体温日が上り沈むのを何回見たことだろう。
十代目はいつもお忙しい。大盛りの書類を裁く手はたまに切れることもあるくらい、仕事が多くて、多くて。その他にも会合という人と会う仕事もして、護衛の山本と一緒に向かうパーティもある。九代目に呼ばれてイタリアへ行くことも。
時に執務室で1人になる瞬間がある。たまに手が空いていて休憩をする十代目。
顔に一つ光がちらついて下に顔を向けられた。
「はやと…どこにいるの?」
そうボソッと言われるこの言葉は、何度もあった。
隼人という人はずっとそばにいてくれた大切な人だと話します。十代目は目に水を溜めて落ちる前に目をぱちくりして目の中に収める。
水が下に落ちたら止まらなくなると言われます。
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