リスクヘッジ ガンガンガン――と耳障りな騒音で目を覚ました。
薄目を開けて時計を見ると、まだ朝の九時である。まだというのは、今日が休日であるのと、昨晩妙に機嫌の良かった上司に付き合い酒をしこたま飲んでベッドに潜り込んだのが早朝六時だったからである。
まだ三時間しか眠っていない。おれは再び眠りに就こうと頭から布団を被った。
しかし、音は断続的に聴こえてくる。階下の部屋で工事でもしているのだろうか。通知は来ていなかったはずだが、見逃したのかもしれない。
――うるせェ。
おれは二度寝を諦めてベッドから這い出した。頭が酷く重たい。完全に二日酔いである。喉もカラカラだ。
水を求めてのろのろとキッチンへ行くと、この家の主でありおれの上司である男――クロコダイルがそこに居た。
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