口は災いの元「それ、みっともないからやめた方がいいッスよ」
「あ?」
宮城に指摘され、三井は反射的に喧嘩腰で返す。そんな威嚇に怯むことなく指さされた、それ、とは。
指先を辿る先にあるのは三井の手の中のコーヒー牛乳のパック。大きな手の中ではパックが自販機で並んでいた時よりも小さく見える。これの何がみっともないのか。コーヒー牛乳と言うなら宮城の手の中にもある。加えて言うなら、自販機の前で何を選ぶか悩んでいた三井の隙をついてボタンを押された、ほとんど強奪された代物だ。しかし示された先は正確にはパックではなかった。パックに突き刺したストローと、それを齧る三井の口。これか?と尋ねるように敢えて口をい、と噛んでみせる。宮城の眉が物言いたげに上がった。
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