればこのボロ小屋だって天国だ。何時間でも時を過ごせることだろう。
    しかし運命は残酷だ。この小競り合いの最中にタクシーの一台でも来てくれたらよかったのに。
    どんなに夜闇を見つめても、そんな気配は一向に訪れない。

    「どこ見てんだ。ほら行くぞ!」

    「知るか。お前だけ勝手に行け」

    「もう〜頑固か!諦めろってば…タクシーは来ない、雨も止まない。で、ぜんぶ俺が悪いんだろ」

    「そうだな」

    「だから、これで許してよ」

    良守は笑う。スマホを掲げて、はにかむ。
    どうせ罪滅ぼしにホテル代を持つ気なのだ。
    ちょこざいな顔。最近はアルバイトをしているから懐が暖かいだとか、たまには俺を頼って?なんて言いたげな眼差しでいる。

    「お前、馬鹿?」

    「は?」

    そう、その間抜け面。コイツは本物の愚か者だ。
    この俺が、こんな据え膳を食わないとでも思っているのか?
    まさか、そんなことすら考えちゃいないのか?
    大変に腹が立つ。
    もういい、泣いたって喚いたって好きにしてやる。
    ホテルに着いてドアが閉まった瞬間、その空間は俺のものだ。二人以外に誰にも知られない、見られない。
    だから、理性を抑え込む必要なんてどこにもない。

    良守は怯えるだろうか。
    それとも軽蔑する?

    『兄貴はそんな酷いことしないよね?』

    そう言って可愛く見上げれば全て済むとでも思っているのだ。
    あぁ、なんて馬鹿らしい妄想。
    良守も男である。力づくで抵抗するかもしれない。

    だから?
    まさかこの体格差で勝てるとか、本気で思ってんの?

    笑ってしまいそうだ。
    腕を掴んで自由を奪い、腰に手を回して甘く囁けば待ち望んだ夜が始まる。
    そこには意地悪で説教好きな兄なんていなくて、いい歳をして実弟相手に余裕のない男がいるだけ。

    いいや、違うか。そんなものは夢、失笑。
    良守が本気で抗えば正守なんて一捻りに決まっている。あぁ現実はいつだって辛酸を舐めさせてくる。まったく天才様はなんどきも余裕でいいよな。
    なぜ、いつも俺ばかり惨めな目に遭う?
    くじを引けば大凶で
    恋に落ちたら、すべてを失う。


    「兄貴」

    声がして、目だけを向ける。

    「なに」

    光の下、良守は笑った。

    「早く行こう?」

    腕を引かれて、悪魔が囁いた。

    「なぁ、」

    煮えたぎる怒りと情念を押し殺して、俺は…
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    ジュン

    MEMO片思い良すぎかよムーブやばち独りごつ
    これは正良かと言われたらわかんないけど一個思いついたのが、良が妖に時ねへの恋心を奪われてしまうのを正が取り返しに行く話読みたい。
    恋心奪われたのに良はそれに気づかなくて普段通りお勤めをして学校に行く日常を過ごしていて、時ねはちょっとだけ普段と何かが違うような違和感を感じるけど(元々良の想いを知らないから)それが何か気づかない。
    というのも良は時ねに対して恋愛感情が無くても大切に思う気持ちが変わらないから。周囲が良の心が欠けていることに本人含め気づかない。
    で、偶然実家に帰ってきた兄貴がいつも通り時との事をからかったら良が照れたり怒ったりしないことに違和感を覚える。
    その違和感を確信に変えるためにその晩、お勤めに正もついて行ってわざと時ねに思わせぶりな態度をとったりしてカマをかけてみる。普段の良なら絶対にあいだに割って入って怒ったり拗ねたりするはずなのに呆れたり赤くなるけど「兄貴もしかして、ときね好きなの?!」みたいな顔してるから正は良が時を好きだった気持ちがまるっと無くなってると気づく。良おまえ最近なんかあった?例えば厄介な敵と対峙したとか…って話を聞き出して妖に奪われたのだと確信。 でも助けてやる義理ないし、本人気づいてないし。あんなに好きだったのにこんな簡単に手放せるもん?とかモヤモヤ思ったりして。
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    ジュン

    REHABILI思いつくままとりあえず書き連ねていく正良のクリスマスってやつをよぉ。
    甘い上にこれさいごまで出来てないからよぉ。本当にごめんなさい。でも正良のクリスマスほしい。サンタさん来ない。泣いた。
    そのうち完成する、わからん。めっちゃねむい。明日も休ませろ。明日から冬休みになれ。越前青学の柱になれ。なんとか、なれー。
    寒波到来、この辺りにも雪が降り始めている。今晩は室内にいても凍えるほど寒い。だが一人暮らしの良守は節約するためなるべく暖房器具を使用したくなかった。親の仕送りを無駄遣いしたくないからだ。もちろん自身でもアルバイトをしているのでその金を宛てがうこともできる。でも今月はダメだ。12月24日、兄の正守がこの家に来る。理由は聞いてない。でもわざわざクリスマスイブに約束を取り付けてきたんだから、それってつまりそういうことだろう。良守は正守を愛している。正守も良守を…恐らく愛してる。断言はできない。イマイチ掴みどころのない男だから。しかし、一人暮らしを始めてから正守は何かと良守を気にかけるようになった。実家で暮らしていたときは年単位で会うことがなかったのに、今や月一程度には顔を見せあっている。何がどうしてこうなった?初めこそ困惑したが、正守と過ごす時間は存外楽しいものだった。突然ピザを一緒に食べようと言って家にきたり、成人したときには酒を持ってきて朝まで酒盛りをした。思い返せば正守は唐突に連絡を寄越してやってくる。そうして毎回良守を振り回しては満足そうに笑っていた。だけど良守が嫌がるようなことはしない。むしろ今までやれなかったけれど、やってみたかったことを叶えてくれているような気さえした。それは良守の思い上がりかもしれないが、しかし良守の中で正守は完璧でいけ好かない兄ではなくなっている。というか正守は全然完璧なんかじゃなかった。酒が好きなくせにすぐ酔って眠ってしまうし、ケーキは盗み食いするし、課題をして構わないと拗ねる。この部屋にいるときの正守はまるで子供みたいで、だから説教好きでジジくさい兄のイメージは簡単に崩れた。いつの間にかいけ好かないと思っていた兄との関係は、気の知れた良き友のようなものへと変わっていった。実家ではないからだろうか。二人きりで過ごしていくうちお互いに妙な意地を張るのをやめた。そのうち不思議と2人を取り巻く据たちの角は丸くなり、隣にいる時間がなにより愛おしく思えて…何気なく無言で見つめあったときキスをしてしまった。
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