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    105@海自艦擬人化

    @sanpomichi105

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    105@海自艦擬人化

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    5203進水一周年おめでとう!4002と。

    #擬人化
    Humanization
    ##本編
    ##3_affection

    そういえば今日はまだ松の内だった。
    順々に回収されるのを待つばかりのしめ飾りを見上げながら、ちょうど一年前にも敷地内のあちらこちらで目にしたおぼろげな記憶が甦る。進水当日の朝。はっきり覚えている中でたぶん一番古い記憶。
    あの時はずいぶんと高い位置に感じたけど、改めて見るとそれほどでもなくて。あの時の目線はどれくらいだったっけ、記憶を頼りにとしゃがんでみたり座り込んだりまた立ち上がったり。不審な動きにやや呆れた調子で声を掛けられるのは仕方ない。
    「あき?なにやってるの」
    「ちょうどいいところに。しもきたさん、僕の背って去年はどのくらいでしたっけ」
    突然の質問に戸惑いながらも、少し考えた彼が確かこの辺。と指し示したのは当人の腰上、自分の背で見ると胸あたりだ。こんなに大きくなってたんだなぁと思わず呟く。うん、と隣で頷いてくれる。
    「大きくなったな。身も心も」
    始まりを見守ってくれた人の言葉が嬉しくも少し照れくさい。
    柔らかな日差しを受けてぐっと伸びをした。さわさわと吹き抜ける風が背中を押す。就役まで、そしてその先もきっと大丈夫なのだと。
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    105@海自艦擬人化

    DOODLEかもめ(新幹線)とやはぎ(艦)。セルフクロスオーバーみたいなものです。
    新米の冒険 駅から続く電車通りから外れて海沿いの遊歩道を軽く駆け抜け、公園の端まで来るとそこから人々が憩う様子をふわふわと潮風を浴びながら眺める。この景色は元々は海から見る予定であったけれども、あいにく天候の折り合いが悪くて叶わなかった。それ自体はいまも残念に思っているものの、こうして別の機会にでも自ら赴けるあたり、人の身に意識を宿したことのありがたさを感じる。まだ慣れていないのもあってしばしばバランスを崩してしまうけれど。本体の性質のせいかこの身体でも走るのは好きだ。でもたまにはゆっくり歩くのも良いな、と遊ぶ幼い子供の笑い声や木々のざわめきを耳にしつつ元来た道を戻るべく振り返る。
    「こんにちは!」
     いつからいたのか、視界の手を伸ばせば触れられる距離に子供が立っていて、思わずびくっと身体が跳ねた。やや緊張した面持ちで声を掛けてきた子供は背格好からしてまだ小児料金が適用される年頃に見える。驚いて真っ白になった頭でもそれだけは真っ先に過ってちょっと可笑しくなった。落ち着いて思考を巡らせる。確か出掛ける前に先輩からは「人からは見えないのだから、もし迷ったら呼びなさいね」と言って携帯を持たせてくれたのだけれど。中には見える人もいる、ということなのでしょうか。こんなことなら対策を聞いておくんだったと内心はあたふたとしながら何を言うべきかを考える。
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    105@海自艦擬人化

    DONE祝・118進水日!10周年おめでとう~!
    雨上がりの記憶 不意に目を覚ます。直前まで夢でもみていたのか一瞬、ここはどこだっけと頭をよぎった。薄暗い中で視線を巡らせて、艦の馴染んだベッドであることを確認する。枕元に置いているデジタルの腕時計を手探りで掴み、顔の前でかざすと時刻は〇五二九を示していた。付近のベッドではまだぐっすりと眠っている者が大半のらしく、機械の作動音が低く響いているのを除けばしんと静まっている。
     もう一〇年前、か。
     寝起きの少しぼんやりした頭で今日だなぁと思い出す。時刻と並んで表示されていた日付は八月二二日。かつて海へと滑り降りた日だ。当日朝は普段と違う様子に緊張していたのか、単に暑くて寝苦しかったか、もしくは夢見でも悪かったのか。起きてしばらくの間ぐずぐずと泣いて、立ち会いのしらゆきさんを困らせたような記憶が朧気に残っている。ただ、さすがのベテランと言うべきか、彼の気性ゆえか、あれこれと世話を焼かれている内にすっかり機嫌が治っていだから不思議なものだ。僕では同じように出来ないだろうと思う。艤装中に〝ふゆづき〟の舞鶴配備を知ってからは生まれ故郷とのことでしばらくご無沙汰だけど、と注を入れながらも馴染みの店をいくつか教えてくれたりもした。就役後に訪れると既に閉めているところも多くあったけれど、続いているところの中には自分も気に入って、通っているところもある。出港中ですぐには叶わないけれど帰ったら久しぶりに買いに行くのを楽しみにしていようと思う。
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