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    nagi

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    nagi

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    遊郭小噺
    短すぎて送らなかったやつ

     本日お休みの春居は、久しぶりに仕立て屋を訪れていた。それは着物をお直ししてもらうためなく、元同僚とだべるためである。
    「なーぎちゃん、きーたよー!」
     しかし呼び出しても店先に出てこない店主、凪を不審に思い、奥を少し覗けば合点がいった。
    「琴男いるじゃん……」
     げなーんとして見せたところで、二人は気づきもしないのだからやるせない。聞こえてくる会話は甘いったらないし、やれやれである。
    「ルシファーさん!どうしてこんな時間に?」
    「なに、少し時間が取れたから、その」
    「?」
    「……家に、」
    「??」
    「君がいる家に、帰りたかったよ」
     ギュッと凪を抱きしめて首筋に顔を埋めるルシファーはただの甘えん坊であった。春居にはわからない、この男の何がどう良く思えたのか。それでも、凪はとても幸せそうな顔をしてルシファーを優しい手つきでよしよししているものだから、今日はそっとしておこうと春居はそっと店を抜け出した。
    「ま、お仕立てのために行ったんじゃないし、いーけどぉー」
     魔界の暗いままの空にはふわふわと提灯が浮かんでいて、いつ見ても綺麗だ。でもなにかポッカリと心に隙間ができた気分になって、春居はふぅと溜め息を吐いた。
     しかし、その肩をポンと叩く手がひとつ。春居が振り返るとそこにはバルバトスが立っていた。
    「こんにちは」
    「あれぇ?おにーさんだぁ!」
    「本日はお休みと言っていらしたでしょう。ですのでお誘いに」
    「ええっ!今日もぉ!?」
    「おや、わたくし、お断りをされるのでしょうか」
     眉を八の字にしたバルバトスに、違う違うと全否定する春居。その慌てっぷりを見て、すぐに冗談ですよと彼は笑った。
    「あなたはついてきてくださいますよね」
    「うう……もちろんよ」
     春居は、差し出された手を取って頬を染める。心の隙間には、もう風が吹き抜けることはなかった。
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    syuryukyu

    DONEシル監の監督生がセベクと入れ替わっちゃう話
    薬品を被ってご都合設定で入れ替わります。

    シルバーと監督生(女の子)は恋人同士
    セベクはお友達、監督生は基本ディアに愛されてます

    シル監ですが入れ替わってるので、セベクがシルバーとキャキャしているような表現があります。(シルバーは監督生だと思って接してます。)
    ↑上記表現が苦手な方はご注意下さい。
    シル監の監督生がセベクと入れ替わっちゃう話

    !ご都合設定強め

    女監督生(名前はユウです。)
    シルバーとは恋人同士、監督生は基本ディアに愛されてます
    セベクとはお友達。


    シルバーはよく喋ります。
    口調を含めて、キャライメージ違い注意。

    視点はセベク。


    シル監ですが入れ替わってるので、セベクがシルバーとキャキャしているように見えるかと思います。(シルバーは監督生だと思って接してます。)

    ※シル監前提、シル監のシルバーで書いておりますが、今回は監督生(中身セベク)なので、シル監としての実際要素は薄いです。あくまでシルバーと監督生の普段の様子を見ちゃった体験しちゃったセベク!というイメージで書いておりますので、腐のつもりはありません。
    タグ等でご指摘ありましたらお伝え下さい。


    上記内容が、苦手な方は閲覧をお気を付け下さい。






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    一体なにが起こっているのか……
    目の前に居るのは、紛れもない僕だ。
    じゃあいまそれを見ている僕は? 

    …何度瞬きをしても、動かせる手は小さいもの。
    この手には一応身覚えがある。







    思えば 5339