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    うすきみ

    @otaku_noname_1

    七海建人の沼にハマっております
    七海×夢主中心に書いてます

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    うすきみ

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    #七海建人
    sevenSeasBuilders
    #七海夢
    sevenSeasDream

    愛の言葉はデンマーク後で告げられる「jeg elsker dig」
    「へ?」
    任務が終わり、帳の外に出ようとすると七海が後ろから声を掛けてきた。でもなんて言ったか分からない。
    「なんて?」
    「jeg elsker dig です」
    「え、何語?」
    「デンマーク語です」
    七海はスタスタと私を追い越していく。
    「なんて意味?」
    「それは自分で調べてください」
    「えぇー。私日本語も危ういのにー」
    頭を掻きむしる私を見て七海は鼻で笑う。
    「せいぜい頑張ってください」
    そう言って七海は私を残し帳を出ていく。
    私は悔しさに顔を歪めながら、彼の後を走って追いかけた。


    任務の合間の空き時間、同期のいる医務室のソファで一人寛ぐ。
    「硝子、デンマーク語わかる人知らん?」
    「は?七海に聞けばいいだろ」
    「七海じゃダメ。教えてくれない。てか、七海に言われた」
    「なんて?」
    「ヤ……なんだっけ?」
    「ダメだな」
    硝子はため息をついてデスクに向き直る。
    英語ならともかくデンマーク語じゃわかる人なんていないよね。なんて言われたかなんて全く検討もつかない。
    「もしかして悟ならわかるかもな」
    「悟?」
    「あぁ。あいつあれでも五条家当主だから、そういう勉強「呼んだ!?」
    「「……………」」
    あまりのタイミングの良さに恐怖を覚える。
    「何何?僕の話?」
    悟はご機嫌な様子で私の隣に座る。
    「悟、デンマーク語わかる?」
    「少しなら分かるよー」
    本当にわかるんだ……五条家当主凄いな。
    「でもデンマーク語なら七海に聞いた方が良くない?」
    「七海に言われたんだと」
    硝子がこちらを向き煙草に火をつける。
    「へぇー。なんて言われたの?」
    「ヤ……ヤイなんたら」
    「やっぱりダメだな」
    呆れてため息を付く硝子。悟は顎に手を当てて考えている。
    「ねぇ、もしかしてjeg elsker dig?」
    「そう!それ!」
    「ぷはっ!マジか」
    悟はお腹を抱えて笑いだした。
    「え?なに?もしかして何か馬鹿にされてたの?」
    「違う違う。それはない。でも七海も拗らせてんねー」
    悟の言葉に硝子は何か思うところがあったらしく、ニヤリと笑った。
    「ゆめ、それやっぱり自分で調べた方がいいよ」
    「え?何で?」
    「僕は意地悪だからね。七海に有利に働くような事はしなーい」
    全く意味がわからない。私がこの言葉が分かると七海に有利になるの?
    「意味わかんない」
    「まぁ、他のやつに聞くんだな」
    「七海は絶対教えてくれないと思うよ」
    「そうだな」
    二人は顔を見合せて意味ありげな笑みを浮かべる。
    「ところでゆめ、お前そろそろ任務だろ」
    「あ、そうだった」
    「気をつけてな」
    「いってらっしゃーい」
    「はーい」
    私は二人に見送られ医務室を後にした。

    「悟、あれどんな意味なんだ?」
    「jeg elsker dig。デンマーク語で『愛してる』だよ。ホント七海の拗らせもここまでくると凄いね」
    「ゆめは鈍感だから日本語で伝えないと伝わらないぞ」
    「僕もそう思うよ。でもゆめも七海の事好きなんだし、何とかなるんじゃない?」
    「なるといいけどな。ゆめは変なとこ抜けてるからな」
    「そこが可愛いんだけどね」
    「まぁな」


