——キスしてもいいっすか!?
昔はそうやって、いちいち律儀に聞いてきたのになァ、だなんて。頭の片隅でひっそりと思いながら、今はただひたすらに俺の呼吸を奪ってくるニキを見る。そんな過去の言動は今や見る影も無く、2人きりになるや否や何度も何度も繰り返し無遠慮に押し付けられるニキの唇。文句を言ってやろうと薄く唇を開くと、これ幸いと言わんばかりにニキの舌がねじ込まれて言いたかったことは全てニキに喰らわれてしまった。
「ン、〜〜〜っ!!っは、ア、にっ、ぅン」
「っはぁ、りんねくん……!!」
いい加減に息苦しいンだよ。いつまで人の口の中ベロベロと舐め回してンだよ、おめェはワンちゃんですかァ〜〜?などと、非常によく回ると自負している舌で普段通り煽ろうにもその自慢のお口は現在塞がれているわけで。何か言葉を発しようとする度にその口からは到底自分の声だとは思いたくない、鼻に抜けたような甘ったるい声が漏れ出た。はしたなくて嫌になる。
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