異常事態再びナイトレイブンカレッジにおける、緊急時の情報共有の流れは決まっている。
まず余程のことがなければ学園長から寮長へ、緊急事態の詳細が語られる。その規模次第、各寮に及ぼす影響が強い場合などは、寮長から副寮長へ、そして寮生へと情報が共有される。場合によっては寮内での待機、あるいは学外への非難といった指示が出される場合もあるが、極稀である。これほどの指示が出たことは10年以内にはないと言う。
副寮長は、自身を選んだ寮長から緊急事態の報せをもたらされる。実際のところは報せを受ける前に現象や原因の人物を目撃、遭遇する場合もあるのだが、正式な情報は寮長を経由したものという事実は変わりない。この学園において寮長は職員に準ずる監督の権限を持つため、場合によっては寮生達を寮長に代わり纏め、誘導することも任される副寮長は、緊急時の寮長の言葉を一言一句逃すことはない。
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