女王候補試験が始まってから気がつけば百日以上が経っていた。
水の曜日、アンジェリークは光の守護聖ジュリアスに育成の依頼をすべく執務室に行った。
しかし、そこにジュリアスの姿はなかった。そこでアンジェリークは守護聖たちの部屋を訪れる。彼らのうちのひとりくらいなら行き先を知っているのではないかと思い。
「ああ、お嬢ちゃんかい。ジュリアス様なら公園にいるはずだぜ」
そう話してくれたのは何人目かに訪れた炎の守護聖オスカー。
ジュリアスの右腕とも言われている彼の情報なら確実だろう。
アンジェリークは小走りで公園に向かった。
「ジュリアス様!」
アンジェリークが公園にたどり着いたとき、ジュリアスは木陰で佇んでいるところだった。
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