おおかみと、うさぎある寒い冬の日。
1匹のおおかみが歩いていました。
群れからはぐれてしまい、エサも捕れずにフラフラとただ当ても無くさまよい続けていました。
風がだんだんと強くなり、吹雪く雪で目の前は真っ白になってしまいます。
おおかみは身を隠せる洞穴へなんとか辿り着くと、身を潜めてじっとうずくまりました。
おおかみはお腹が空いてどうしようもありませんでした。
吹雪のせいで身体は芯から冷えて、今にも死んでしまいそうでした。
おおかみはもうダメかもしれないと、ゆっくりと目を閉じました。
家族や仲間のことを思い出します。今まで食べたご飯のことも思い出します。
喧嘩をしたことも多かったし、うまく狩が成功しない日もたくさんありました。
それでも楽しかった日々でした。
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