いつまでも待っているいつまでも待っている
犬友現パロ
「なぁ父ちゃん、なんか言うたか?」
「あ?なんも言っちょらんよ」
「なんか聞こえたんじゃけど、子どもの声が」
「したか?」
「友魚!はよ飯食い!小学校遅れちまうよ!」
「分かってら」
友魚は止まっていた箸を改めて動かした。今日も朝飯は魚だ。いつも魚、いつもいつも魚。海が近いから魚ばっかり。とーちゃんが近海の漁師だから。
「いってきまーす!」
白飯を口に押し込んで、咀嚼しながらランドセルを片手に引っ提げて玄関を出た。
友魚は海の近くに住む小学生だ。10歳の小僧だ。やんちゃな小僧だが近所から愛されて可愛がられている。学校から帰ってきたら友達と浜に行って遊んで、いつもびしょ濡れになって帰ってくる。
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