兄貴と大型ショッピングモールではぐれた良守
良守を必死探す正守(ちょっとイライラ)
持たせたケータイにも出ない、辺りを見ても居ない
そんな時に迷子のアナウンスがかかる
あいつも迷子で呼び出して貰おうか…(ゴゴゴ)と思っていた矢先
『烏森からお越しのすみむらまさもり君』
は?
『ご家族様がお待ちしております。サービスカウンターまでお越しください』
あ?
『繰り返します。迷子のお知らせです。烏森からお越しのすみむらまさもりくん。特徴は丸刈り、黒っぽい服装、7歳くらいの男の子。お見かけになりましたら、お連れ様がお待ちしております。サービスカウンターまでお越しください』
その後、ドス黒い笑顔で迎えに行った正守。
「よーしーもーり」
「兄貴…!」
ぱあって笑顔になるよちを容赦なくゲンコツ
「あいてっ」
よちジト目で拗ねる。
正守はサービスカウンターのお姉さんに
「すみません、大変ご迷惑をお掛けいたしました」と声を掛けるも困惑される。
正守はさわやかに微笑む。
「さっき、呼んでくれましたよね」
「あっ、えっ!?」
サービスカウンターのお姉さんびっくり。
よちと正守を見比べて納得。
(あぁ迷子になったのは、この子だったのね…)と、呆れ顔でよちを見つめるお姉さん。
勘違いするのも無理はない。兄弟、年の差が7つ、黒っぽい服装とよちは伝えていた。
「どうせ自分が迷子になったって言えなかったんだろう」
よちジト目でぷいっと目をそらす。
「ちげーし。兄貴が勝手にいなくなったんだ」
唇を尖らせてぶつくさ拗ねる。
それを見てどっとため息つく兄貴
「よく言うよ。ちょっと目を話したらコレなんだから…」
「ふんっ」
「そういやお前は昔からそうだったな。チョロチョロ興味のあるもんに目がいって、勝手に俺の傍か ら離れて」ガミガミ
「もういいだろ!こんなとこで説教すんな!」
「いいやよくない。お前は何にもわかってない。俺がどれだけ恥ずかしい思いをしたと思ってんだ、もっと身をもって思い知れ」
「いてっ!またぶった!やめろ!この暴力坊主!」
兄弟喧嘩勃発してお姉さん苦笑い。
それに気づいた正守が良守の首根っこ掴んで無理やり頭を下げさせる。
「誠にご迷惑 をおかけして申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げられてお姉さんも丁寧に対応仕返す。ちょっとポッとなったお姉さんの顔を見逃さなかったよち、面白くねーって顔する。
「ほら、もういくぞ!」
「迷子が先導するな」
「なんだと!俺は迷ってねえ!」
「はいはい」
良守の頭をガシガシ乱暴に振り回して、正守が先に退出して行った。
パッと正守が手を出して良守が当たり前のようにその手を取る。
「お前探して疲れたからクレープ食べて帰ろ」
「まじ!俺チョコバナナ!」
「迷子は具無しカスタードな」
「イチゴのやつでもいいぞ!」
「はいはい…」
って言いながら嬉しそうな正守みて満足気な良守
迷子センター