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    irir1015

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    うめこ

    MOURNING【小説】2ndバトル前、和解前さまいち①「落ち着いて聞いてください。イケブクロのバスター・ブロスが解散しました」

     左馬刻に最初にその報せを持ってきたのはチームメンバーである入間銃兎だった。

    「……あァ? 何言ってやがんだ、解散だぁ?」

     決して銃兎を信じていないわけではない。そもそも銃兎はこうした冗談を言う男ではないし、何より左馬刻とバスター・ブロスのリーダー、山田一郎との間に並々ならぬ因縁があることをよくよく承知している。
     そんな銃兎が敢えて左馬刻の地雷を踏みぬくような真似をするわけもなく、それが冗談ではないことなどすぐに分かった。
     けれど、疑わずにはいられなかったのだ。「あの」山田一郎が、あんなにも大切にしていた弟達とのチームを易々と解散するだろうか。それも、二度目のディビジョンラップバトルを目前に控えたこの時期に。

    「私も信じられませんよ。でもどうやら事実のようなんです」

     銃兎が差し出す端末に目を遣ると、一体どこから手に入れてきたのか、そこにはディビジョンバトルの予選トーナメント出場チームの一覧が記されていた。
     対戦表はまだ公表されていないはずだが、警察官のあらゆる権力を利用し各方面にパイプを持つ銃 9729

    うめこ

    TIRED【小説】2ndバトル前、和解前さまいち②思わずそんな言葉が出たが、詰ったところで一郎はこの有様だ。
     仕方なく濡れたタオルで身体を拭いてやると、腕や手のひらのあちこちに小さな擦り傷や切り傷、それに腹には小さな打撲痕があった。
     幸いにも大きな怪我はなかったが、心なしか頬がこけているように見えるし、唇も随分カサついている。どうやら長い間まともに栄養を摂っていなかったらしい。医者ではない左馬刻にすら一目で分かるほど、一郎の状態は散々だった。
     何か食べ物を取らせなければいけないのだが、当の一郎は未だ眠ったままだ。

    「一郎、オイ、起きろ」

     ペチペチと軽く頬を叩いてみても、一郎は苦しそうに荒く呼吸を繰り返すばかりで固く閉じられた瞼はピクリとも動かなかった。

    「ったく、ふざけんじゃねぇぞ」

     怒りというよりも愚痴るようにそう零すと、汗で濡れた額に張り付く黒髪をおもむろに掻き上げた。
     髪の生え際を指の腹でなぞりながら、観察するように一郎の顔をじっと眺める。TDDが解散して以降、一郎が左馬刻に見せるのはありったけの嫌悪を剥き出しにした怒りの表情ばかりだ。
     だから、こうして眉を寄せていない一郎の顔をじっくりと見るのは随分と久し 5640

    うめこ

    MOURNING【小説】サマへの好きを拗らせているイチと、イチが他の男を好きになったと勘違いしてるサマが2人で違法マイクを回収する話②
    ※H歴崩壊後
    ※名前があるモブ♂が出張ります、モブいちっぽい瞬間がありますがサマイチの話です。
    へまをするつもりはないが、失敗すれば相手の術中にはまる可能性だってある。家族を――二郎や三郎のことを忘れてしまうなんて絶対に嫌だ。けれど、自分がそうなってしまう以上に左馬刻が最愛の妹、合歓を忘れてしまうことが恐ろしいと思った。
     左馬刻は過去、中王区の策略によって合歓と離れ離れになってしまった。あの時は一郎もまたその策略に絡め取られて左馬刻と仲違いする結果になったが、一郎が弟達を失うことはなかった。
     それが誤解の上の擦れ違いだったとしても、あの時左馬刻にされた仕打ちはやはり許せない。けれど、あの時左馬刻が世界でただ一人の家族と離れ離れになってしまったのだと思うと、なぜだかこの身を引き裂かれるように辛くなった。
     一郎がこんなことを考えていると知れば、きっと左馬刻は憤慨するだろう。一郎のこの気持ちは同情などではないが、それ以外の何なのだと問われても答えは見つからない。
     左馬刻は他人から哀れみをかけられることを嫌うだろう。それも相手が一郎だと知れば屈辱すら感じるかもしれない。「偽善者だ」とまた罵られるかもしれない。
     それでも左馬刻が再び家族と引き裂かれる可能性を持つことがただ嫌だと思 10000