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    karangonn

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    甘いいずレオを書こうとしてたはずなのに後悔してるんだかしてないんだかよく分からなくなったうえ解釈違いの方向に進みそうで修正しようがなくなってしまったので供養

    #いずレオ
    izuLeo

     例えば、たくさん並んだパンの中から選び取る一つだとか、色とりどりのお皿の中から掴み取る一皿だとか。お花屋さんをとおり過ぎた時にふと目に入る一輪だとか、練習を見ている時に声をかける後輩だとか。
     望んで横に立っているけれど、そういった違いが愛しいと思えない時が、煩わしくなってしまう時がある。それはきっと間違いなく俺の悪いところだし、直すべきところであると、そう思っていた。自分を変える気なんてさらさらないが、そんな微かな不和を積み重ねた結果また失うくらいならといった考えがあるのは確かだった。口では今更その程度で心変わりなんてありえないでしょと言っておきながら、結局理解しきることのないその心の内側に入ることを恐れている節があった。もうステージから逃げるかもしれないなんて思わないけれど、いつ何がきっかけで壊れるかなんて分かったもんじゃない。少しずつ、不穏な噂が溜まっていく度に胸のすき間にも何かが溜まっていた。言葉を交わして、笑顔を交わして、想いを交わして、大丈夫だと思っていたのと同時に、認めたくはないけれど一度崩壊を知ったことからくる恐れが耳の後ろに確かにあった。そうして時々囁くのだ。今のままで良いのかと。

     けれど、視界の端に静電気が走るようなそれに向き合うことは一度もしなかった。まだそれがしつこく自分の中にあることを直視するのが嫌だった。あの時とは違うのだと、隣で笑っているこいつを見ないようなふりはもうしたくなかったから。目の前に立っている互いが見えずに崩れ落ちてしまうことを繰り返したくなかったから。全部事実だ。嘘なんて一つもない。
     傷つけたくないと言った口で馬鹿と罵った。必要なことを示した態度で一人以外は視界に入っていないようなふりをした。そういう性質だし、素直に全部を伝えられるならセナじゃないとまで言わしめたのだから訂正するつもりもない。これに関しては後悔もしていない。けれど。

     自分が外に出した何がどうなろうとそれは俺自身だから構わない。もちろん間違えていることや未成熟な部分はたくさんあるからそれを受け止めて進化させることは厭わない。
     ──そうではなくて。誤って伝わったのならその時くらいは横の壁を見ながらかもしれないけれど、しっかりと訂正して、その後は好きだと笑っていたホットミルクを手渡して温めてあげようと、そのくらいの心算はあった。実際フィレンツェに二人で渡ってからこっち、何度も何度も同じ様なことはあったのだ。やれ今食べたいパンはそれじゃない、やれそのお皿はもう殆ど同じのがあるぞ、おれが見てたのはその花じゃない、そいつはもう踊れてるだろ、だのとやかましかった。
     ふわふわとした刺激的な夢に包まれていたいだけのように人によっては見えるこいつは、その実しっかりと現実が見えている。理想と夢を押し通すために無茶をする時と、してはいけない時の線引きはもしかすると、Knightsの中の誰よりはっきりと引けるのかもしれないとさえ思う。
     そう。こいつはそういうやつなのだ。傷ついて、傷つけて、悲しんで怒りを持って疲弊して失望して。そうして見たくもなかった現実の中で、過去に輝いた宝物を綺麗なまま残しておくために、少し時間を置いた途端に行動に移せてしまうやつなのだ。戻ってきた王さまに対して何週間もまともに話せずにいた俺とは違う。話すことが出来ても本当に伝えたいと思っていることですら伝えられない俺とは違う。
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    karangonn

    MOURNING甘いいずレオを書こうとしてたはずなのに後悔してるんだかしてないんだかよく分からなくなったうえ解釈違いの方向に進みそうで修正しようがなくなってしまったので供養
     例えば、たくさん並んだパンの中から選び取る一つだとか、色とりどりのお皿の中から掴み取る一皿だとか。お花屋さんをとおり過ぎた時にふと目に入る一輪だとか、練習を見ている時に声をかける後輩だとか。
     望んで横に立っているけれど、そういった違いが愛しいと思えない時が、煩わしくなってしまう時がある。それはきっと間違いなく俺の悪いところだし、直すべきところであると、そう思っていた。自分を変える気なんてさらさらないが、そんな微かな不和を積み重ねた結果また失うくらいならといった考えがあるのは確かだった。口では今更その程度で心変わりなんてありえないでしょと言っておきながら、結局理解しきることのないその心の内側に入ることを恐れている節があった。もうステージから逃げるかもしれないなんて思わないけれど、いつ何がきっかけで壊れるかなんて分かったもんじゃない。少しずつ、不穏な噂が溜まっていく度に胸のすき間にも何かが溜まっていた。言葉を交わして、笑顔を交わして、想いを交わして、大丈夫だと思っていたのと同時に、認めたくはないけれど一度崩壊を知ったことからくる恐れが耳の後ろに確かにあった。そうして時々囁くのだ。今のままで良いのかと。
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     帰宅後は、ブロッコリーとミニトマトで簡易的なクリスマスツリーに見えるように盛り付けをし、ハムを星形にくりぬいて散りばめた。キャベツ、人参、たまねぎをくたくたになるまで煮たたせたコンソメスープも作ったので、これで今日の野菜摂取量とカロリーも大丈夫だろう。ここでシチュー系をリクエストされていたらカロリーオーバーになるところだった。主食は米かパンか悩んで、折角だからと帰りにパン屋に寄って中が軟らかそうなフランスパンを買った。もちろん既に食べやすい大きさに切り分けてある。オーブンを充分に温め、あとは仕込んでおいた鶏肉を焼けば、ローストチキンの完成だ。
     ……時刻はもうすぐ19時だ。これだけの量を食べるのならば、20時までには食べ終えておきたい。クリスマスだからといって自分を甘やかすほど能天気でもないのだ。ケーキは昨日ユニットでクリスマスパーティーをした時に、わざわざ凛月が焼いてきてくれたものを食べたのだから、本音を言えば今日は軽 2978

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     そんな小学生みたいなセリフと共に、一月二日、レオが羽子板を持って瀬名家へとやってきた。
    「はぁ? なんで俺があんたと正月早々羽根つきなんてしないといけないわけぇ? ……とりあえず寒いから中に入りなよ」
    「セナ、ありがとう! お邪魔しま~す」
     分厚いダウンを着ている癖に、鼻と頬をリンゴのように真っ赤にしたレオが玄関先に現れたら、何の用かはさておき、暖めてあげないと、なんて思ってしまう訳だ。
     勝手に廊下へと歩み出すレオに「コーヒー入れるから中で待ってて」と声をかけると「はーい!」と返事が聞こえて、瀬名の部屋へと入っていく。
     手早くインスタントコーヒーを入れ、自室へと戻ると、レオはちょこんとテーブルの前に座っていた。
    「はい、コーヒー」
    「ありがと~! あ~温まる……セナの入れてくれたコーヒー……霊感が湧きそう……」
     やれやれと、引き出しからさっとノートとペンを取り出し手渡すと、さらさらとレオは音符を紙に踊らせていく。しばらくそれを眺めながら、瀬名が口を開いた。
    「れおくん何しに来たの? 人の家に作曲しに来たわけじゃないんでしょ~?」
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