    二人に見送られ校庭に出ると、既に伊地知くんと一緒に任務に着く猪野くんが校門で待っていた。
    「おまたせ!」
    「いえ、大丈夫ッス」
    「時間ピッタリですよ。では行きましょうか」
    伊地知くんに促され二人で後部座席に乗り込む。すると猪野くんがソワソワと何か聞きたそうにしている。
    「どしたの?」
    「あの、梨藤さんは七海さん知ってますか?」
    「七海?知ってるよ。一個下の後輩」
    「やっぱり!」
    猪野くんはキラキラした目で私を見つめる。
    「最近七海さんとよく任務一緒になるんすけど、七海さんかっこいいですよね!あの大人な感じがいいっす!マジリスペクトっすよ!」
    だいぶ興奮して話をする猪野くん。
    その様子をミラーでちらっと見た伊地知くんが苦笑いしている。
    「七海さんの好きな物って何すか?昔はどんな感じだったんすか!?俺まだデンマークのクウォーターって事くらいしか知らなくて、もっと七海さんのこと知りたいんすよ」
    こちら側に身を乗り出して話す彼をそっと押し返す。うん。猪野くんがどれだけ七海をリスペクトしてるかはよく分かったよ。
    「昔も今もあんまり変わんないよ?まぁ、昔よりはゴリラになったけど」
    「え?昔はどんな感じだったんすか?」
    「高専の頃はもっと線が細くて華奢な感じだったよ。それでも術式はゴリラだったけど」
    彼は「ほぉー」と目を瞑りながら頷く。想像でもしてるんだろうか。
    「高専の頃からパンはよく食べてたかな。あと、優しいのは昔からだし、何気に気遣いの人だよね。私が風邪ひいた時とか、任務で怪我した時とかいつも一番に来てくれたのは七海だったな」
    「………」
    「誕生日とかプレゼントくれたり、ホワイトデーも美味しいお菓子とかピアスとかくれたしねー」
    「梨藤さん、マジで言ってます?」
    「え?何が?」
    私の返しに猪野くんは「マジか」と項垂れた。なんだろ?ま、いっか。
    「そういえば、猪野くんデンマーク語わかる人知らない?七海以外で」
    「え?何すか急に」
    「いいから!」
    「俺少しならわかりますけど。七海さんを知ろうと思って今勉強してるんすよ」
    ……ここまでくると猪野くん怖いよ。
    「えっと、ヤイエルスなんたらってどういう意味?悟に聞いたけど教えてくれないんだよ」
    「…………それ誰に言われたんすか?」
    「え?七海」
    「……七海さん可哀想……」
    今度は両手で顔を覆って項垂れる猪野くん。私には何が何だかさっぱりわかんないんだけど。
    そんな話をしているうちに任務地へと到着する。任務自体は、報告より低級の呪霊だったため直ぐに祓い終わった。
    「梨藤さん」
    帳を出ようとすると猪野くんに呼び止められる。
    「さっき言ってたデンマーク語、jeg elsker digですか?」
    「そう!それ!どういう意味?」
    「愛してるって意味っすよ」
    「へ?」
    「それといくら優しい人でも、好意のない異性にプレゼント渡したり、看病したりはしないっす。それってそういうことですよ」
    そういうこととは?私が首を傾げていると、猪野くんが焦れったそうに言う。
    「七海さんは梨藤さんのこと好きなんすよ!じゃなきゃデンマーク語で愛してるなんて言わないっす!」
    え?七海が?私を?そんな……。
    その時、医務室での会話が思い出される。
    『僕は意地悪だからね。七海に有利に働くような事はしなーい』
    有利ってそういうことか!!全てが一本の線で繋がると、私の顔は真っ赤に染まっていく。
    「はぁ。七海さん今日任務終わったら高専寄るって言ってましたよ。今から帰れば会えるんじゃないんすか?」
    「うん……」
    私の返事に猪野くんは少し呆れたような笑みを浮かべた。


