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    アルミ

    @arumi3aot
    進撃ライベル
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    アルミ

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    2023.12.30
    ベルトルト誕生日SS

    #ライベル
    rebel

    Dearest「ねえ、ライナー。シガンシナでの…あの時から、もう七年も経ったんだね。またこうして君に会えるなんて、夢みたいだ。……死んじゃった僕が、夢と言うのは変かな」

    「道はもう閉じてしまったけど、死んだものの魂の思念…いわゆる幽霊?という概念はあるみたいだ」
     
    「僕、幽霊になったっていうのに、あれだけ帰りたかった故郷じゃなくて、この島にずっと残っていたんだ…おかしいだろ?」

    「マーレにいた頃より、正直この島で過ごした時の記憶や思い出の方が多かったからかもしれないね」
     
    「エレンや始祖ユミルと、君たちとの闘いは見ていたよ。いや、道で通じていたと言えばいいのか…最初は僕の意思がまったく届かなくて…失ったはずの巨人の力で皆やアニや、君まで…手にかけようとする悪夢を見ているのかと思った」

    「でもアルミンやジークさんに呼び起こされて、気づいたらユミルやマルセル、ポルコたちと一緒にあの戦いの中にいて。無我夢中だったよ。あやふやな記憶だけど……僕らが、君たちの力になれていたら嬉しい」
     
    「あの戦いの結果として、君が…いや君たちは生き残って、平和的な意味と使命を持って、またこの島に訪れてる。それが僕は嬉しいよ。……こんな未来がくるなんて、思いもしなかった」

    「平和の使者として、女王と謁見か。クリスタ…いやヒストリア女王。…君、兵士だった時に『クリスタはどこか気品がある…実は亡国のプリンセスなんじゃないか?』って言ってたろ?僕はそれ聞いて、ちょっと何言ってるんだろうって思ってたんだ。でも君が正しかったね…ごめん」

    「ヒストリアが女王で本当に良かったよ。また戦争が起きてしまうんじゃないかと、ハラハラしてたんだ」

    「会談はうまくいったみたいだね…これからの政治と未来、多くの人が傷つけ合うことなく進んでいくといいな…」

    「…お酒。そっか、もう飲めるんだ。兵士だった時…コニーだったっけ?大人になるまで生き延びて、みんなで酒を飲もうって言っていたの。巨人の力を持ってる僕たちには到底無理なことを楽しそうに話してて…あの時は頷くしかなかったけど、実際君たちがお酒を飲んでる姿を見られて嬉しいな」

     
    「……おはよう?大丈夫かい?昨日はだいぶ遅くまで飲んでたみたいだけど…そうだね、観光でもしながらゆっくり過ごした方がいいよ」

    「ああ、シガンシナの…そう。超大型の巨人化の爆発で抉られた土地は元に戻らなくて…整地に必要な資材が集まらなかったみたいでね。ここはまだしばらくこのままだと思う」

    「……地ならしで平された土地も、まだ完全には戻ってないんだろ?……巨人の力って、本当に凄まじいものだった………無くなって良かったと思うよ」

    「あはは。みんな、子どもみたい。かけっこだなんて、懐かしいな。マーレや104期での訓練を思い出すね」

    「……お墓?そっか、彼の。……道に来てから彼と会ってはないけれど…ゆっくり休んでくれていたらいいな」

    「地ならしの、慰霊碑も建てられたんだ。そっか…そうだよね。たくさんの人やものが失われたんだよな……この島にいると世界の状況があんまりわからないんだ。だからここは〝楽園〟なのかもしれないね」

    「もうマーレに…大陸に帰るんだね。元気そうなみんなを見られて良かったよ。いつまでここにいられるかわからないけど、また君たちに会えたら嬉しいな…またね、ピーク、アニ、ライナー」


     
    「……またね、とは言ったけど、まさかこんなに早くまた会えるとは…」

    「ヒストリア女王への使い、ね。……ジャンにも言われていたと思うけど、女王には連れ合いの男の人も、子どももいるからね?ライナー」

     
    「……また島に来たのかい?大使業は大変だね…アルミンはとても様になってるけど、君は何だろう、どこかふわふわしてるというか…疲れてるんじゃないか?休める時は休んだ方がいいよ」

    「やあ、ライナー。なんだか君がパラディ島の港に立ち寄るの、見慣れてしまったよ。マーレにお母さんを残して来てるんだろ?たまには家族でゆっくり過ごす時間を作ってもいいのに…」

    「ついにこの島に家まで建てたのか君は。頻繁に島を訪れているなとは思っていたけど…君の行動って本当に予測できなくて、目が離せないな」

    「君一人で住むにはちょっと広すぎるんじゃないか?それとももしかして君、結婚したのか?家族ができた?もしそうならとっても嬉しいな」
     
    「うわっごめん!君のそういうプライベートな部分を覗き見する趣味はないから!あっち向いておく…いや、外に出てるね…………はぁ、びっくりした…家なんか建てたから、深い仲の人がいるものだと思ってたけど…そうじゃないのかな」

    「え……ライナー?これ、僕のお墓?…………あはは、おかしいよ。だって僕は…フーバーなのに。ブラウン家のお墓に入るの?」

    「確かに、弔ってくれる家族も残っていないけど……」

    「シガンシナの大穴、水が溜まって湖になったんだ…だからそこを臨める場所がいいと?え?だからここに家まで建てたの?……君と、僕が住む家?」

    「…………ごめん、ちょっと……」
     
    「………………」
     
    「………………」

    「………………」
     
     
    「……ありがとう。ライナー。僕の、居場所を作ってくれて」

    「……恥ずかしいな。一人で泣いて…なんだか疲れて、眠くなってきたよ」

    「……幽霊の僕が眠ったらどうなるんだろう。今までそんな気持ちにならなかったから」

    「……愛してるよ、僕も。ライナー、幸せになってね。ありがとう……おやすみ」
     
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