リヴァイ視点シガンシナ区での勝利後
調査兵団の生き残りは俺を含めて9人しかいなかった。
目の前の女は仲間の死を悲しみ、俺の代わりに涙を流す。
この女に「泣くな」と言う言葉は意味をなさない。
出会ったときからそうだった。
次から次へと湧き水のように流れ続ける涙をぬぐおうと触れようとすると「もう大丈夫だから」と泣き止んで俺から離れていく。
いつもならそうだった。
だが、今日はそうならなかった。
「〇〇…」
名を呼んで涙を指ですくうと、大粒の涙をこぼしながら俺を見つめる。
何も言わないのをいいことに女の腕をそのまま引いて、胸に押し付ける。
「落ち着くまで貸しといてやる」