むかしのはなし。※荀攸夢前提の、鍾会友情夢のようなもの。
※シリアス。
※トリップ夢主。
上記大丈夫な方向け。
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「いい加減離れてくれませんか。酒臭いです」
いつもは上から聞こえる鍾会の声が、今はわたしの顎の下から聞こえてくる。
辟易したふうな溜息に合わせて、彼の柔らかい髪が頬を撫でた。その感触がこそばゆくて抱き込んだ頭にさらに密着すれば、今度は舌打ちされた。
「少しくらいいいじゃないですか、折角の宴なんですし」
「あなたの言う少しとはどれくらいですか? 私の基準ではもうとっくの昔に”少し”は過ぎていますが」
「鍾会の屁理屈ー。けちー」
「守銭奴のあなたにケチと言われたくはありませんね」
イライラしていそうな雰囲気はあるものの、鍾会はわたしの腕を無理に振りほどこうとはしない。
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