Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    マシロルリ

    @alche1125

    主にWebオンリーの展示用。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 2

    マシロルリ

    ☆quiet follow

    Birthday for 2nd Floor Surprise Autumnの展示作品です。
    ハウ主がボスキの誕生日をお祝いする話です。

    #aknkプラス
    aknkPlus
    #aknk夢
    #ハウ主

    Happy birthday 誰かの誕生日を祝う事は特別な事だ。
     生まれてきてくれてありがとう。私と出会ってくれてありがとうって、ちゃんと伝えたいから。

     今日のデビルズパレスは少しソワソワと浮き足立っている。
     理由は簡単。明日は執事の一人であるボスキの誕生日だからだ。
     皆、彼をお祝いしようと準備をしているのだろう。
     私も勿論、お祝いするつもりだが……。彼にプレゼントをあげるとしたら、何が良いのだろうか。
     私は恋人であるハウレスに相談してみる事にした。

    「ボスキの好きなもの……ですか?」
    「うん。明日、誕生日でしょう? だから、何をあげようかなって」
    「そうですね……。ボスキの好きなものといったら……」
    「肉」
     ハウレスと私の声がピッタリと重なる。
     それが可笑しくて、お互いにクスクスと笑い合う。
    「でも、お肉ってロノがとびっきり美味しく料理しそうで……勝てる気がしない」
    「いえ、主様が作ったものなら、ボスキは喜んで食べますよ」
    「そう……かな?」
     だったら、嬉しいけど……。
     でも私、料理にそんな自信があるわけじゃないんだよね……。美味しくないものを作って、ボスキに無理して食べて貰うのは悪いし……。
     うぅん、と頭を悩ませているとハウレスと目が合った。そうだ。
    「ハウレス、一緒にクッキー作ろう!」
    「え……、俺、ですか?」
     ハウレスが瞬きをする。
     本格的な料理は難しいけど、簡単な焼き菓子なら作れるし……。バレンタインで父親に義理でチョコレートのクッキーを作った事あるし、味には少々自信がある。
     ハウレスが料理が得意じゃない事は知っているけど、でも、だからこそ一緒に作りたかったのだ。
    「うん、思いを込めればきっと美味しく出来るよ」
     だから、一緒に作ろう。
     そう説得すると、ハウレスは思案顔を浮かべた後、ふわりと笑みを浮かべて頷いたのだった。

     誕生日当日。
     私とハウレスは何とかクッキーを作る事に成功した。私は紅茶の味の、ハウレスはチョコレートのクッキーだ。
     ラッピングもセンスの良いボスキに失笑されないように、黒の巾着袋にシルバーとブルーのダブルリボンでシックにまとめてみた。
     後は渡すだけ……。喜んでくれると良いな……。
     クッキーの入った袋を大事に抱えながら、ハウレスと共に食堂に行けばボスキは早速皆に祝われている最中だった。
    「わ、凄い。流石、ロノ」
     思わず感嘆の声が漏れる。
     テーブルの上にはこの日の為に作ったであろう煌びやかに盛り付けされた料理の数々が並べられていた。
     特に目を引いたのは、薔薇の花のように積み重ねられたお肉のケーキだ。
     これなら見た目も華やかだし、ボスキも喜ぶだろう。
    「おい、アモン。何で花なんだよ。俺はくれるなら肉が良いって言っただろ」
    「も~、ボスキさん。その花は誕生花なんすよ~。それに肉なら、これから十分食べるから良いでしょう」
    「リンドウとブッドレアの花束かぁ。綺麗だね」
    「冗談だよ。……ありがとな」
     アモン、フェネス、ボスキ。彼らの会話を聞いて微笑ましくなる。私とハウレスは目を合わせ、そして彼らの元へ向かった。
    「ボスキ、誕生日おめでとう」
    「おめでとう」
    「主様、ハウレス」
     私達に気づいたボスキに、クッキーの入った袋を渡す。
     軽いけど、二人で一生懸命作った、思いが詰まった確かな重み。それを受け取ったボスキは、私とハウレスを交互に見た。
    「主様が作ったのか?」
    「ふふ、ハウレスもちゃんと作ったよ。受け取って」
     お前が?と言いたげな目をするボスキに、ハウレスは何処か気まずそうな顔を見せる。
     ほら、と彼の背を軽く押した。
    「ボスキ……。主様と作ったクッキーだ。味は保証する」
    「へえ……。あの料理が壊滅的なハウレスがねぇ……。でも、ラッピングはハウレスにしちゃ悪くねぇじゃないか」
    「主様と一緒に選んだからな」
     ふふん、と得意気な顔をするハウレスにボスキはジト目で見やった。
    「…………お前一人で何もやってねぇじゃねーか」
     そう呟いたボスキの顔は呆れていたけど、声音は優しく嬉しそうだったのだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏👏👏💞💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    住めば都

    DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました
    「逃げてもいいんだよ」バスティン夢
    ※秋のホーム会話のネタバレを一部含みます
    向こうでいろいろあった主様が、バスティンと馬に乗っているうちに元気を取り戻す話

    主様といるときか、動物を相手しているときだけ、柔らかい空気を纏うバスティンに夢を見ています。彼は穏やかな表情の奥に激重感情を隠してるのがずるいですよね……
    安息の地を探して 天高く、馬肥ゆる秋。
     近頃の馬たちは元気いっぱいで、よく食べ、よく走り、よく眠る。前後の話の流れは忘れたが、先日バスティンは主人にそんな話をした。
     彼女がいたく興味を引かれた様子だったので、ならばとバスティンは提案したのだ。次の休日に、馬たちの様子を見に来るか、と。
     それを聞いて、元より動物好きの主人は目を輝かせた。馬たちのストレスにならないのなら、触ったり乗ったりしてみたい。そう話す彼女はすでに楽しそうで、無表情が常のバスティンまで、つられて笑みを浮かべてしまうくらいだった。
     だというのに――これは一体、どうしたことだろう。
    「……主様」
    「あ……うん。ごめん、ちょっとボーっとしてた。せっかく時間を取ってくれてるのに、ごめんね。今度はちゃんと聞いてるから、もう一回説明してもらえる?」
    2707

    住めば都

    DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしています。
    「おかえり」ユーハン夢。
    予定の時間を過ぎても帰ってこない主様を待ち続けるユーハンの話。

    翌朝、ほかの執事からもユーハンがずっと待ってたと話を聞いて、主様は某ワンちゃんを思い浮かべたとかいないとか。
    待てと言うならいつまでも 主人の帰宅時刻五分前になったのを確認し、ユーハンは出迎えのため本邸の玄関へ向かった。
     今朝、主人は「帰宅はいつもどおりだと思う」と告げ出掛けていった。彼女が「いつもどおり」というときは、十分から二十分くらいの誤差はあるものの、だいたいこのくらいの時間に帰ってくる。
     ユーハンは姿勢よく立ったまま、主人の帰宅を待った。だが、十分経っても、二十分経っても、彼女が戻ってくる気配はない。尤も、不思議な指環の力で二つの世界を行き来する彼女の帰還は、予兆も気配もなく、突然であるのが常なのだけれど。
     そのうち帰ってくるだろうと思っていたユーハンだったが、予定の時間から一時間が経って、さすがに不安を感じた。
     事件や事故に巻き込まれたのではないか。突然の病気や怪我で、身動きが取れなくなっているのかもしれない。彼女を狙う不届きな輩に襲われて、恐ろしい目に遭っていたとしたら。
    3615

    住めば都

    DONEあくねこ、ハウレス夢
    本編2章の直後くらいに、セラフィムの騙った主様の処刑を夢に見るハウレスの話。

    始めたばっかりですが、生きてるだけで褒めてくれるあくねこくんにズブズブです。
    本編は3章1部まで、イベストは全て読了、未所持カードばっかりだし執事たちのレベルもまだまだなので解釈が甘いところも多いかと思いますが、薄目でご覧いただければと思います( ˇωˇ )
    悪夢のしりぞけ方 ハウレスはエスポワールの街中に佇んで、呆然と雑踏を眺めていた。
     多くの商店が軒を列ねる大通りは、日頃から多くの人で賑わっている。幅広の通りはいつものように人でごった返していたが、いつもと違い、皆が同じほうを目指して歩いているのが奇妙だった。
     なにかあるのだろうか。興味を引かれたハウレスは、足を踏み出して雑踏の中へ入った。途端に、周囲の興奮したような囁き声に取り囲まれる。
    「火あぶりだってさ」
    「当然の方法だよ。なにしろ奴は人類の敵なんだから」
    「天使と通じてたなんて、とんでもない悪女だな」
    「許せないよ。死んで当然だ」
     虫の羽音のような、不快なさざめきが寄せては返す。悪意と恐怖、それから独善的な正義。それらを煮つめて凝らせたような感情が、人々の声や表情に塗りたくられていた。
    4518

    recommended works