子守り いまはしもきたさんが使っている部屋から子供の声が漏れ聞こえてくる。くまのが遊びに来ているのだろう。随分と騒がしい。強めにノックを鳴らしたら無事に聞こえたようで「どうぞー」と笑い声に混ざって返事が届いた。
お邪魔します、そう言いつつ扉を開け顔を上げた先には所謂お馬さん状態の二人と目が合う。普段は筋トレに使っているのだろう、マットまで敷いて。
「あのね、艦載機ごっこしてる!」
疑問を口にする前にくまのが言う。
「筋トレの負荷にちょうど良くてね」
次いでしもきたも続く。つい先ほどまで仕事の邪魔をしているんじゃないか、と心配したのは杞憂だったみたいだ。これ置いておきますね。と預かってきた書類を棚に置き、部屋を辞する。扉を閉める前あと五分! とねだる声が聞こえた。