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    yamaikaumi

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    yamaikaumi

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    学パロ

    イルミ(←)夢女
    アダルトリオ

    少し気になる人がいる。私の席から右斜め2席前にいる長い黒髪で身長の高い何考えてるかわからない人。黒々とした瞳をしている彼は人形みたい。つまらない授業、私と黒板の中継点にいる彼を見つめる。後頭部と手元が少ししかみえないけど不思議と私は彼に釘付けになっている。いつも肘ついて頬に手を当ててノートを取ってはつまらなそうにペンを回している。彼の後ろの派手な髪の友人に髪をいじられていてもあまり反応をしない。派手な髪の友人は私の隣の席の文学男子に何かハンドサインを送っていた。授業が終わったあと、派手な髪の友人に「授業中にちょっかいださないで鬱陶しい」と言っていた。真面目なのかと思った。

    放課後。いつも通り心地の良い空調設備がある図書室に向かう。まだジリジリとセミが鳴いて中庭のアスファルトは揺らめいている。見ているだけで臓器が溶けそうな暑さ。その中庭に気になる彼と派手な髪の友人と隣の席の文学男子がいた。ホースとバケツを持ってきて、水鉄砲を数本と水風船を大量に用意していた。彼も友達同士だとそういう事するんだ。
    図書室の窓沿いの椅子に座り、本を広げる。少し開いている窓からセミの鳴き声や部活の掛け声に混ざり中庭で水遊びをする彼らの声が聞こえる。いつもなら本の世界に入り浸れるのに今日は彼らの声が気になってしまっている。誘惑に負けて窓の外を見る。
    隣の席の文学男子は、教室だと絶対に見せないような楽しそうな顔で水鉄砲を2本構えて2人に向けて放っている。バケツの中にある水風船を手榴弾のように不意打ちで放ったりして避けたところを水鉄砲で撃つようなことをしていて戦場感を出している。
    派手な髪の友人は、普段おろしている髪を後ろで縛っている。水風船をいくつも手に持ってお手玉のように扱い、それを豪速球で投げたり同時にいくつも投げて雨のように降らせたりしている。途中で濡れたワイシャツを脱いでタンクトップになっていた。
    気になる黒の長髪の彼は小さい水鉄砲のトリガー部分に小指をかけて二丁拳銃スタイルだ。文学男子のように水風船を投げて避けたところを持ち替えた2本の水鉄砲で素早く撃つ。水鉄砲を持ち替えている手は授業中ペンを回している姿を少し思い出した。手先が器用なんだ。見蕩れていると高い位置で結ってある濡れた髪の束を持ち、それをずる〜っと毛先にかけて絞った。不意に見えた普段見えない濡れた首筋にドキッときた。
    まだ図書室が閉まるには早い時間だけどこのままだと集中が出来ない。それは本に対して失礼なので荷物をまとめて外に出る。相変わらずジリジリとセミは鳴いている。帰るには中庭を通らないと校内からは出られない。遊んでいる3人の邪魔にならないように校舎の影の下を歩く。時間はあるしどこか寄り道して帰ろうかなと考えていた横で日向の方から大声がした。
    「あっ!ヒソカ!そこ避けたらダメだっ!!」
    その声の後、私の左半身は濡れていた。水風船が肩に、追い打ちをかけるように水鉄砲が腹の辺りに撃ち込まれてた。日向の方から3人が駆け寄ってくる。さすがに3人に囲まれると自分がとても小さく感じる。
    「大丈夫?じゃないよね。ごめん、うちのヒソカが……」
    「ンン?攻撃したのはイルミじゃないか♣︎」
    「とにかくごめん!えーと……」
    「クロロの隣の席の子だよね♢ 巻き込んじゃってゴメンネ」
    「あー、そうだ!隣の」
    教室にいる時とは別人みたいなクロロさん。そのままお喋りなヒソカさん。そして軽快に話しているのに表情が読めないイルミさん。私の頭上で会話が広がる。濡れたところが日陰にいるからか冷たい。身震いがしてくしゃみをひとつ。頭上の会話が一瞬切れる。
    「ごめん、オレが濡らしちゃったんだし…ちょっとまってて」
    イルミさんが濡れたまま校舎内に走っていった。クロロさんとヒソカさんはとりあえず乾かすように日向に誘導した。1分ぐらいでイルミさんが帰ってきた。
    「ちょっとそのままにしておいて欲しかったんだけど、日焼けしちゃうじゃん。はい、これ。オレのジャージ使って」
    すごいダッシュをしたのに全然息があがってないのも驚いたし、日焼け止めは塗ってるから大丈夫だけど、そんな心配するなんて思わなかった。ずいと出されたジャージを受け取れないままでいる。
    「……♢ キミ、それ着たほうがいいよ♡」
    「ホントだ。大人しく受け取っておいたほうがいい」
    私を見下ろした2人に言われた。でもこんな炎天下の中で長袖ジャージは……。少し考えようと俯く。濡れたシャツがピッタリと肌にくっつき下着のラインが見えていた。ぶわっと足元から恥ずかしさが駆け上がる。おずおずと震える手をのばしてジャージを受け取る。チャックを開けて手を通すと案の定とてもでかい。丈は長くスカートは半分覆われて袖からは手が出ない。
    「なんか犯罪臭あるね♠」
    「ヒソカのでもクロロのでも変わらないでしょ」
    「オレならまだマシじゃないかな」
    「あ、これ、お詫びのアイス」
    校内にあるアイスの自動販売機で買ってきてくれたみたい。取ろうと袖から手をもそもそと出す。アイスを受け取って一言お礼を言って立ち去ろうとする。このままだと男子高校生が出してはいけない色気に耐えられない。
    「洗わなくてもいいからまた今度、返して。今日は本当にごめんね。気をつけて帰って」
    少し濡れた手で頭をぽんぽんとされて放置されてた残りの水風船とかがある日向に戻って行った。
    腕まくりをして貰ったアイスを溶けないうちに食べる。夏風が私を横切っていく。貸してもらったジャージから普段嗅がないような不思議な匂いがした。
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