Issue&Evidence&Profit「みーつけた」
玄関扉に貼られたメモを前に、ユウキは嫌な記憶を思い出す。
大学時代に頼りにしていた先輩と疎遠になった頃、ユウキはストーカーに悩まされていた。警察に連絡しても、「男だから」という理由で真面に取り合ってもらえず、当時は相談したシロナ先輩の助言の元、夜逃げる様に素早く引っ越しをして、どうにか振り切ることができた。
以来、ストーカー被害らしきものに遭遇することはなかった……はずだったのだが。
「気のせい……だよな……?」
誰かの悪戯にしては性質が悪い。ユウキは剥がしたメモを握りつぶし、自分の部屋へと戻った。
* * *
「副社長秘書への就任、おめでとうございます、ユウキさん!」
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