「もう取り憑かれるなよ」そう言ってkkは僕の右手からいなくなった。
般若を倒し怪異を止めたことで未練がなくなったのだろう。
良かった。
暁人は素直にそう思った。
最期に彼から頼まれた大切な頼みを叶えなければならない。そうはいってもどこから手を付けたものか。普通の大学生にとって人探しは難しい。
他に行く当てもないのでアジトに向かう。ここに来るのは凛子からこれを預かって以来だろうか。片付ける者が戻らない部屋の空気は淀んでいる。まぁ、KKが生きてても変わらないか。と暁人は独りつぶやき窓を開ける
何か人探しのヒントになりそうなものがないか探しながら部屋を片付けていると、突然部屋の電話が鳴った。もしや…と叶うはずのない期待を込めて受話器を上げると唐突に音声が再生された。
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