再会「よぉ、久しぶり」
「すみません、ここの所忙しくて」
「ほんとだぞ? 丸半年も顔見せねえで、なんかあったか? 律?」
なんかあった、か。
そもそもひと月に数回は何らかの依頼で呼びつけられていたのだが、「今、ちょっと余裕がなくなりまして」とメールを打ったのが霊幻が言うように半年前のことだった。何の詮索も追及もせずに「わかった」と一言だけ帰ってきた返信に、かえって色々をお見通しなんだろうと律は軽く絶望した。
十七歳の恋心なんて霊幻にとっては除霊するまでもないささやかな呪いみたいなものなのだろう。けれど自分にとっては悪霊に重たく憑りつかれたようなものなのだ。悪霊、と口にして実際におかしくはなったが、そもそも霊幻新隆という人物にも問題があるのだろう。まるで浮遊霊みたいなよりどころのなさのくせにひどくまとわりついてくる。
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