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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック③
    延長戦
    まだ付き合ってないむざこくでセックスしないと出られない部屋

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    まだ付き合ってないむざこくでセックスしないと出られない部屋「無惨様、無惨様!」
     先に目覚めた巌勝は意識のない無惨を揺すり起こした。
    「継国……?」
     がばっと起き上がり、無惨は巌勝の腕を掴んだ。
    「ここは?」
    「解りません……どこにも出入り口がなくて……」
     安全を確保する為に部屋中見て回ったが、簡素なワンルームマンションのような部屋で、ご丁寧にシャワーブースと洗面台、トイレまで設置されているのに窓と出入り口だけが存在しないのだ。
     扉は全てスライド式でドアノブが存在せず、無惨と巌勝はスーツ姿のままだが、ベルトやネクタイは外されている。首吊りなどの自殺を防ぐ為だと勘付いた無惨は舌打ちする。
     しかも部屋の隅々に監視カメラも設置されており、スマホや護身用のピストルも全て回収されていた。
    「産屋敷の施設か?」
    「いえ……私もこのようなものがあるとは聞かされていませんでした」
     巌勝は産屋敷家の私兵部隊「鬼殺隊」出身で、最高位の柱のひとつ「月柱」を務めた男だった。
     そんな男が産屋敷家を裏切って無惨についたのだ。その報復だと無惨は考えたが、未だ産屋敷家と繋がっていて無惨を陥れる為の2重スパイを続けている可能性も捨てきれない。
     注意深く巌勝の様子を見ていたが、シャワーブースの換気口から出られないか等、必死に脱出の方法を探していた。
    「そう動くな、腹が減るぞ」
    「ですが……」
    「どちらにしても私が24時間以上行方不明になると、警察に連絡が行くだろう。気長に待つぞ」
     無惨は壁に凭れて、ぼんやりと反対側の白い壁を見つめていた。
     何か暇を潰すものはないか。スマホがなく、祖父から譲り受けたパテック・フィリップの腕時計も取られた。時間が確認出来ないので時の流れが異様に長く感じる。しかも胸ポケットの万年筆まで抜かれている。あれはモンブランの限定品なので、万年筆だけでも絶対に返して欲しいと大きな溜息を吐いた。
    「耀哉め……」
     舌打ちして忌々しそうにその名を言う。
    「……随分と親しげに名を呼ぶのですね」
     巌勝は無惨が「耀哉」と名を呼ぶ度に妙に苛立つのだ。普段はその感情を口にすることはないが、極限状態の為か、つい口に出してしまった。
    「は? 何を言っている。従兄弟なのだから名前で呼ぶくらい……」
     そう言い返した瞬間、無惨は気付いた。こいつは耀哉のことが好きなのだ、と。
     結局、こいつは耀哉と切れていないから、今回のことも、こいつの持ち込み企画かと思ったら余計にイライラしてきて巌勝から顔を背けて立ち上がった。
    「どちらに……」
    「トイレ!」
     個室があって助かったと思い、トイレに入って鍵を締めた。どうして自分がこんなことに……とイライラしながら、つい癖で煙草を取ろうと懐に手を入れるが勿論煙草も没収されている。
    「クソッ!」
     トイレの壁を叩こうとした瞬間、ふと便器の蓋が視界に入り、その上に黒い封筒が置かれていることに気付いた。
    「継国!」
     封筒を持って無惨はトイレを飛び出た。
    「こんなもの、さっきはあったか?」
    「いえ……気付きませんでした」
     二人は部屋を見渡したが、人が出入り出来そうな扉や窓は存在しない。
     恐る恐る中のカードを取り出す。しかし、そこに書かれていた文章を見て二人は素で固まった。

