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    ぐ@pn5xc

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    Twitterでとこのべさん@tokonobe75が七海の元カノが恋愛相談するとしたらとお話されていて、書きました😊サラリーマン時代の七は絶対モテたはず、でも… 2023.1.13

    #七五
    seventy-five

    七海の元彼女のお話 今お付き合いしている彼のことなんですが、見た目は完璧。デートのときも完璧にエスコートしてくれて友達にも羨ましいって言われています。でも私の話は聞いてくれるんですが、彼自身の話はあまりしてくれないんですよね。この間ベッドの後で何故か遠い目をしている彼を見てしまい、そういえば彼の心からの笑顔を私は…


     その後、違和感を抱えながらも彼女はお付き合いを続ける。時々問い正しても「そんなことはないですよ」と静かな笑顔で躱される。彼女が疲れているとき彼は甘いものを買ってきてくれる。高級なものが多いが何故かコンビニスイーツなども買ってくる。彼女は実は甘いものはそう得意ではない。何回目かにそれを伝えたとき、彼は一瞬黙った後ひどく狼狽してしまった。
    「そうでしたか…」
     口元を覆って背けた顔は何故か赤くなっている。彼女は焦って「そんな気にしなくていいのよ。嫌いってわけじゃないんだし」と言いながら、今まで見たことがなかった彼の表情に目を奪われる。何故かわからないが胸の奥がツキンとする。
    「女の子は甘いものが好きな子多いものね」そう言うと、
    「そうですね…女性は…そうですね」と言ったきりまたあの遠い目だ。
    「いえ、スミマセンでした。無理をしないでください」とこちらを向いた彼の顔はもういつものそれだった。

     それから何日か後、誕生日を控えた彼女は「ねえ、お花を買ってよ。誕生日に大きなブーケをもらうの、私、夢だったんだ」と丁度通りかかった花屋に「下見、下見」と彼と入る。色とりどりの花を見ながらはしゃいで彼を振り返ると、彼は白い薔薇の前から動けなくなっていた。静謐な花弁を今にも触りそうに、しかし何かを耐えているようにじっと見ている。近くにある作業台には花に似合いそうなブルーのリボン。彼はそれには触れて、「建人?」声をかけた彼女にハッとしたように向き直る。
    「出ましょうか」

     それからすぐ、彼女は彼に振られてしまった。
    「誕生日に貴女に花束を贈ることは出来ません」
     スミマセンと頭を下げる姿に
    「いいの。何となくね…そうかなって、思ってたから」
     翠の瞳と金の髪のこの男を手放すのは惜しい。ほんと惜しい。だから、いるんでしょ?心の奥に誰かが、とは言ってやらない。
     その人に花束を渡してその人の笑顔を見たとき、私の知らない笑顔をあなたはするんでしょ。
     早くそうなればいいわねとも、幸せを祈ってるとも言ってやらない。その笑顔を私が見られなければもう私には関係ないことだから。

     冷蔵庫に残っていた彼からもらったコンビニスイーツを捨てた。少しだけ泣いた。
     あー、ほんとにいい男だったわ。
     でも仕方ない。明日も仕事だ。




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    513friday

    DOODLE1/18
    貴方が出したCPシチュガチャは…
    10秒間キスしないと出られない部屋に閉じ込められ、攻めが受けにするものの、受けの息が続かなくて9秒で止まる えだひのきのカリ烈です、おめでとうございます!
    #CPシチュガチャ #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/970270

    やっと書き終わった
    後、出られるとは言ってないです
    △△△

     入ってくる光の量が目覚めたばかりの目には多くてチカチカする。窓のカーテンを閉め忘れて寝たらしい。
     昨日は、確か……。
     思い出そうとすると頭がズキズキ強く痛みだす。二日酔いか? 神父として、寝酒で深酔いするとは情けない。
     反省して、頭をスッキリさせようと身体を起こすと首がビキッと鳴る。床で寝ていたのか背中や腰も固まって鈍く痛い。どれ程、眠りこけていたのだろう。
    「カリム! やっと、起きたか☆」
     ぼやける視界に力を込めると、物がハッキリ見えてきた。鼻と鼻が付く距離まで近づき覗き込むレッカが、安堵した表情でカリムが目覚めた事を喜ぶ。
    「随分と目が覚めなくて、心配したんだぜ? 」
     不安からかレッカの凛々しい眉毛がなかなか上がらない。
     だが俺は何故レッカが"俺の部屋"に居るか、の方が気になる。
    「うるさいぞ、レッカ」
     頭に響いて響くだろ。興奮したレッカの暑苦しい声は現場の何処に居てもすぐ分かる程に大きい。余程に心配させたのは悪いと思うが、目の前で耳の鼓膜が破れそうな程の声を張らなくても聞こえている。
    「カリム、驚かずに聞いてくれ。俺たちは閉じ込められているんだぜ! 」 4461