    その後、猪野くんが話す『七海の素晴らしさ』を聞きながら高専へと到着する。伊地知くんと猪野くんはそれぞれ次の任務へと向かい、私は報告書を書くために談話室へと向かった。
    談話室のドアを開けると、ソファでノートパソコンと睨めっこしている七海がいた。
    『七海さんは梨藤さんのこと好きなんすよ!』
    猪野くんの言葉を思い出し、顔が一気に熱くなる。
    「お疲れ様です。どうしてんですか?」
    入口に立ち尽くす私を気遣い、七海が声をかける。
    「あ、うん。おつかれ。何でもないよ」
    私は静かに息を吐き、七海の隣に座る。
    「…………なぜ隣に?」
    「あ、えっと………」
    「?」
    「ヤ、jeg vil have dig」
    「なっ!?」
    帰りの車内でに猪野くんに教わったデンマーク語を伝えると、七海が顔を真っ赤にした。
    「……誰に教わったんですか?」
    「猪野くん……」
    「……意味、わかって言ってますか?」
    「うん……この前のも分かった……」
    「……そうですか」
    そう言うとフワッと七海の香りが私を包む。
    「もっと時間が掛かるかと思ってました」
    「ん?馬鹿にしてる?」
    「いえ、あなたのそういう所も好ましいので」
    「…………」
    「もう逃がすつもりもありませんでしたし」
    「…………」
    「愛してます。私の傍にいてくれますか?」
    「うん……いる」
    七海の綺麗な瞳が私を見つめる。彼のゴツゴツした手が私の顎を掬い、唇が重ねられる。
    「jeg vil også have dig」
    「あげる……私の全部」
    もう一度唇が重なり、七海が優しく微笑む。
    「この後と明日の予定は?」
    「今日は終わり。明日は午後からだよ」
    「でしたらもう帰りましょう。私は明日休みです」
    それは、そういう事……だよね?七海を見上げると舌打ちが聞こえる。
    「そんな顔で見るな。我慢出来なくなる」
    「そんな顔?」
    先程とは違い、食べられてしまうような口付けが私を襲う。
    「十年我慢したんだ。覚悟しとけ」
    「え?」
    七海はさっさとノートパソコンを仕舞い、私の手を引き立ち上がる。
    「帰りますよ」
    「え?え?」
    「ここで襲われたいですか?」
    「え?やだ」
    「なら行きますよ」
    眉間に皺を寄せて歩く割に優しく私の手を握る七海に少し嬉しくなる。
    「七海」
    「なんです」
    「私も愛してるよ」
    私の言葉に歩みを止める。
    「……わざとですか?」
    「ん?」
    こちらを振り返ると、目元を押えてため息をつく。
    「後で覚えておけ」
    「へ?何を!?」
    何も分からない私の手を引いてずんずん歩いていく七海。それでも歩幅を合わせてくれているのに胸が温かくなるのを感じた。




    「…………動けない」
    「すみません……流石にやりすぎました」
    「………しばらくしない」
    「や、それは!今度はちゃんと加減します!」
    「………どんだけしたいんだ………」
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    Replies from the creator

    うすきみ

    DONE眼鏡をかけ始めた後輩夢主と見惚れちゃう七海のお話

    SpecialThanks! 蒼月様
    見惚れてました「それ、どうしたんですか?」
    次の任務の為に待機室で待っていると、同行する予定だった七海さんがやって来て、開口一番にそう言った。
    「それ、とは?」
    「眼鏡ですよ」
    私が聞くと、彼は私を見つめたまま言う。
    「あぁ。これですか。先日の健康診断で引っかかりまして。確かに見えづらいなとは思っていたので、昨日の休みに買ってきました」
    「……そうですか」
    そう言いながら、七海さんはサングラスをカチャリと直す。そんなに変だったかな?
    「変ですか?」
    私が聞くと、彼は「いえ」と一言だけ言い、待機室を出ていく。私は不思議に思いつつも読んでいた本をしまって、彼の後に続いた。
    七海さんは私の二つ上の先輩で、学生時代は余り接点は無かった。私が卒業して呪術師として任務にあたるようになってからも、相性のせいか余りアサインされることも無かった。だがここ数年、私が一級に上がってから特級任務や潜入任務などでアサインされる事が増え、食事に誘われたりする事も増えた気がする。高専でも人気御三家だし(残りは言わずもがな五条さんと夏油さんだ)大人で素敵だと思うけど、いまいち掴みきれないところがあって(表情変わらないし)私的にはあくまで『先輩』だ。
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