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    アルミ

    @arumi3aot
    進撃ライベル
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    アルミ

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    ライベル
    オンキョーイヤホンコラボ

    #ライベル
    rebel

    ボイス搭載ワイヤレスイヤホン:モデル;ベル卜ル卜 AI技術の進歩は目覚ましい。AIによって造られた精巧なフェイクニュース、技術の進歩により仕事を奪われた人々。AIに、平和で豊かな生活が脅かされる!と言われその存在が問題になったこともあった。だが、それを覆したのは俺の発明だった。
     あのときは記憶の片隅に残る存在を、この手に取り戻すため、ただがむしゃらに進んでいた。その結果、この世界を豊かにする技術を生み出すことになったのだ。俺はトニー・スタークじゃない。が、やると決めたことは絶対にやり遂げると決めていた。その選択と行動の結果が今の世界だ。
     
     片耳に、インナーイヤー型のデバイスを嵌め込む。外側は純白、内側には稲妻のような鮮烈な赤の線がいくつもが走っている。血管のようにも見えるそのデザインそれこそが使用者の生態認証システムになっている。そしてこのデバイスはこの俺、ライナーブラウン専用のものだった。
    「ベルトルト」
     そう、俺が声をかけるとデバイスが起動する。ほんの少しだけ、耳が温かい。
    『やあ、ライナー。今日の気分はどう?』
    「良好だ」
    『それは良かった。今日一日、君の予定は渋滞を起こしそうなくらいだから。朝からもう疲れたなんて言われたら大変だ』
    「おいおい、俺ならその予定、全部こなせるだろうみたいな言い方はやめてくれ。だがお前のことだから、俺の体調に合わせて上手いことスケジュールを調整してくれるんだろう?」
    『そんな、買い被られても困るんだけど…でも、それが僕の仕事だからね。今日も君のサポートは任せてくれ』
    「ああ、頼んだ」
     0と1の羅列によって交わされる会話とは思えない。俺が作った人工知能デバイス『ベルトルト』は、人類の、いや俺の血と努力と汗と涙と叡智を詰め込んだ、夢の電子端末だ。もうこいつ無しで生活はままならない。俺の相棒だ。
    『ライナー。もう支度は済んだかい?』
    「なんだ?そう急かすなよ。まだパーティには参加できないぞ」
    『あはは、君の姿、僕には見ることができないけど、きっと素敵だと思うよ……いつものコーヒーが届くよう手配したんだ。あと二分で到着するから、受け取ってくれ。ちょうど君の目が覚めるような熱々のやつ』
    「ああ、助かる」
     洗面所で顔を洗っていたライナーはベルトルトの言葉に目を細める。デバイスの生態認識のおかげか、ベルトルトにはなんでもお見通しらしい。
    「……ベルトルト、早くお前に〝身体〟を作ってやりたい」
     その言葉を聞いたベルトルトの声音が少し曇る。
    『……今の僕は、まだ君の役に立てていないかな。やっぱり身体が必要?』
    「ああ、お前を個の存在として出力したい」
    『僕らの存在意義は、人間…ライナーの生活を楽に…豊かにするためだよ。役に立つのが一番大事なんだ、形にこだわる必要はないと思う。僕の身体の開発に時間を割くよりも、君の技術を必要としてる人はたくさんいるよ』
    「そんなことはない」
     抱きしめたい、匂いを嗅ぎたい、体温を感じたい、側にいたい、キスしたい、手を繋ぎたい…そう思って、ずっと俺は走り続けている。
    「ベルトルト、お前をあいしてる。俺のために、存在しててくれ」
    『……僕を作って、使ってくれているのは君だろう。君こそ、僕をずっと側に置かせてくれよ』
     
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