砂塵と守り人(全年齢版)雲一つない星空が青く広がっている。
星座ってやつはよくわからないから、これから勉強しようか、とか思いながら、自分の胸の輝きと同じものを見つめている。
手を伸ばして、あいつのいるところにまで届けばいいのに。
「るり?」
草人が顔を覗き込んでくる。砂漠だというのに、なぜかこのオアシスにはやたら「いる」。
目を向けると、何かきらきら光るものをしきりに指さしている。
「るり、よんでる。」
呼んでる、って何なんだ。体を起こし、指さす方向をみてみると、懐かしい声が聞こえて、あぜんとした。
「瑠璃、なのか?」
「・・・その声、シャルか!?」
これは、それからずっと後の話。
「あれ?この砂漠にこんな建物あったっけ?」
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