プロローグ的な何か もし、あなたが、この超人社会と言われる混乱渦巻く世の中で、命がけで人々を守り、決して悪に屈することのなく闘う存在を「ヒーロー」と呼ぶのであれば、そして、ヒーローとは須らく「強く、明るく、美しい」存在なのだと言うのであれば、これから私が語る内容は、到底信じることの出来ない退屈な作り話だと思うだろう。
私もヒーローの端くれではあるが、万人が思い描くヒーローとしての外見を持って産まれはしなかった。超人と言われる個性をもった赤子が誕生してから、多様を認める風潮が強くなり、存在しやすくなったとはいえ、人間離れした容姿の個性を持って産まれると、ヒーローという職業を手にしても尚警戒や嫌悪の対象になりやすい。
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