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    Sakuto_Sousaku

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    Sakuto_Sousaku

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    はるみな。久々の文字書き。巳波side

    はるみな 学パロ 年齢逆高校に入学して早2ヶ月
    最近の私のブームは、昼食後に図書室に行き読書をする
    振りをして、とある人物を眺めること
    その人は陽の当たる窓辺の席に座り静かに本を読んでいました
    ターコイズグリーンの髪にシトリンのような綺麗な黄色の瞳の彼
    太陽光が反射してそれぞれの色を美しく宝石のように輝かせていました

    彼と出会ったのは1ヶ月前
    学校生活に慣れてきた頃、昼食を食べた後暇になってしまった私は図書室に向かって歩いていました
    この間好きな作家が新刊を出していたことを思い出し、もしかしたらという淡い期待で......
    図書室のドアを開けて中に入ると、生徒はあまりおらず寂しい雰囲気
    そして、すぐ近くに『今月の新刊コーナー』というものがあり、その中に読みたい本が置かれていたのです
    私はその本を手に取り、座る場所を探しました
    少し奥に入ると、読書スペースが
    けれど、そこでとあることに目を奪われ歩みを止めたのです
    それは、ノートや参考書を広げている生徒の後ろ姿
    その光景はまるで、小説の1枚の挿絵のような美しさがあり、今でも目を閉じると脳裏に焼き付いて離れません

    その日から毎日のように通い、こっそりと彼を眺めていました
    名前も学年も知らないけれど、距離を近づけようとは思いませんでした
    話しかけようにも何を言えばいいか分からなかったから
    唯この静かな時間が続けばいいと願いました


    けれど、1ヶ月経った今日は少し違っていました
    彼を観察しながら読んでいた本の最後のページを捲り、閉じる
    1ヶ月ほぼ毎日通っていたから、読みたかった本は粗方読破してしまった
    次は何を読みましょうか......
    そう考えている時でした

    「ねぇ、あんたもその作者の本好きなの?」

    聞いたことがない、けれど心地の良い声
    そちらを見ると、2つのシトリンが私をとらえていました
    思わず体が固まり、目が離せなくなりました
    そんな私に、彼は椅子から立ち上がると、ゆっくり近づいてきて

    「俺も、その人が書く本が好きなんだ
    それでなんだけど......」
    良かったら俺と話さない?

    そう言ってはにかんで笑う彼に、自然と体の緊張が解けて

    「わ、私でよければ喜んで」

    と返事をすると、彼は私の手を引いて先程まで座っていた場所へと連れていく

    「話す前に、まず自己紹介しよ
    俺は2年B組の亥清悠」

    「私は1年A組の棗巳波といいます」

    彼、基亥清さんは本を読んでる時と違い、話している時は表情を豊かに変える
    その姿がとても愛らしくて、私も自然に柔らかく微笑んでいました

    これが、私と亥清さんの出会いのお話
    もちろん、この関係がしばらく続いた後、進展するのですが、それはまた別の機会に


    〜Fin〜
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