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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/弓バス/オメガバース/

    #轟爆
    bombardment

    とっくにつがい ゴールデンウィーク後半の初日は快晴、こんな日は何処かに出掛けたくなるけれど焦凍は家族とドライブに出かけちゃったから俺は今日一日留守番兼フリー、と言っても午前中は部活があったし、部活が終わってからは皆んなでファーストフードに雪崩れ込んだから特にボッチ感はなし、でも、

    『頼むって、かつきがいると女の子誘いやすいからさ』

     そーいうの嫌いだって知ってるクセに、お付き合いはここまで!じゃあなってその場を離れて帰路についたはいいものの、

    『ねぇ君可愛いね、1人?良かったらお兄さんと遊ぼう?』

    …何で俺に寄ってくるのは男ばっかりなんだろう、ヒート中でもないからオメガの性に引き寄せられた訳でもないだろうに。こんな風にナンパされていることを焦凍が知ったら怒るだろーなァ、そう言えば今日の焦凍は静かだ、いつもなら1時間おきくらいにメールしてくるのに、確か行き先は電波の届かない山奥だっけ。

    (何か、もしかして今俺ちょっと寂しい?)

     そんな感情を抱えているからだろうか、気が付けばもう3人目のナンパに行き先を立ち塞がれた。この短い距離と時間のうちに3人ってどうなんだろう、ゴールデンウィークはクリスマスみたいに彼氏彼女がいないとダメなのか?

    (彼氏がいなかったことがねェから解らないな)

     普段焦凍に愛され過ぎてて寂しいなんて思う隙もない、だからこの寂しさは贅沢の裏返しみたいなものだろう。それにきっと焦凍は今頃ブスくれて車の後部座席に座っている、家族と上手くいっていない焦凍にとって今日はストレスフルな1日であって決して楽しんでいる訳じゃないのだ。

    (帰ってきたら沢山甘やかしてやるか)

     今夜はきっと家に泊まりにくるから、一緒に良い匂いの入浴剤を入れたお風呂に入って、焦凍の好きなお菓子を食べながら一緒にゲームして、それから、

    (一緒に寝る)

     もう子どもじゃねェ、14歳の時焦凍の手で精通を迎えてからは性の喜びも知っている。と言ってもまだキスと抜き合いしかしたことないけれど、16歳を迎えてからずっと焦凍は俺の中に入りたがっているし、俺ももっと深いところに焦凍を迎え入れたいと思っている。

     いや、思っているかどうかは解らない、だって実際にはしたことがないのだから。思考より前に身体が焦凍を欲しがるこれはきっと本能で、焦凍もまた本能で俺の中に入りたがる、それを抑えるのが理性。

    “アルファの焦凍とオメガの俺は結婚が許される時までは絶対に本番をしちゃいけない”

     だから今俺たちに出来るのは挿入なしの行為だけ。それでも十分に気持ちいいことを俺達は知っている、

    “だって好きって思うだけでキスひとつで蕩けてしまえるのだから”

     今夜は少しだけ大胆になって焦凍に俺が出来うる気持ちいいことをしてあげよう、なんて考えながらコスメショップを彷徨いていたら、突然男の人に呼び止められ、

    『君、イヤーカフ落としたよ』

     ハ?俺アクセサリーなんて付けてねェけど?

     すぐに落とし物を装って声を掛けてくるやり口のナンパだって気が付き、しつこくされそうだったから半ば走って逃げ帰った、

     だって男は俺の耳にイヤーカフを押しつけながら触れたのだ。

    『可愛い君には良く似合うね、爆豪勝己くん』

     フルネームで呼ばれたらもう危機感しかなくて、身体を掴まれるより前に走り出し、バスを待つのも怖くて結構な距離を走って帰宅すると家の門の前に焦凍が居て、俺を見るなり腕を広げるから俺は躊躇わずに飛び込んだ。何も話していないのにもう大丈夫だって抱き締めてくれるから俺はホッとして腰から落ちそうになる、

    『その様子だとスマホ触れない状況だったんだな、俺のメールが見られないくらいに』

     もうそこまで解っているなら隠し事はしない方がいい、俺は直近の出来事を話し、少し落ち着いたところで風呂に誘い、

     服を脱いだ所でポケットから何かが転がり落ちた。それはイヤーカフの片方だけ、いつの間にか入れられていたソレは盗聴器か隠しカメラでも仕込まれているのか、もしもGPSが仕込んであったら家バレしちゃってるってことで、そんなことはもう日常茶飯事だし、早速焦凍と2人で警察に届けたけれどやっぱり気持ち悪い。

    『大丈夫だ、勝己は俺が守るから』

    『ン、…やっぱり早く焦凍のモノになりたい。うなじを焦凍に噛んで番にして欲しい、そしたらもう誰も俺に手出ししなくなるのに』

    +++

    (それはどうだか)

     俺の胸に頭を乗せて目を閉じた勝己の身体を撫でながら考える。

     勝己は自分がスペシャルランク、スリープラス付きのオメガだから狙われると思っているけれど、そんなランクを狙ってくるのは各国の要人ぐらいで、実際は勝己がすげぇ可愛いから狙われているのだってことを全く自覚できない可愛い恋人にどうやって【可愛い】を解らせたらいいのか、

     好きな入浴剤に包まれて幾分気が晴れたのだろう、白い肌をピンクに染めあげてお湯に浸かる勝己は、甘くて柔らかくてそのまま溶けてしまいそう。可愛い、可愛い、こんなの定期で立っちまう、俺のモノが立ち上がっているのに気がつくと、

    『今夜は俺のスペシャルメニューで焦凍を良くしてやるから覚悟しておけ』

     なんて、恥じらいを必死に隠しながらいう勝己を前に俺は今夜もスゲェ我慢をしなくてはなんねぇの、たまんねぇよなマジで。





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