【tksm夢】大好きな夢主相手にはお財布の紐がゆるゆるな無趣味社畜tksmの夢話連ツイの続きを載せています。
※【】の中が連ツイ部分
【現パロtksmさん、生活の優先事項が「夢主」と「仕事」しかない。無趣味で社畜だからめっちゃ貯金あって、夢主が遠慮しても、欲しそうな高いコスメいっぱい買ってあげちゃう。(○○はまぶたが何色でも死ぬほど可愛いが……)とか思いつつトムフォの諭吉アイシャドウ全色買ってきて夢主悲鳴。
続:たぶん限定色もいれると総額17万超えなんですよ。それをtksmは「このあいだ雑誌で見て“きれい”って言ってましたよね」って軽いノリでどーんと渡してくる。まるで「こないだ美味しそうって言ってましたよね」ってコンビニのお菓子買ってきてくれたノリで。夢主は顔面蒼白になって頭抱えてるから、
え⁉︎ 迷惑だったのか⁉︎ってtksm大慌て。おずおず夢主の顔を覗き込んで「す、すまない好みじゃなかったか? この間トムフォー ドのパレットはどれも捨て色がないって言ってたから、全部贈ったら喜ぶと思ったんだが……」って早口で言う。tksmの口からトムフォと捨て色がないって聞きたすぎる】
以下つづき
★★★★★
「基さん、こんなお金の使い方ばっかりしていいと思ってるの」
ソファで横並びに座って、夢主に手をぎゅっと握られながら、月島基は叱られていた。目の前のローテーブルには15個の高級アイシャドウがつやつやと光っている。
「いや……すまない……その……喜んでもらえるかと思ったら、金額なんて眼中になくなって……」
「もー!!」
たじたじになって答える月島に、夢主は大きくため息をつく。
「プレゼント嬉しいよ、嬉しいけどね、基さんが一生懸命稼いだお金なんだから、もっと自分のために使ってほしいの。何か欲しい物とかないの? やりたいこととか」
月島はしばらく考えて、かくんと小さく項垂れた。
「つまらない奴だと思うだろうが、俺は……」
弱い力で夢主の手を握り返す。
「夢主がいれば他はとくにいらん。そういう男だ」
思わず息をつまらせて鼓動が跳ねた夢主の、負けだった。
その日の夜。
お互い風呂を済ませ、リビングでくつろいでいたとき。
「ねぇ基さん、私にアイシャドウ塗ってみる?」
夢主が楽しそうな顔で提案してきた。その手には、今日贈ったアイシャドウがひとつ握られている。月島は驚いて、はじめは断った。俺なんかには無理だ、と。
「えー、じゃあ片方目の前でやってみせてあげるから、ね? 大丈夫。失敗しても寝てる間に落ちちゃうんだし」
よく見てて、と夢主は笑った。
月島の指のはらが、夢主のまぶたにそっと触れる。
「こ、こうか……?」
緊張した声がふってくる。夢主は目を開け、手鏡で目元を見た。アイホールに薄いベージュがふわりと乗っている。
「そう、うまいよ基さん。じゃあもう一色ね。次はこのピンクを二重幅に入れてみて」
「……ふたえはば」
「二重の線の内側のとこ」
夢主は笑いながら教えた。ん、と目を瞑ると、ふーと呼吸を整えてから月島がそっとまた色を乗せてきた。丁寧に丁寧に、何度かにわけて瞼を撫でられる。その手つきがあんまりに優しくて、夢主は思わず眠くなりかけた。
しばらくして手が離れたので、目を開ける。
月島が大事なものでも見るように穏やかに自分を眺めていて、妙にどきりとした。
「できたぞ」
「あり、がとう」
夢主はもう一度鏡で瞼を見て、きれい、と呟いた。月島は何も言わない。艶めいた瞳の夢主に見惚れていたからだった。夢主が恥ずかしそうに改まって、基さん、と名を呼んだ。
「これ、プレゼント、ありがとね。大事に使うね」
きゅっと口角をあげてはにかんだ姿に、今度は月島がどきりとさせられた。
「俺が勝手に買ったんだ。そんな、礼なんて、いい……」
言葉尻が小さくなって、空気が甘くなる。
月島がぱたんとアイシャドウパレットを閉じ、2人はどちらからともなく唇を重ねた。
完