「お前、だいぶ見れるようになったよな」
「何がスか?」
「体」
「サイテー。その発言、セクハラっすよ」
「見ないでくださいよ」と膨れっツラでシーツに包まったラギーの肩先は、なだらかな曲線を描いている。
はじめてその身体を見た時、なんとも貧相な体だと思った。小柄だとは思っていたが、服を脱ぐとまさかこれほどまでに痩せているとは思わなくて、その薄っぺらな胸に浮き出たあばらを見てあからさまに顔をしかめてしまったほどだ。
そのくせ、手首などの関節にあたる部分は薄い皮膚を突き破りそうなほどに骨が大きく張り出ていて、よりその痩せこけた体を病的に見せていた。
「あ、思い出した。レオナさんオレとはじめてヤる時に“お前、メシ食ってるか?”って言ってきたんスよね」
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