    『24時間以内にセックスすれば、この部屋から出してやる』

    「耀哉ぁ! 出て来い! ぶっ殺してやる!!」
     無惨は大声で叫び、カードを握り潰した。馬鹿馬鹿しいと舌打ちしてカードを破って床に投げ捨てたが、巌勝は壁を指差し、目を見開いた。
     何も無かった筈の白い壁にデジタル時計が映し出されている。残り時間が表示されているようで、残り時間は刻々と減っていく。
    「こんな馬鹿げた話があるか! それにどうして私が継国と……」
     無惨が怒りながら、ビリビリに破ったカードを踏みつけた。
     怒りはご尤もなのだが、無惨の怒りが肥大するごとに巌勝の心が痛むのだ。
    「そりゃ無惨様は私のような男としたくはないですよね……」
     今日はやけに本心が口から出てしまう。そんな女々しさが余計に無惨を苛立たせているとも知らずに。
    「馬鹿なことを言うな! お前とヤるのが嫌なのではなく、その忌々しい監視カメラの前でするのが嫌なのだ!!」
     え?
     巌勝は固まった。無惨本人は怒りに任せて言っているので、自分がとんでもないことを言ったことに全く気付いていない。監視カメラに向かって「耀哉、出て来い!」と叫んでいるだけで、キュンと胸をときめかせている巌勝を全く見ていない。
    「無惨様、あの……」
    「お前だって私とヤリたくないだろう? 耀哉が好きなのだろう?」
    「どうしてそうなるんですか!!」
     こればかりは巌勝もキレた。無惨に全てを捧げるつもりで、あの産屋敷家を裏切り、この身ひとつと産屋敷家の裏帳簿を持って、やってきたのだ。
    「私が耀哉様のことが好き? 寝言は寝て言って下さい!」
    「だったらお前は何故私のところに来た!?」
    「無惨様が好きに決まっているからですよ!」
     え?
     今度は無惨が固まった。別に巌勝から、こんな言葉を聞き出す為に煽ったわけではない。寧ろ耀哉と繋がっているボロを出させる為だったのだが、思いも寄らず告白されてしまい、気まずさで無惨は目線を逸らした。
    「……私は出会った時から無惨様が好きです。なので、無惨様をお救いする為なら、この身、如何様にしていただいても構いません」
    「おいおいおい……」
     スーツを脱ぎ始める巌勝を止め、無惨はじっと巌勝を見つめる。無言で見つめ合うと、巌勝は思わず耳まで真っ赤になる。
    「あの……あまり見つめないでいただけますか……」
    「嫌か?」
    「いえ、そうではなく……お顔が美しすぎて……未だ耐性が出来ていないので……」
     無惨は目を丸くして、巌勝を見つめている。
    「継国……」
    「巌勝と呼んで下さい」
     頬を赤く染め、瞳を潤ませる巌勝を見て、無惨も言葉を詰まらせる。
     無惨もこの巌勝のことは気に入っている。見た目も美しく、能力が高く、こうして無惨に対する忠義が厚いところを好ましく思っていたが、まさか、このような恋心まで持ち合わせているとは思わなかった。
     別に巌勝が望むなら抱いてやっても良いと思っていたので、こうして互いの想いが確認出来たのなら……と思い、無惨がゆっくりと唇を近付けると、けたたましい警報音が鳴り響いた。

    『ルール変更です。部屋から出て下さい』

     機械音声がそう告げ、何もなかった壁が開いた。
    「少々お待ちを」
     巌勝は先に出て、外に刺客がいないか確認し、無惨の手を引いた。
     細い地下通路を歩き、階段を昇って出た先は高層ビルの裏路地で、振り返ると扉はなくなっていた。
    「一体何だったのだ……」
    「解りません。しかし、暫くは用心した方がよろしいかと」
     因みに無惨が気にしていた時計、万年筆、スマホなどは翌日、無惨の事務所宛てに差出人不明で届けられた。指紋等色々調べたが何も出ず、宅配業者を使わずに届けられているが、防犯カメラにそれらしき人物は映っていなかった。
     その路地を抜けると、日常的な東京の街並みへと戻る。一体自分たちは何時間あそこに閉じ込められていたのか、犯人は誰なのか、そして本当の目的は何だったのか、何も解らないまま歩いて議員宿舎へと向かった。
     普段なら宿舎に入った時点で巌勝は帰るのだが、念の為、部屋の前まで付き添うと無惨と共にエレベーターに乗り込んだ。
     重い沈黙が続いたが、無惨が溜息の後に呟いた。
    「折角お前を抱くチャンスだったのに……本当にタイミングが悪いよな」
     巌勝は無言だった。真意が読めないまま二人は並んで歩き、無惨の部屋の前で立ち止まる。
    「無惨様」
    「なんだ」
    「私の身も心も無惨様に捧げました。どうぞ、お好きなように……」
     真っ赤な顔で声を震わせる巌勝を見て、無惨は小さく笑った。
    「何か一杯付き合ってくれ。今夜は泊まって行くだろう?」
    「……はい……」
     二人は部屋に入り、鍵を閉めた。その後、どう過ごしたかは二人しか知らない秘密である。
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    TRAININGむざこく30本ノック④延長戦
    7日目
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく 無惨と黒死牟が仕事上だけでなく私生活でもパートナーであると公表してから、どれくらいマスコミに囲まれ、あることないこと書かれるかと心配していたが、取り立てて大きな生活の変化はなかった。
     職場は二人の関係を元から知っていたし、世間も最初は騒ぎ立てたものの「鬼舞辻事務所のイケメン秘書」として有名だった黒死牟が相手なので、目新しさは全くなく、何ならそのブームは何度も来ては去っている為、改めて何かを紹介する必要もなく、すぐに次の話題が出てくると二人のことは忘れ去られてしまった。

     そうなると納得いかないのが無惨である。
    「わざわざ公表してやったのに!」
     自分に割く時間が無名に近いアイドルの熱愛報道よりも少ないことに本気で立腹しているのだ。あんな小娘がこれまたションベン臭い小僧と付き合っていることより自分たちが関係を公表した方が世間的に気になるに決まっていると思い込んでいるのだが、職場内だけでなく国内外でも「あの二人は交際している」と一種の常識になっていた上に、公表を称えるような風潮も最早古いとなると、ただの政治家の結婚、それだけなのだ。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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